シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊講義(国際社会と法) | 2024 | 前期 | 木4 | 総合政策学部 | 庄司 克宏 | ショウジ カツヒロ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IL2-0001
履修条件・関連科目等
各回の授業で事例を取り上げるので具体的な思考力が求められる。日々の国際ニュースから国際社会で起きていることや世界各地の人々に関心を持ち、自分とどのような関係があるのかを考え、自分の生き方に活かすことが必要とされる。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
人・物・サービス・資本やインターネット情報の国境を越えた移動の容易化・大量化・迅速化により経済のグローバル化という現象が進行している。個人の生活は、国内社会にとどまらず、国際社会から切り離して考えることがもはやできなくなっている。他方、貿易や金融の自由化に伴う危機、移民・難民問題、国際テロリズム、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)などの国境を越えた諸問題が数多く存在し、1つの国が単独で解決することが困難になっている。このような国際社会のグローバル化という時代に生きるわたしたちに対して、国際法がどのような影響を及ぼしているのかを理解して、一人一人がどう生きるべきかを考える。
科目目的
国際社会のグローバル化という時代に生きるわたしたちに対して、国際法がどのような影響を及ぼしているのかを理解して、一人一人がどう生きるべきかを考えることがますます必要になっていることを再確認するため、現代のグローバル化や国境の意味をあらためて問い直し、国際社会がわたしたちの生活に直接影響を及ぼすことについて、国際法というレンズを通して考えることが求められる。それは、たとえば自己が企業に勤めて国際的な問題に直面する際、その解決のための戦略・方針の立案に国際法の知識や考え方を総合的に活用できるようになることを意味する。
到達目標
本授業の到達目標は、次の4点である。
(1)第1に、国際社会と法について<説明する力>を身につけることである。武力紛争、難民、貿易問題、感染症や気候変動などの問題に関する報道番組などを見て、国際法の視点からその意味を理解し、他の人々に平易に説明できるようになることである。
(2)第2に、国際社会と法について<議論する力>を養うことである。国際法について考えるために役立つコンセプトを、現代の武力紛争、難民、貿易問題、感染症や気候変動などの問題に当てはめて、どのように解決すべきか議論できるようになることである。
(3)第3に、国際社会と法について<調べる力>を養成することである。現代の武力紛争、難民、貿易問題、感染症や気候変動など、国際社会の問題分野に応じて、自発的に文献資料に当たり、国際法の視点からそれらの原因と解決策を探求できるようになることである。
(4)第4に、国際社会と法について<判断する力> を身につけることである。国家の一員としての国民という立場とグローバルな国際社会の一員としての人間という立場の両方から国際法について議論することができ、主権と人権、安全と自由、貿易と環境のように2つの立場に矛盾が生じたときに、国際法の視点からどのように行動すべきか判断できるようになることである。
授業計画と内容
【第1回】 国際法とはどのようなルールか?
国際法は「法」か、国内法との比較、現代国際法の法源と実質的法源の役割
【第2回】 国際法の主体とは何か?
「主体」性の意味、国家・国際組織(国連、EUなど)・個人(多国籍企業、自然人など)
【第3回】 国際法における国家とはどんな存在か?
国家の基本的権利義務と管轄権
【第4回】 国境はどこにあるのか? & 領土問題はどのように解決されるのか?
国家領域(領土・領海・領空)、特殊地域(南極)、国際公域(公海、宇宙空間)の法的地位と適用されるルール、領域権原と領域紛争の解決、すなわち、領域得喪についての国際ルール、領域紛争の解決方法(交渉、仲裁裁判、国際司法裁判など)
【第5回】 国際法に違反するとどうなるのか?
国家責任、特殊な賠償責任(民事責任、混合責任、国家の専属責任)と新たな責任の考え方(保護する責任、環境保護のための予防責任など)
【第6回】 国際紛争はどのように解決されるのか?
紛争の平和的解決、国際司法裁判の仕組み
【第7回】 国際社会ではどのように安全が確保されるのか?
戦争の違法化、自衛権、他の合法的武力行使の可能性、集団安全保障、テロ対策ー国連とEU
【第8回】 国際社会で人権はどのように保護されるのか?
国際人権保障、米州、欧州・EU、アフリカの人権諸条約での人権保護の仕組み
【第9回】 国際社会における人の国境を越える移動と国際法の役割
難民と移民、難民条約、EUの共通難民庇護制度
【第10回】 学外講師① SDGsと国際法(予定)
【第11回】 学外講師② 気候変動問題と国際法の役割(予定)
【第12回】 学外講師③ 国際社会における経済のグローバル化と国際法の役割(予定)
【第13回】 事例研究と質疑
【第14回】 総括・到達度確認
(上記各回の順序が一部入れ替わる場合がありうるが、そのときは事前に連絡する。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 教科書および授業内容から出題する期末試験(教科書、配布物、ノート持込可)を実施し、授業の理解度を評価する。 |
レポート | 30 | 学外講師の授業について提出するコメント・感想文、および、適宜実施する授業小レポート |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
ヴォーン・ロウ著、庄司克宏監訳『かんがえる国際法』白水社、2024年4月刊行予定
事前に配布するパワーポイント教材
【参考文献】
岩沢雄司著『国際法 第2版』東京大学出版会(2023年)
松井芳郎他著『国際法 第5版』有斐閣(2007年)
岩沢雄司・植木俊哉・中谷和弘編『国際条約集』有斐閣(2024年)
森肇志・藤澤 巌・玉田 大・竹内真理・伊藤一頼・北村朋史著『分野別 国際条約ハンドブック』有斐閣(2020年)
森川幸一・兼原敦子・酒井啓亘・西村弓編『国際法判例百選 第3版』(別冊ジュリスト第255号)有斐閣(2021年)
その他特記事項
参考URL
国際連合
Audiovisual Library of International Law
欧州連合
外務省
法務省
国際法学会