シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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環境工学 | 2024 | 後期 | 金2 | 理工学部 | 笠井 由紀 | カサイ ユキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BI3-9C25
履修条件・関連科目等
生物による環境浄化に興味がある学生。微生物学および遺伝子工学について関心やある程度の知識がある学生。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現代社会における便利で快適な生活は、適切な物質とエネルギーが過不足なく供給されるのと同時に、不要になった物質やエネルギーを速やかに除去して環境を適切に維持することで成り立っている。環境工学は様々な環境問題の技術的な解決を研究する学問である。本講義では、環境に関与する多様な生物(主に微生物)の持つ機能を工学的視点に基づいて解説する。まず、微生物による物質循環、物質の代謝について解説する。次いで生物学的汚染環境修復(バイオレメディエーション)、および生物機能を利用した持続可能社会への貢献(バイオマス資源からのバイオ燃料や有用物質の生産)について解説する。
科目目的
本講義は次の内容を目的とする。
1. 我々人間と地球環境の関りを物質循環や生態系を通して学ぶ。
2. 地球上の現象や原理を理解し、地球環境のことを幅広く考慮した産業や研究開発の在り方を考える。
到達目標
本講義を履修することで学生が次の能力を取得することを目標とする。
1. 水環境中の微生物による物質代謝と排水処理について説明できる。
2. 石油系汚染環境浄化に関わる生物学の基礎知識について説明できる。
3. 水・土壌環境における生物機能を利用した環境修復について説明できる。
4. 持続可能社会の構築における生物機能の利用に関する知識を習得、議論できる。
授業計画と内容
1. 地球表層の物質循環
2. 微生物の代謝:同化代謝、異化代謝、共代謝、硝酸化、脱窒
3. 環境汚染物質と環境モニタリング技術
4. 水環境における好気的生物処理:活性汚泥法による排水処理
5. 水環境における嫌気的生物処理:メタン発酵および脱リン
6. 土壌環境における生物機能:木質バイオマス資源、コンポスト
7. 生分解性プラスチック、環境汚染物質の微生物分解
8. 流出油の生物学的環境修復(バイオレメディエーション)
9. 海洋への流出油のバイオレメディエーション
10. 土壌および地下水汚染の修復(1):手順
11.土壌および地下水汚染の修復(2):石油系汚染の浄化
12. 持続可能な社会の創造(1):バイオ燃料
13. 持続可能な社会の創造(2):バイオ燃料生産のための微細藻類育種
14. 学習到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義前は事前配布資料をよく読んで予習すること(120分)、講義後は資料の補足説明やノートに記載したものを振り返り講義内容を理解するよう復習すること(120分)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 講義内容の理解度を確認する 講義で得た知見を基にした、環境工学に対する考察を記述し、その内容を評価する |
平常点 | 40 | 講義への取り組み姿勢 20% 講義内容に関する小テストの成績 20% |
成績評価の方法・基準(備考)
講義内での積極的な発言・質問等があればその内容、回数を考慮して成績に反映させる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストとして随時印刷資料を配布する。
参考文献
海野肇、松村正利、片山新太、丹治保典著、環境生物工学、講談社、2002年、ISBN 4-06-139806-7
久保幹、森崎久雄、久保田謙三、今中忠行著、環境微生物学、化学同人、2012年、ISBN978-4-7598-1462-0
T.フェンチェル、G.M.キング、T.H.ブラックバーン著、太田寛行、難波謙二、諏訪裕一、片山葉子訳 微生物の地球化学 元素循環をめぐる微生物学、東海大学出版部、2015年、ISBN978-4-486-02070-7