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シラバスデータベース|2026年度版

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ホーム > 講義詳細:比較政治論2

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
比較政治論2 2026 秋学期 火3 法学部 古賀 光生 コガ ミツオ 3・4年次配当 2

科目ナンバー

JU-PS3-013L

履修条件・関連科目等

 履修条件はありません。比較政治論1とは内容的に独立していますので、未履修でも学習に支障はありません。ただし、政治学(政治学科は必修)の知識を前提とします。政治学科以外の学科の学生は、並行して履修することを推奨します。そのほか、国際政治学や行政学、現代政治理論、国際政治史の知識があると講義の理解が深まります。政治学科の学生で未履修の方は、並行履修を勧めます。また、政治過程論2と並行して履修することを推奨します。
 また、政治史B1で学習した内容が役立つ場面が多いため、未履修の方は、講義資料等に目を通しておくことを推奨します。この講義と同じ教室で連続して開講される政治史B2で扱う内容は、特に講義後半(福祉国家、国家と市場の関係)の理解に非常に役立ちますので、並行して履修する子をとお勧めいたします。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

 比較政治学の基本論点を学習します。具体的には、マルチレベル・ガバナンス、民主主義と独裁、福祉制度、国家と市場の関係など、国家体制について、既存の理論的整理を紹介します。

科目目的

 カリキュラム全体において、比較政治学にはいくつかの役割が期待されています。その役割を大きくまとめると、ふたつの系統に分類できるでしょう。
 第一の役割は、政治学の理論についての理解を深めるための機会です。この講義(比較政治論2)では、世界中に存在する様々な国家が採用する体制について、どんな違いがあるか、また、それらの違いがなぜ生じているのかについて検討した、諸理論を紹介します。理論という言葉を聞くと、多くの方が自然科学にような普遍的法則性の体系化を想像されるかもしれません。政治学においてもそのような理論が形成できる(すべき)という立場の人もいるのかもしれませんが、講義担当者(古賀)はあまりそのようには考えていません。この講義では、様々な政治制度は、各国が積み上げてきた実践の蓄積に強く依存するという立場を採用つつ、可能な限り各国の歴史を踏まえつつ、制度を比較します。講義担当者の専門性の限界から、歴史の紹介は西欧諸国が中心となってしまう可能性が高いのですが、より多くの国を対象とできるように努めます。
 第二の役割として、現実を相対化する視点を身につけることがあります。根幹においては前述の理論とも共通しますが、政治学に限らず社会科学においては様々な「現実」の問題に対して、それをどのような視点から理解するのかが重要になります。学問を修める意義のひとつには、自分が持っている先入観を相対化して目の前の現象がなぜ生起したのか、他の可能性は存在しなかったのか、今後は別のやり方で対処することは可能か、可能であるとすればどのような方法があるのか、といったことを検討する能力が見につく(ことが期待される)ことにあります。
 そのため、この講義で受講生に求められるのは既存の知識を丸暗記することではありません。先行する諸分類がどのような根拠で形成されたのかを確認しつつ、そのような分類の意義、あるいは分類によって理解できることは何かを掴んでください。そのうえで、講義担当者としては、様々な理論も歴史的な制約の中で構築されたことを理解しつつ、諸理論がどのような(明示されたものも、暗黙のものも含む)前提条件に基づいているかを把握することを受講者に求めます。さらに、将来的には、それらの前提条件が維持されない場合には、理論にどのような修正を加える必要が生じるのかを創造的に検討する能力を涵養して、現実の問題に取り組む際にそれらを道具として活用できるようになることを目指すことを期待します。
 比較政治学はこのような能力を、様々な政治体系を比較して「現実に存在している、他のやり方」を検討することで身につけるよう試みます。比較政治論2では、独裁や民主主義、福祉レジームなど、既存の政治体制がどのように形成されたかを踏まえつつ、それがどう変容するのか(しないのか)を比較しながら考察することで、目の前にある政治状況に対して働きかける視点を身につけることを目指します。

