シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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感性工学 | 2024 | 後期 | 土1 | 理工学部 | 入澤 裕介 | イリサワ ユウスケ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-HI3-7C29
履修条件・関連科目等
受講者は、基本的な「統計学」の内容を習得していることが望ましいが、履修を必要とする講義に関しては特にない。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
昨今の高度化・複雑化した変化の激しい企業内外の環境を背景に、企業経営・事業開発・商品開発等が複雑化し、客観的視点での定量的/定性的分析の双方が必要不可欠なものとなっている。そのような中で、感性価値創造に向けた意思決定では、感性に関わるデータ分析や感性価値分析などからいかに有効な情報を引き出して活用するかが重要な要素となっている。
本講義では、「感性の時代」と呼ばれる今日において、感性価値に関わる商品企画のための消費者の嗜好・感覚データの収集およびその解析に用いられる統計手法である官能評価法について考え方と利用方法を解説する。また、定量的側面だけではなく感性の定性的側面を理解しておくことは今後のビジネスセンスを磨く上でも重要と考えられ、感性産業や経験経済の概要を理解するとともに具体的な事例に基づいた感性価値(経験価値)分析を解説していく。
なお、数学的な説明は極力扱わずに感性データの取得や計算方法・活用方法、具体的な商品開発事例に基づく定性的な分析手法に重点を置きながら解説し、ディスカッションを通じて理解を深めていく。
科目目的
本科目は、受講者が感性的価値を軸にした検討を行える素養を定性的・定量的の両側面で習得することを目的としており、有益な情報を引き出し活用するビジネススキルやセンスの習得も付随的な目的としている。
到達目標
受講者が、感性価値におけるデータの収集から分析に至る流れを理解し、基本的な手法に関する必要性と利用法を習得すること、ならびに、感性産業や経験産業という業界特性理解、定性的な感性価値の分析手法を習得することを目標とする。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション(全体の構成・進め方)/ 感性産業の基本的な考え方
第2回 感性産業と経験経済
第3回 感性評価(官能評価)について
第4回 官能評価法Ⅰ:分類データの解析法(2点比較法・3点比較法・1対2点比較法・配偶法)
第5回 官能評価法Ⅱ:格付け分類データの解析法(フィッシャーの評点法・累積法)
第6回 経験価値マーケティング/マネジメント(感性に訴えかける商品開発の事例Ⅰ)
第7回 官能評価法Ⅲ:順位法(順位相関係数・一致性係数・順位和検定・クラスカルH検定)
第8回 官能評価法Ⅳ:一対比較法(一意性係数・シェッフェの原法)
第9回 官能評価法Ⅳ:一対比較法(芳賀の変法・浦の変法・中屋の変法)
第10回 感性商品開発における商品デザインと感性価値(感性に訴えかける商品開発の事例Ⅱ)
第11回 感性商品開発に関わるコンジョイント分析(商品企画プロセス・手法)
第12回 感性商品開発に関わるコンジョイント分析(重回帰分析・実施例)
第13回 感性ビジネスにおけるブランド経営①(ファッション&ラグジュアリーブランド)
第14回 感性ビジネスにおけるブランド経営②(ファッション&ラグジュアリーブランド)
*商品開発事例は、いくつかケースがあるため内容を変更する可能性があることをご了承ください。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・予習は教科書を読み、授業のポイントを自分なりに把握し、簡易な課題を実施・提出すること
・復習は講義の内容に基づき、必ず自分なりのまとめをすること
・理工以外の分野にも興味を持って接すること
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 期末レポートの提出・完成度 |
平常点 | 60 | 各回簡易課題:30%、発言の質:15%、発言の量:15%) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]:
長沢伸也編著・川栄聡史共著「Excelでできる統計的官能評価法-順位法、一対比較法、
多変量解析からコンジョイント分析まで-」(CD-ROM付き)、日科技連出版
[参考文献]:
長沢伸也編著、早稲田大学ビジネススクール長沢研究室(山本太朗・吉田政彦・入澤裕介
・山本典弘・榎新二)共著『ヒットを生む経験価値創造-感性を揺さぶるものづくり-』、
日科技連出版社
長沢伸也編著、早稲田大学ビジネススクール長沢研究室(入澤裕介・染谷高士・土田哲平)共著
『老舗ブランド企業の経験価値創造-顧客との出会いのデザイン マネジメント-』、同友館
長沢伸也編著、入澤裕介・山本典弘・押見大地・中越出・西藤栄子・神宮英夫・熊王康宏
・木下雄一郎・井関紗代・北神慎司・杉本香七・庄司裕子共著『戦略的感性商品開発の基礎
-経験価値、デザイン、実現化手法、ブランド・経営-』、海文堂出版
E.コルベリーニ、S.サヴィオロ共著、⻑沢伸也・森本美紀共監訳、安達満、井上⿓、
⼩宮理恵⼦他訳『ファッション&ラグジュアリー企業のマネジメント-ブランド経営を
デザインする-』東洋経済新報社