シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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動物分子生理学 | 2024 | 後期 | 月4 | 理工学部 | 上村 慎治 | カミムラ シンジ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BI3-9A15
履修条件・関連科目等
基礎的な生物学・生化学・分子生物学を学習・復習してあること。また、神経科学、タンパク化学、生化学、細胞生物学の基礎知識があると、より望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
ただし、講義で使用する多くの資料の中に,英文記載事項のものがあります。
授業の概要
膜輸送と興奮現象、神経における興奮の伝導と伝達、シナプスと受容体の機能、ATPエネルギー論と細胞運動など、真核細胞に見られるさまざまな生理機能は、分子拡散とエネルギー論に基づいている。さらに、それらの多くは、ボルツマン分布の法則などの化学および物理学の基本法則を使用して説明可能である。これらの生命現象を理解するために必要な物理化学的原理や分子機構から、マクロスケールの生物の統合制御機構まで、さまざまな研究発表例を紹介し、解説する。
科目目的
動物細胞の示す様々な生理機能の理解には,背景にある物理・化学的な現象,さらに,その数学的な記述が欠かせない。生理現象の分子レベルでの機構から、マクロなスケールの統合制御のしくみまで、多様な研究発表事例を解釈し,理解できるような基礎的な学力を養う。
到達目標
生理学は、生物のさまざまな機能を物理的および化学的手法を用いて記述することによって理解する科学分野である。動物生理学の分子メカニズムが徐々に解明されつつある現在、上記のアプローチに加えて、詳細な分子メカニズムの具体的な証拠に基づいて、さまざまな動物機能をより深く理解することができる。この講義では、基本的な分子メカニズムを解説し、生理学の巨視的側面を理解し解釈することを目指す。また、さまざまな生命現象を数式で記述することで概念を一般化し、原理を深く理解することを目指すことも重要である。
授業計画と内容
以下の項目を中心に講義を進める。
1 生理学の基本的な考え方
2 生理学的なパラメータとしての質量・密度
3 生理学的なパラメータとしての粘性
4 生理学的なパラメータとしての弾性
5 細胞内の拡散現象と分子の動き
6 膜を通した物質透過機構
7 能動輸送のしくみ
8 溶液の特性(浸透圧、イオン強度)
9 生体とエネルギー
10 生命現象の温度特性
11 低温条件下の生体反応
12 電気的な現象:膜電位の発生機構
13 電気的な現象:活動電位
14 電気的な現象:シナプスの機能
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義スライドやレポート課題等を参考にして、関連する重要なキーワードを抽出し、参考書を使いて、さらに掘り下げて自宅学習することを推奨する。この自宅学習を通して、より深い理解が可能となり、応用問題を中心とする期末試験への対処も可能となる。
また、各項目の中で重要な概念は、講義の中で提示する平易な設問に解答する形でレポートを作成して提出する。特に数式を使うことで、特異的に見える生命現象を、より一般化されたしくみとして理解できるようなる点が肝要である。これは、レポート課をを解くことではじめて達成できるものである。レポート評価を最終的な評価点の50%として加点する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 学期の終了後、オンライン小テストを実施します。 |
レポート | 50 | 10-15回の課題を講義の中で提出してもらい、その内容で評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
講義資料として、出された課題の解説を掲載する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
PC上で解決するタイプのプログラム課題,数値計算課題,シミュレーション課題,考察課題を提供する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは無く、項目ごとのレジュメ等を配布する。
<参考書>
Essentail Cell Biology, Albert et al., Garland Science (2003)
エッセンシャル細胞生物学(上記の翻訳、中村ら訳)南江堂(2011)
Animal Physiology, 2nd Edition, R.W. Hill, G.A. Wyse & M. Anderson (2008) Sinauer Associates Inc.
細胞の分子生物学、B. Albertsら著、中村ら訳(2010)、ニュートンプレス;第5版
動物生理学-環境への適応、K. Schmidt-Nielsen著、沼田他訳(2007)、東京大学出版会
その他特記事項
上に上げた参考書の中の1つでも良いので,講義に関連した章を読破することを強く推奨する。
参考URL
manaba上にすべての資料を掲載する。