シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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微生物圏生態学 | 2024 | 夏季集中 | 他 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 諏訪 裕一 | スワ ユウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-BI5-9C06
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
自然界に生息する微生物の種類、機能、また微生物の集団の構造を解析する方法を解説し、さまざまな環境での微生物集団の構造の特徴と環境変化に対する応答性について講義する。
重要な知見が新たに公表された際は,授業計画のなかに,そうした知見を紹介する時間を織り込んでゆく。
科目目的
生態系での微生物の種類と機能を知ることは,自然界での微生物のすがた(つまり生態学)を知る手がかりであり,生態系での物質循環を解析することに繋がる。バクテリアの大きさに応じた微視的な環境を念頭に,その環境をどのように定義づけるか,また,その微視的環境で生息する微生物の数,種類,機能を知るための様々なメソッドを総覧し,そのメソッドで解析された結果得られた新たな知見を学ぶ。
到達目標
・特に環境での酸化還元電位を軸にして微生物の生理学をoverviewする。
・微生物個々の生理学的特性と生息場所,およびそこでの微生物の役割の関連性をoverviewする。
・環境変化と微生物の反応から,微生物圏の生態を考える。
・環境中での微生物および微生物集団,微生物群集を検出し,解析する方法を総括する。
・近年,進歩の著しい窒素循環に関わる微生物学と環境科学の知識を更新する。
授業計画と内容
第1回 はじめに ~手法が主導する研究分野~
第2回 微生物圏; 生態系での微生物の存在様式
第3回 酸化還元電位とさまざまな微生物の呼吸様式
第4回 微生物の系統
第5回 物質循環と微生物機能
第6回 物質循環を担うさまざまな微生物
第7回 微生物の生態を探る方法 ~その歴史~
第8回 物質循環を担う微生物を知る1 ~分子生物学的方法(概論)~
第9回 リボゾームRNAアプローチ
(クローン・ライブラリ法とその利用,生態系などへの適用と手法の限界)
第10回 特定の生物を定量する方法 ~FISHと定量PCR~
第11回 新たな微生物を分離すること;硝化菌を例に ~その意義と方法~
第12回 古典的な方法の利点と問題点 ~再検討~
第13回 環境微生物のゲノム科学
第14回 将来展望 ~いま,何が見えているのか,何が見えていないのか~
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
文献調査やプレゼンテーションを課す。プレゼンテーション用に資料を渡す。受講生の研究課題を考慮して,担当する課題を割り出す作業を事前に行う。また,必要に応じて,授業のなかで検討すべき項目等を指示する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 準備とプレゼンテーションを「レポート」とみなし、その内容を評価する。 |
平常点 | 35 | 授業中の積極的な議論への参加、質疑の論理性が評価される。 |
その他 | 15 | 授業の質疑のなかで口頭試問を実施する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
特になし。
参考文献・参考資料
・必要に応じて授業中に配布する。
・Madigan, MT; Bender, KS; Buckley, DH; Sattley, WM; Stahl DA著: Brock Biology of Microorganisms (16th Edition)
・Fenchel, T; Blackburn, TH; King, GM 著,太田,諏訪ら訳;微生物の地球化学~元素循環をめぐる微生物学~第3版。