シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
哲学概論 | 2024 | 後期複数 | 月1,木3 | 経済学部 | 濱岡 剛 | ハマオカ タケシ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-IF1-11XX
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
哲学的に考えるということがどのようなことかを学ぶ。そのためにまず、いわゆる大哲学者とされる人たちが「哲学」という学的営みをどのように理解し、どのようなことを自分の考察の課題としてきたかを、彼ら自身の説明を通して確認する。それに続いて、哲学におけるいくつかの主要な問いを取り上げ論じることで、哲学的な視点の独自性を理解してもらう。
哲学の問いとしては、前半では心をめぐる諸問題を取り上げる。私の心の外部世界、他人の心の存在をどのように確認できるのか。そもそも「心」とは何なのか。心がことばの意味を捉えられるのはどうしてか。因果法則に支配された世界の中で心の自由はどのように確保されうるのか、など。後半では生き方にかかわる問題を扱う。道徳が成り立つ基礎は何か。社会が正義にかなっているとはどのような状態か。われわれが生きていることの意味をどのように考えるべきか、など。
科目目的
哲学は、われわれが自明視している知識の前提そのものを問い直す営みである。そのような哲学的問いがどのようなものであるかを学ぶ。
本講義では、まず主要な哲学者たちの文章の抜粋を読み、彼らがどのような問題を自らの課題としてきたかを確認する。次に、哲学において現代でも激しい議論の対象となっているテーマを取り上げ、哲学的議論の特徴を理解してもらう。
到達目標
・哲学の問いが、他の学問・科学での問いに対してどのような独自性を持っているかを説明できる。
・主要な哲学者が自らの哲学的課題として立てた問題がどのようなものかを説明できる。
・われわれが何かを「知っている」と言うときに暗黙のうちに仮定していることを明確にし、その根拠を問いただそうとする態度を身につける。
・哲学で扱われる抽象的な概念を分析し、それを明晰に論理的に説明できる。
授業計画と内容
第1回 「哲学」という概念をめぐって(1):哲学の始まり
第2回 「哲学」という概念をめぐって(2):パルメニデス、プラトン
第3回 「哲学」という概念をめぐって(3):アリストテレス
第4回 「哲学」という概念をめぐって(4):アウグスティヌス、トマス
第5回 「哲学」という概念をめぐって(5):デカルト
第6回 「哲学」という概念をめぐって(6):ロック、ヒューム
第7回 「哲学」という概念をめぐって(7):カント
第8回 「哲学」という概念をめぐって(7):ヘーゲル
第9回 どうやって私たちは何かを知るのだろうか(1):外的世界に関する懐疑
第10回 どうやって私たちは何かを知るのだろうか(2):独我論
第11回 他人の心(1):他者の心理
第12回 他人の心(2):他者の心の存在についての懐疑論
第13回 心身問題(1):デカルトの問題
第14回 心身問題(2):物理主義
第15回 心身問題(3):二重様相説と機能主義
第16回 前半のまとめ
第17回 ことばの意味(1):言葉(単語)の指し示すもの
第18回 ことばの意味(2):言葉と世界
第19回 自由意志(1):自由意志論と決定論
第20回 自由意志(2):両立論
第21回 正しいことと不正なこと(1):なぜ道徳的でなければならないのか
第22回 正しいことと不正なこと(2):どこまで公平無私でありえるのか
第23回 正しいことと不正なこと(3):道徳相対主義
第24回 正義(1):不平等
第25回 正義(2):不平等への対応
第26回 死
第27回 人生の意味
第28回 後半のまとめ
(第1〜8回はプリントを使用。第9回以降は指定のテキストを使用。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教科書の章が終わる毎に、授業内容を復習する意味で小レポートをmanabaにて提出してもらう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 40 | 取り上げた哲学者が取り組んでいる課題のポイントを適切に説明しているか。 哲学的問いにおける論点を適切に説明しているか。 哲学的問いに関する自分なりの考えを明確に説明しているか。 |
期末試験(到達度確認) | 40 | 哲学的問いにおける論点を適切に説明しているか。 哲学的問いに関する自分なりの考えを明確に説明しているか。 |
レポート | 10 | 講義の区切りのよいところで、内容の理解を確認する短いレポートをmanabaで提出してもらう。 |
平常点 | 10 | 毎回の授業で、responのアンケートにて意見表明を行う。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
responのアンケート機能を活用して参加者の意見を確認し、それにもとづいて議論する時間を設ける。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
哲学的問いは定まった答えがないことがほとんどだが、responのアンケート機能を活用して参加者の意見を確認し、それにもとづいて議論する時間を設ける。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
ネーゲル著、岡本・若松訳『哲学ってどんなこと? とても短い哲学入門』昭和堂、1993年、ISBN4-8122-9305-7