到達目標

 上記の科目の目的を踏まえて、以下の2つの到達目標を設定します。その2つの到達目標は、この講義の単位を取得するうえで不可欠な要素と、その要素を習得したことを前提としたより高次の目標に分かれます。
 まず、必須の到達要素として講義で紹介される様々な比較政治学の理論を習得するを設定します。「理論を習得する」とは、既に述べたように、既存の様々な議論を丸暗記することを意味するものではありません。どのような問題関心に立って、どのような制約の下で、既存の理論が形成されたのかを明らかにすることまで含みます。そのため、理論が説明しようとする現象そのものへの理解と、それがどのような論理構成で現象を説明しているのかについて、正確な理解を求めます。
 次に、発展的な到達目標として、それらの理論を踏まえて自らが取り組む課題について一定の見解を組み立てて説得的に他者に提示できるようになることを設定します。
 これら目標への到達度合いは、原則として学期末試験が判定します。例外的に、レポート等を提出することで、試験に一部(または全部)を代替する場合があります。特に、やむを得ない事情で試験が受けられない場合はレポートによる代替を認めますが、レポート提出による単位取得は、試験を受けるよりも高い水準の理解を求めます。委細は初回講義でも説明します。

授業計画と内容

以下の予定で講義を進めます。

01.イントロダクション:比較政治学と国家
02.国家像の変容(1):グローバル化の影響
03.国家像の変容(2):マルチレベル・ガバナンス
04.統治の構造(1):分権化とその成否
05.統治の構造(2):連邦制の比較
06.利益媒介構造:利益集団多元主義とコーポラティズム
07.司法と政治:政治の司法化と政治過程への影響
08.独裁と民主主義(1):民主主義の定義
09.独裁と民主主義(2):独裁の類型論
10.独裁と民主主義(3):民主化の理論
11.福祉国家と資本主義(1):福祉資本主義の三類型
12.福祉国家と資本主義(2):資本主義の多様性
13.福祉国家と資本市場(3):グローバル化と制度変容
14.講義のまとめ

 第一回に、講義の進め方と概要を説明します。講義の進め方と概要を説明します。比較政治学が政治学の中でどのような位置づけであるのか、政治学科のカリキュラム全体の中でこの講義がどのような役割を果たすのかを説明します。そのうえで前期と後期の役割分担を説明し、比較政治論2では、国家体制の比較を扱うことを紹介します。
 第二回と第三回には、現代における国家像の変容を扱います。第二回には、グローバルが政治と経済に及ぼした影響を確認します。第三回には、国家(中央政府)以外の主体の役割拡大などの観点から紹介します。例年は歴史の話題を扱っていましたが、今年度は割愛します。事前に政治史B1を履修しておくことを推奨いたします。
 第四回と第五回は、古典的な中央集権国家とは異なる国家像を紹介します。第四回には、集権国家の分権化の事例を、第五回には連邦制国家の運用実態を、それぞれ具体的な事例を通じて紹介します。その中で、制度改革が当初の意図とは異なる帰結を生んだ事例や、類似(に見える)制度の下で対照的な制度運用がなされている事例を確認して制度と実態の関係について理解に努めます。
 第六回は、政治的な利益が政治体制を通じて政策過程に影響を及ぼす際の仕組みの違いを論じます。アメリカ合衆国に代表される利益集団多元主義に対して、中央ヨーロッパやラテンアメリカに見られる(ネオ・)コーポラティズムの特徴をそれぞれの利点と弱点を確認しつつ比較します。
 第七回は、「政治の司法化」と呼ばれる現象を中心に、各国で裁判過程が重視されるようになった事実を確認しつつ、司法制度の差異が政治過程にどのような影響を及ぼすかについて紹介します。
 第八回から第十回までは、国家の意思決定過程として民主政と独裁について議論します。まず、民主主義(democracy)の定義をめぐる議論を紹介し、様々な具体的事例を通じて、「民主政」の多様性を確認します。第七回では、独裁(autocracy)をめぐるこれまでの議論を紹介しつつ、技術進化やグローバル化の影響を受けて、現在の独裁がどのようなメカニズムを維持しているのかを確認します。第八回には、政治体制の移行を論じます。古典的な民主化理論を紹介しつつも、政体の移行が一方通行ではないことを確認します。そのうえで、民主政の定着(固定化)の条件について、先行の諸理論を紹介します。
 第十一回から第十三回までは、福祉国家や資本主義運用の違いについて紹介します。第十一回には、エスピン=アンデルセンの「福祉レジーム論」を紹介します。例年は歴史についても紹介しましたが、今年度はそれを割愛する予定ですので、事前に政治史B1(産業革命の説明)を履修しつつ、政治史B2(福祉国家「黄金期」の説明)も並行で履修することをお勧めいたします。第十二回には、ホールとソスキスの研究を軸に「資本主義の多様性」とそれをめぐる論争について紹介します。第十三回には、一九九〇年代以降の社会変容を踏まえて、これらの制度が変化したのか(していないのか)を講義します。例年は個別の事例を丁寧に紹介していましたが、本年度は割愛する予定です。政治史B2と変更で履修することをお勧めいたします。
 第十四回には、講義のまとめを行います。また、講義の理解の到達を確認します。


