シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例研究(演習)Ⅰ | 2024 | 前期 | 木4 | 総合政策学部 | 荒井 紀一郎 | アライ キイチロウ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF3-SM01
履修条件・関連科目等
履修にあたっての条件(1および2を必ず満たすこと)
1.以下のすべての科目の単位を修得済みであること。
・政治と社会
・現代政府論
・統計と社会
2.以下、AまたはBのどちらかを満たすこと
A)以下のいずれかの科目の単位を修得ずみであること
・経済経営統計学/統計学
・社会統計学
・特講(計量政治学)
B)Aを満たしていない場合、3年次の前期に開講される特殊講義(計量政治学)を履修し、単位を修得すること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【研究テーマ】政治心理学・政治行動論
本演習の目的は、有権者、政治家、官僚、利益団体といった政治学における様々なアクターの意識や行動を説明する理論、モデルについての理解を深めるとともに、履修者自身でこれらアクターに関する仮説を立てて、調査・実験データの分析を通じて検証するスキルを身につけることにある。過去50年の間に、政治学ではアクターの行動を「科学的に」説明しようとする研究が飛躍的に発展し、多くのモデルが構築されてきた。一方で、未だに解明されていない行動のメカニズムも多く、現在も様々なアプローチから多くの研究者による挑戦が続けられている。本演習では、最先端の行動モデルについて理解した上で、履修者自身が人々の行動メカニズムを検証することができるようになるためのスキルの養成を目指す。
卒業論文例
・定数変更が投票率に与える効果
・幸福の条件
・不安感と寛容性
・「有名人による表敬訪問」が首相に対する感情温度に与える効果
・投票行動における政党ラベルの効果
・外交政策に対する選好形成メカニズム
・陰謀論を信じる心的メカニズム
・住民投票と首長選挙でのねじれに関する研究
・争点投票モデルにおける「勝ち馬」効果
科目目的
前期では、主に近年出版された政治心理、政治行動に関する論文や学術書を用いて、政治学におけるアクターの行動モデルと理論構築および実証分析の方法についての理解を深める。並行して各自の研究テーマを設定し、研究遂行のために必要なスキルを修得することを目指す。具体的には、世論調査/社会調査データの2次分析や実験、調査の設計といった実証研究で必須となるスキルを確認し、修得するための計画を練る。履修者には、毎週指定される文献を読んで課題に答えることが求められる。
到達目標
・政治アクターの心理、行動メカニズムに関する最先端の理論やモデルについて理解する
・自身で研究テーマを設定し、モデルと仮説の構築ができるようにする
・社会科学における実証研究の方法について修得する
授業計画と内容
第01回 イントロダクション
第02回 誰が参加するのか?: 政治参加のメカニズム
第03回 誰が参加するのか?: 政治参加の国際比較
第04回 どのように投票するのか?: 党派性
第05回 どのように投票するのか?: 争点投票と業績評価投票
第06回 政治的価値観とイデオロギー
第07回 メディアの影響力: メディアの効果論、陰謀論、フェイクニュース
第08回 メディアの影響力: ソーシャルメディア
第09回 研究計画報告
第10回 議員の行動
第11回 政党の行動
第12回 リサーチデザイン
第13回 研究報告
第14回 総括
※各回の文献については、初回授業で提示する。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 60 | 各回の指定文献に対するコメントペーパーについて評価を実施する。 |
その他 | 40 | 学期末に自身の研究テーマについて、研究計画書を作成し提出してもらう。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
計量分析を実施するため、PCを用いる。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で用いる文献については初回授業時に提示する。以下は分野の全体像を把握するのに役立つ参考図書である。
飯田健, 松林哲也, 大村華子(2015)『政治行動論 有権者は政治を変えられるのか』有斐閣ストゥディア. ISBN-13 : 978-4641150294
肥前洋一(編著).2016.『実験政治学』勁草書房
河野勝.2018.『政治を科学することは可能か』中央公論新書
その他特記事項
参考URL
担当教員ウェブサイト https://www.arai.fps-chuo-univ.jp/