シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習Ⅱ | 2024 | 後期 | 水5 | 総合政策学部 | 籠谷 公司 | カゴタニ コウジ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF2-SM02
履修条件・関連科目等
国際システムの理論分析 I を既に履修し、国際システムの理論分析 II を同時に履修することが望ましい。専門演習 I は必ず履修を済ませていること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
国際関係論の研究者たちは国家間の対立と協調の傾向を分析し、戦争をいかに回避して平和を維持するのか、という問いに答えるために研究を続けてきた。第二次世界大戦後、国家間の対立と協調は伝統的な安全保障分野だけでなく、国際政治経済の分野においても考察されるようになってきた。また、近年は現実主義や自由主義といった伝統的な理論の限界が指摘され、「相手の出方に対して自分はどう振舞うのか」という戦略的相互依存問題に焦点を当てる研究が盛んに行われるようになってきた。演習の目標は、戦略的選択アプローチによるミクロな視点で国際関係を捉えなおし4年時に卒業論文をまとめる際の統計分析の手法を学ぶことにある。
新しい概念を学ぶ授業は、基本的に講義形式で行います。課題の解説、Q&Aについては、学生同士で積極的に議論してもらいます。
数学は中学校の内容を理解できていれば何も問題ありません。講義は基本的に直感的な理解を促す説明の後に、数学による表現を教えるようにしています。数学に苦手意識のある人も、これを機会に苦手を克服して自信に繋がると良いと思っています。プログラミングについても同様です。基本から教えます。データ分析を理解することは、プログラミングや分析といった手作業が大切になります。しかしながら、一つの外国語をマスターするのと同じぐらいの便益を享受できます。新しいことを学び、一緒に知的好奇心に刺激を与えてみませんか?
科目目的
当該科目の目的は、国際関係論の理論研究で浸透してきた計量分析を行うために必要とされる統計学の基本を習得することにある。また、国際政治や国内政治において発生する出来事への応用例に触れることによって分析手法の有効性を理解することにある。
到達目標
当該科目の到達目標は、国際政治ならびに国内政治で発生する出来事の因果関係をデータ分析から把握できるようになることにある。
本学部の学位授与方針(ディプロマポリシー)のうち、「専門性に基づく複眼的思考能力」「コミュニケーション能力」「組織的行動能力」と特に関連している。
授業計画と内容
01 イントロダクション:本講義の概要ならびにRのセットアップ
02 統計的思考とは何か?:教科書第1章~第3章
03 統計的記述・要約統計量:教科書第4章~第6章
Mayhew, David R. 1974. "Congressional Election: The Case of Vanishing Marginals." Policy 6 (3): 295-371
04 正規分布と確率
05 統計的推論:教科書第7章
06 統計的検定:教科書第8章
07 質的変数間の関連性:クロス集計表, 教科書第9章9.1節
08 量的変数間の関係性:相関ならびに相関と因果関係の違い , 教科書第9章9.2節
09 回帰分析:最小二乗法と回帰診断, 教科書第10章10.1節, 10.2節, 10.4節, 第12章
Tufte, 1974. Chapter 3. Two-Variable Linear Regression.
10 回帰分析(2):変数の変換や中心化, 教科書第13章13.2節, 13.3節
Tufte, 1974. Chapter 4
11 重回帰分析:教科書第10章10.3節、第13章13.1節
12 回帰分析のための推論:教科書第11章
13 最尤法の考え方とロジスティック回帰分析:教科書第15章
14 パネルデータ(Cross-Section Time-Series Data)の考え方
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教科書は該当箇所を事前に読んで分からない箇所を明確にすること。グループ別に助け合いながら課題に取り組んで、抽象的な概念の理解ならびに分析手法の応用を学ぶこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 課題の出来具合、授業内の議論への参加具合で評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎週、講義を受けた後、教科書の該当箇所のプログラミングを行って提出してもらいます。また、政治や政策に関連する問題を取り上げたデータを実際に分析してもらい、小レポートを書いてもらいます(全4回)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:
浅野正彦・矢内勇生 (2018) 『Rによる計量政治学』 オーム社.
参考書:
今井耕介(2018)『社会科学のためのデータ分析入門』岩波書店.
Tufte, Edward R. 1974. Data Analysis for Politics and Policy. Prentice Hall.