※ 基本的な内容は昨年度の比較政治論2と共有する部分がたくさんあります。 昨年度のレジュメは以下のフォルダ内にありますので履修選択の際には参考にしてください。なお、フォルダのアクセスには全学アカウントへのログインが必要です。

 https://drive.google.com/drive/folders/1IxoPlOYBK-7nTuFgdhrDZ0Opfv_0mNPn?usp=share_link

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

講義の予習と復習を義務とします。

【予習】 1時間程度を想定しています。ただし、個人差があるでしょう。
manaba上からレジュメを入手し、目を通してください。そこで示された内容や参考文献を活用して、講義概要を把握しつつ、予習で分からなかった点を明らかにしたうえで講義に臨んでください。

【復習】 2時間程度を想定しています。ただし、個人差があるでしょう。
講義の概要を各自でまとめたうえで、講義で示された復習課題に回答してください。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 100 2つの到達目標の両方を試験で確認します。そのため、やや分量の多い試験にならざるを得ません。限られた時間内で沢山の文字を書くことを負担に感じる場合には、下記を参考にして、試験以外の加点要素にも挑戦してください。

成績評価の方法・基準(備考)

目標への到達度合いは、学期末試験(100点満点)で測定します。試験は二部構成となっており、前半は比較政治学の理論に関する基本的な理解の確認(用語解説)、後半はその応用の確認(論述試験)となっています。持ち込み一切不可の60分の試験で、すべて論述問題です。参考のため、過去の2年分の問題と回答例、試験講評を配布(下記参照)しますが、今年度の問題は、昨年までは形式が異なることには注意してください。

ただし、限られた時間内で多くの問題に回答することに負担を感じる受講生や、一回きりの試験ではなく日々の課題への取り組みを評価してほしいと考える受講生の要望に応えるために、加点要素として書評レポートの提出を認めます。

書評レポートとは、具体的には、
(1) 開講時に提示した課題文献(全12冊のうちから、受講者が選ぶ)を読む。
(2) 文献の内容を要約して、「その本を読んでいない読者にも分かるように」、説明する。
(3) 上記の説明に基づいて、当該書籍の比較政治論の学習上の意義を説明する。

という構成を求めます。時数は、おおむね、2000字程度を想定します。5点満点として、最大で12回までの提出を認めます。生成AIなど、機械的な出力によって得た内容をそのまま提出した場合は剽窃とみなします。当該書評レポートを0点とするのみならず、この科目の試験の単位そのものを取り消します。レポートに剽窃の疑いがある場合、口頭でレポート内容について説明を求めることがあります。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

その他

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

双方向授業を実施しますので、講義中のコメントやレスポンスを歓迎いたします。

授業におけるICTの活用方法

その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

リアルタイムで講義を実施しますので、講義に対するコメント等を歓迎いたします。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

特定の教科書は使用しません。講義の概要を記したレジュメをグーグル・フォルダ上に公開します。

その他特記事項

参考URL

過去の講義の資料等は、下記のフォルダ内にあります。

全学アカウントにログインした上で、アクセスしてください。

https://drive.google.com/drive/folders/1GiZH3oZaW96uu10mvvu_WuYc0Vl3eVJ-?usp=sharing

講義内容は毎年少しずつ異なるので、過去のレジュメはあくまで参考資料です。予習などは、必ず、当該年度の資料を用いて行ってください。

講義に必要な連絡はすべてmanabaを通じて行います。manabaからの通知が届くように設定しておいてください。また、連絡先は前掲のメールアドレスを用います。上記からご連絡いただいても応答できません。

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