シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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簿記論Ⅰ | 2024 | 前期 | 水1 | 総合政策学部 | 田中 勝男 | タナカ カツオ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-AU2-0002
履修条件・関連科目等
簿記論Ⅰの履修後、後期に開講予定の簿記論Ⅱも履修するという覚悟をもって臨むことが「将来の役に立つ学びにつながる」と思います。企業の活動を対象にした科目なので、並行してまたは履修後、自分自身の興味を棚卸しした上で、会計学、経営戦略論、会社法、企業取引法、民法Ⅲ・Ⅳ、企業統治と法、コーポレートガバナンス、現代企業論、経営財務論、コーポレートファイナンス、ベンチャー経営論等を履修すると効果的です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「初めて複式簿記を学ぼうとする学生」を前提に、簿記の基本中の基本から授業をスタートします。
簿記は、企業の経営活動に関する情報を記録・計算する技術(道具)の1つであり、その組織的・秩序的な記録システムとしての性質から、世界標準のビジネス言語ともいわれています。
「簿記論Ⅰ」では、複式簿記の入門レベルである「簿記一巡の手続」を徹底的に理解していきます(「簿記をどのように活用していくか」ということについては、簿記論Ⅱで学んでいきます)。
理解促進を図るため、パワーポイントスライド等も積極的に活用し、五感を駆使しながら進めていきます。入門レベルゆえに講義は丁寧に行ないますが、簿記は理解したことを積み重ねていく構造的な学問です。中途半端な出席は理解の積み残しを生み、挫折につながるので、やむをえず欠席した場合には自己責任で早めにキャッチアップしてください。もちろん、少しでもわからないことがあれば、積極的に質問してください。
科目目的
簿記は、将来的に「数字がよめる」、「数字に強い」ビジネスパーソンを目指す学生にとっては、不可欠な基本技術の1つです。また、簿記は、大学卒業後に社会に出ていくに際しても企業活動を観察するための「ものさし」を提供してくれる道具でもあるといえますが、それを十分に活用できる力をつけるための基礎中の基礎を学習していきます(という意味では、履修後(あるいは並行して)、「会計学」についても学習していくことをお勧めします)。
到達目標
「数字に強いビジネスパーソン」になるための基礎中の基礎を身につけるためには、まずは足腰(基本)を鍛えるという位置づけで、簿記論Ⅰの授業では、簿記という技術が、いったい何を目的として行なわれているのかということについて、記帳の作法を中心に、電卓を使った計算練習を通して、一緒に手を動かしながら、「簿記一巡の手続」をじっくり理解していくことになります。
そういう前提で、この科目では以下を到達目標とします。
1)「簿記一巡の手続」が必要とされる背景、ゴールが何かを説明できるようになること。
2)「簿記一巡の手続」を構成する各ステップが何故、必要なのかということとを説明できて、実際に手を動かしてできるようになること。
3)単位修得に最低限、必要なポイントとしては、「簿記一巡の手続」の中でも、特に「取引を理解し、構成要素に分解できているか」「仕訳の作法が習得できているか」「勘定口座に転記される情報がきちんと読解できているか」の3点が重要。
授業計画と内容
おおむね以下の順番で、授業を進めていきます。
複式簿記の基本的なレベルが中心とはいえ、技術的な側面が強いので、できるだけ「手」を動かしながら、レクチャーと問題演習を通じて、簿記一巡の手続を理解できるようにしていきます。なお、遅くとも5月連休明けには、電卓を調達し、その後は、毎回、持参して下さい。
第1回 オリエンテーション授業(授業概要の説明)
第2回 簿記(論)の前提、目的と種類
第3回 複式簿記の基礎概念(1):簿記一巡の手続と財務諸表
第4回 複式簿記の基礎概念(2):貸借対照表と損益計算書の意味と役立ち
第5回 複式簿記の基礎概念(3):貸借対照表と損益計算書のなかみ、両者の関係
第6回 簿記上の取引(取引の意味と種類)
第7回 取引の分析と仕訳の作法
第8回 勘定記入の作法
第9回 帳簿記入の作法
第10回 決算概論、試算表の作成
第11回 決算本手続(1):決算振替仕訳
第12回 決算本手続(2):総勘定元帳(勘定口座)の締切、仕訳帳の締切
第13回 決算本手続(3):財務諸表の作成
第14回 総括:簿記一巡の手続の総まとめ問題演習、簿記論Ⅱに向けての準備
