シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例研究(演習)Ⅱ | 2024 | 後期 | 木4 | 総合政策学部 | 林 正 | ハヤシ タダシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF3-SM02
履修条件・関連科目等
担当教員の専門演習を履修済みであることです(特段の理由がある場合はこの限りではありません)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【研究テーマ】グローバル化の進む競争環境において、企業がどのような戦略を展開し、事業を組織しているのかについて論理的・実証的に分析する能力を身につけることを目的とします。経営戦略は企業の存続や成長といった長期的な経営成果に関わるものであり、企業経営において重要な意味を持ちます。その検討対象には、業界の構造や基本戦略、多角化や垂直統合、市場参入形態や立地選択など、さまざまなものが含まれます。これらの戦略策定を行う際に考慮するべき重要な点について、(1)文献の輪読と企業の事例分析に関するグループ報告、(2)データ分析、(3)業界の調査研究を通じて学習します。
3年次には、経営学分野の学術論文を参考対象として設定し、輪読を行うことで、論文の構成や分析方法に関する基礎的知識の習得を目指します。事前に概念を説明したうえで、それらの概念を取り上げた学術論文を輪読することにより、どのように自らの研究課題を定式化し、研究デザインを立て、データを収集し、分析するかを取り上げます。そこで身につけた基礎的知識にもとづき、ゼミ論文の作成に取り組みます。なお、研究・分析方法の習得のためには、習うことよりも慣れることが大事であるといわれます。そのため、毎回の授業では、それぞれの内容に則した課題(翌週までに要提出)を用意しています。課題の主な内容は、企業の財務データの統計的分析を用いたレポート作成、および学術論文のレビュー表の作成です。それらの課題を含め、受講者には、経営学の文献に関する発表やデータの分析を含む、多くの課題を行ってもらいます。
科目目的
経営戦略論の概念や理論に対する理解を深め、自主的に卒業論文の研究テーマを設定し、結論を導くために必要な研究デザイン、文献研究、データ収集、分析を行う力を身につけることを目的とします。そのために、研究書や論文の輪読に加えて、経営学分野の研究論文の作成、および発表のための調査方法の理解と適用についての主要問題を取り上げます。
到達目標
・産業や企業に関するデータを分析するための一般的な方法を理解し、使うことができる
・経営学分野における学術論文の一般的な構造を理解し、説明することができる
・研究課題を見つけ出し、適切な方法を用いた研究計画をたてることができる
授業計画と内容
第01回 夏季休業中の調査課題の報告
第02回 統計の基礎1(収益性とリスク)
第03回 統計の基礎2(企業行動の影響要因)
第04回 統計の基礎3(企業の属性と行動による経営成果の予測)
第05回 中間報告と論文のレビューに関する説明
第06回 通説理論の検証を行っている研究
第07回 競合理論の比較検証を行っている研究
第08回 文献のレビューを行っている研究
第09回 異分野の技法を応用している研究
第10回 新しい概念構築を行っている研究
第11回 研究動向の展望を行っている研究
第12回 実務的含意を主張している研究
第13回 研究計画書の作成と課題に関する説明
第14回 後期の総括
*受講生の理解度や講義の進行速度、社会経済状況によって、順番や内容の変更がありうることに留意してください。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週、全員に課題文献を読んでから授業に参加することを求めます。
報告担当者以外にも、順番で現代の企業経営に関する動向について簡潔に報告してもらいます。
グループ作業を行う際には、週に2回程集まり、資料を作成すると共に、他グループへの質問項目について話し合うことを求めます。
レポートの作成は、授業時間外に行ってもらいます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 30 | 授業で取り上げた分析方法や論文の構造を踏まえて、適切な研究計画をたてられるかを評価します。 |
平常点 | 70 | 発表とグループワークの成果、および議論への参加度にもとづき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
原則としてすべての授業に出席することを求めます。病欠・公欠のような特段の理由がなく欠席がある場合、評価の対象としません。やむを得ず欠席する場合は、かならず事前に連絡をしてください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
必要に応じてメールやオフィスアワーを利用します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
必要に応じてmanaba、およびweb会議システムを利用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
第1回目のガイダンスにおいて、テキストについて説明します。
【参考文献】
入山章栄『世界標準の経営理論』2019年, ダイヤモンド社.
網倉久永・新宅純二朗『経営戦略入門』2011年, 日本経済新聞社.
中川功一・林正・多田和美・大木清弘『はじめての国際経営』2015年, 有斐閣.
久保克行『経営学のための統計学・データ分析』2021年, 東洋経済新報社.
田村正紀『リサーチ・デザイン 経営知識創造の基本技術』2006年, 白桃書房.
畑農鋭矢・水落正明『データ分析をマスターする12のレッスン』2017年, 有斐閣アルマ.
星野匡郎・田中久稔(2016)『Rによる実証分析 ―回帰分析から因果分析へ―』2016年, オーム社.