シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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都市環境政策 | 2024 | 前期 | 火4 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 三浦 詩乃 | ミウラ シノ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-CV5-3C61
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
将来世代に対する持続可能な環境づくりと現世代の経済的機会や社会参画を両立する、居住性
(Livability)の向上に向けて、従来の計画論が見直されつつある。グローバル化に伴い、気候変動や経済危機、感染症など、国境を超えて波及する事象に見舞われる中、コミュニティによる行動変容や創造的解決の模索が続いている。リスクへの機動的対応のほか、地域環境から社会をより良い方向に導くビジョン形成とその実現のためのアクションを、市民、そして市民に身近な基礎自治体行政、企業等の多主体連携によって、前例に囚われずに実行していく。
本講義は、受講生がこうした今日的な都市環境政策のあり方に対する理解を深めることを目的とし、特に国際的な事例と計画・デザインの基礎を解説した上で、具体的なフィールドを念頭に置いた議論を行う。
科目目的
受講生の研究への発展を視野に、国内外の地域環境の計画・デザインの現場で用いられる基本的手法、技術、データの知識に触れることで、設定したテーマや問題に対する洞察力を養う。
また、グループワークを通じて、将来、持続可能な社会づくりを担う際に、いかなる立場においても暮らしと環境問題に関してミッションドリブンで取り組み、新たな価値を形成できるような、都市環境政策形成の素養を培う。
到達目標
この講義の到達目標は、学生が、基礎自治体を中心とした都市環境政策に関する専門知識を理解すること、そして、そうした政策を実現するために必要な、都市デザインに関する研究や取り組みについて着想し、遂行するための基礎的な能力を身につけることです。
具体的には、下記の習得を目指します。
1)ケーススタディやゲストレクチャーを通じて、都市環境政策に位置付けられる国内外の代表的な取り組みの特徴と問題点を指摘できること。
2)バックキャスト型のプランニング手法の基礎を習得し、各地の都市環境政策や都市デザイン事業に、手法がどのように取り入れられているかを説明できること。
3)都市デザインの計画段階において、事業のコンセプトを明確に伝えるために必要な2Dの図面表現ができること。
4)同上段階において、対象地の地域特性に配慮した事業実現を目的としたワークショップ案の設計ができること。
授業計画と内容
第1回:イントロダクション-都市環境政策の歴史
第2回:政策の最前線①コンパクトシティ
第3回:政策の最前線②X min シティ
第4回:政策の最前線③Transit Oriented Development(公共交通指向型開発)
第5回:政策の最前線④国際協力からイニシアチブへ
第6回:都市空間デザイン基礎①バックキャスティング型思考方法
第7回:都市空間デザイン基礎②コンセプトの表現
第8回:都市空間デザイン基礎③プロジェクトデザイン*
第9回:都市空間デザイン基礎④参加から協働へ
第10回:具体フィールドへの提案①調査・コンセプト
第11回:具体フィールドへの提案②基本計画図面化
第12回:具体フィールドへの提案③ワークショップ設計
第13回:具体フィールドへの提案④ロールプレイおよびふりかえり*
第14回:総括-都市環境政策分野の発展に向けて
*ゲスト予定
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | コース前半のケーススタディで学んだ内容の理解について、関心を持ったテーマを探求してもらう課題を設け、個人レポートとして提出してもらい、その内容から評価する。 |
平常点 | 10 | 出席状況を鑑みる |
その他 | 40 | コース後半の、アクティブラーニングを伴う成果について、グループ単位の発表内容から評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
Google ドライブなど
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
国並びに地方自治体の公共空間のデザインマネジメントに係る施策、ガイドライン立案、社会実験の設計と分析など。民間企業との技術実装に関する共同研究など。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
学生が設定する研究課題に即して、より論理的で実務的な考え方と手法について指導する。
指導テーマおよび対象地に関わる、実務者やステークホルダーとコミュニケーションし、実用性や有用性の観点からのフィードバックを反映する。
テキスト・参考文献等
授業では毎回、講義資料を配布し、参考文献を提示する。
例えば、下記の図面を抜粋して参照してもらう。
日本建築学会 編:コンパクト建築設計資料集成 都市再生, 丸善出版,2014
Bally Meeda 他: Graphics for urban design, Inst of Civil Engineers Pub,2018
Philip Black, Taki Eddin Sonbli :The Urban Design Process (Concise Guides to Planning), Lund Humphries Pub Ltd,2020
その他特記事項
2025年度までは、受講する学生の学びの状況を初回に調査した上で、ケーススタディを国際的事例から国内事例に差し替える可能性があります。
2026年度からはカリキュラム変更に伴い、国内事例については主に別の授業(学部3年後期)で扱います。