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習、すなわち学習予定内容の先取り(テキスト該当部分の読解と疑問点の洗い出し)、または復習、すなわち授業内容のフォローアップ(振返りシートの提出<必須>)、授業で解説したテキストの該当部分の例題と練習問題、ワークブックの問題練習を行ってください。予習重視か復習重視かは、自分にあった手段を選択してください。学習効果の最大化を図りたい人や不安な人は両方をバランスよくやることをお勧めします(1週間に1度という授業頻度は前回の内容をちょうど忘れてしまうタイミングなのです)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 「簿記一巡の手続」の基礎知識を理解した上で、その手続について、実際に手を動かして進められるかどうかを評価します。 |
レポート | 30 | 授業中に配布する問題への解答、または特定のテーマについて情報収集をした上で考察した成果物の提出を数回(例年2回)、求め、目的・テーマに即した内容の成果物を期限までに提出できるかどうかで評価します。 |
平常点 | 10 | 毎回の授業後の「振返りシート」の内容と提出状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎回提出の「振返りシート」や期中のレポートについては、内容の確認をした上で、添削またはコメントを付して、次回の授業冒頭で返却する予定です。
いずれも、クラス全体に対してフィードバックする必要があると感じたことについては、授業内での補足解説またはmanabaの掲示板を活用して補足をしていく予定です。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【関係する実務経験(職歴)】
*1990年9月~1994年6月:英和監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)勤務
*1994年7月~2002年7月:朝日アーサーアンダーセン株式会社(現 PwCコンサルティング合同会社)勤務
*2006年5月~現在:株式会社リアセック 監査役(非常勤)
*2007年8月~現在:株式会社アイ・エス・アイ・パートナーズ(現 株式会社アンダーナ)監査役(非常勤)
*2011年5月~2018年8月:ホワイトベア国際監査法人(現 Mazars 有限責任監査法人)社員(非常勤)
*2014年10月~現在:一般社団法人 日本キャリアデザイン学会 監事
*2021年5月~現在:一般社団法人 産学協働人材育成コンソーシアム 監事
*2022年4月~現在:産業・組織心理学会 監事
【現在の本務先】公認会計士田中勝男事務所 代表
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
公認会計士・ビジネスコンサルタントとしての企業や団体における会計・経営に関する実務の基礎的な領域が授業内容と密接に関連しています(事例や具体例の解説をしながら授業を行います)。
テキスト・参考文献等
<テキスト>例年2-3月に改訂されるので、1月時点の情報を記載しておきます。最新年度版(おそらく2024年度版)を購入してください。
*渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記講義/3級商業簿記<最新年度版>』(中央経済社、935円<税込>)
また、講義内容を補足するために、適宜、担当教員がレジュメを作成し、講義資料として配布する予定です。
<参考文献>
*渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記ワークブック/3級商業簿記<最新年度版>』(中央経済社、935円<税込>)
その他特記事項
※1:朝1時限の授業のため、遅刻厳禁です。前回の授業の復習を少しやってから、本題に入りますが、遅刻者の入場を待つために復習をじっくりやりすぎてしまうと、授業進度の遅れにもつながるので、早く来ている人のためにも、きちんと開始時刻から出席してください。
※2:例年、途中から出席しなくなったり、飛び飛びに出てきたりする人が少なからずいますが、つまみ食いで習得できるような構造の学問ではありませんので、覚悟の上で履修してください(決して自分のペースで自学自習することを妨げるものではないので念のため)。
※3:どのような進路を考えている学生にも簿記、会計は役に立つ道具であるという信念で授業を進めますが、既に、会計専門職を目指して学習を進めている学生にとっては、簿記論Ⅰは表面的に「食い足りない」レベルに見えるかもしれません。但し「何故、そうなるのか?」という背景的・歴史的な理解についての解説を行いますので、今さら聞けない基本の再確認をしたい学生も歓迎します(簿記の初心者をメインターゲットにした授業なので、先に進んでいるからこそ、授業のコンテンツや講師の実務経験を上手に活用してください)。
参考URL
katsuo-tanaka.18y@g.chuo-u.ac.jp