シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ウォーターセーフティ論 | 2024 | 後期 | 金4 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 石川 仁憲 | イシカワ トシノリ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-PR5-3C38
履修条件・関連科目等
特になし.
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
自然災害や日常生活において毎年236,000人の溺死が世界で発生している.「Water Safety論」では,リスク管理,治水・海岸保全,海岸利用等の観点から,わが国及び世界の溺水事故の現状や課題を総合的に理解し,解決策を論じる.具体的には,海辺(海岸利用)における溺水,津波や洪水などの自然災害による溺水への対応(予防,救助)について,現地踏査とデータ分析により課題を明らかにし,リスク評価,数値解析,費用便益分析,さらにはAI,IoT等の先端技術の活用も考慮して実践可能な解決策を総合的に議論する.
科目目的
海岸利用や津波,洪水などの自然災害による溺水の現状や課題を理解し,理工学の視点から解決策(予防策)を論理的に導く力を培う.
到達目標
わが国及び世界における自然災害や日常での溺水の現状や課題を理解し,理工学の視点から解決策(予防策)を論じ,専門性を有しつつも,人(命)を軸とした総合的な思考で社会に貢献できる力を身につける.
授業計画と内容
(1)Water Safetyの概要
(2)世界の溺水事故の現状と溺水防止への取り組み
(3)わが国の溺水事故の現状と溺水防止への取り組み
(4)溺水事故の要因分析
(5)自然災害や水辺利用のリスク管理
(6)課題解決型学習①;屋内外の溺水事故への対応
(7)ダム管理,河川管理,海岸管理の基礎知識と費用便益分析
(8)課題解決型学習②;自然災害と溺水事故への対応
(9)波や流れの基礎知識,離岸流による溺水事故のメカニズム
(10)海岸利用における溺水防止策の検討(数値解析;海浜流計算など)
(11)調査学習;現地踏査(海岸)
(12)課題解決型学習③;海岸利用や自然災害による溺水防止策
(13)IoTやAIなど先端技術の活用
(14)まとめ〔人(命)を軸とした総合的な思考〕
課題解決型学習ではプレゼンテーション,ディスカッション,調査学習ではフィールドワークを行います.
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業で提示する課題に取組み,発表資料を作成する.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 課題に対してパワーポイント資料を作成する. 以下の項目で評価する. ①有用性(技術的価値があること,発展性があること等) ②信頼度(重大な誤りがなく,先行研究や既発表を正しく引用していること等) ③新規性(独創的,創意工夫があること等) ④論理性 |
平常点 | 20 | 主体性,積極性 |
その他 | 20 | 課題発表(プレゼンテーション能力) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
博士(工学), 技術士(建設部門 河川,砂防及び海岸・海洋)として以下の実務経験を有する.
海岸保全,津波・高潮防災に関わるコンサルティング・研究(1997~現在)
海水浴場に関するリスク評価(2015~現在)
AIとIoTを活用した海辺の事故防止システムの開発(2018~現在)
(公財)日本ライフセービング協会 救助救命本部長,International Life Saving Federation, Rescue Commission委員,海上保安庁海の安全推進アドバイザーとして以下の実務経験を有する.
海岸利用の安全管理[事故防止・救助救命](2012~現在)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実務経験を活かし,複雑な問題に対して問題解決能力を養う授業を行う.
テキスト・参考文献等
授業では適宜資料を配布しますが,主な参考文献は以下の通り.
1) Ishikawa, T., et al (2022); Rip Current Detection in an Open Area and along Jetty using AI, 37th ICCE.
2) 石川仁憲ほか (2022); 特徴の異なる離岸流を検知可能なAIモデルの構築,土木学会論文集B2(海岸工学), Vol.78, No.2, p. I_391-I_396.
3) Ishikawa, T., et al (2021); Proposal and Verification of Rip Current Detection using AI, Coastal Dynamics 2021, Delft, Netherlands.
4) World Health Organization (2021); Regional status report on drowning in the Western Pacific, https://www.who.int/publications/i/item/9789290619581
5) 石川仁憲ほか (2019); AIによる離岸流検知機能の検証,土木学会論文集B2(海岸工学),Vol. 75, No.2, p. I_175-I_180.
6) World Health Organization (2017); Preventing drowning: an implementation guide,
https://www.who.int/violence_injury_prevention/drowning/drowning_prevention_guide/en/
7) 石川仁憲ほか (2016); 海水浴場における海岸利用者の安全性に関するリスク評価手法の提案,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol. 72,No. 2,p. I_826-I_831.
8) Ishikawa T., et al (2015); Actual Situations of Drowning of Japan, World Conference of Drowning Prevention 2015.
9) Ishikawa T., et al (2015); Drowning and First Aid Regarding the Beach Accidents of Japan, World Conference of Drowning Prevention 2015.
10) Bierens, Joost J.L.M., et al (2014); Drowning (Prevention, Rescue, Treatment), Springer.
11) World Health Organization (2014); Global report on drowning: preventing a leading killer,
https://www.who.int/violence_injury_prevention/global_report_drowning/en/
12) Ishikawa T., et al (2014): Characteristics of Rip Current Drowning on the Shores of Japan, Journal of Coastal Research, Special Issue 72 - The 3rd International Rip Current Symposium, pp. 44-49.
その他特記事項
授業のポイントを理解し,人(命)を軸とした枠にとらわれない発想力,想像力,行動力を期待します.