シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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入門・歴史と文明/歴史と文明 | 2024 | 後期 | 木4 | 総合政策学部 | 篠原 典生 | シノハラ ノリオ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-HT1-0001
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
著名な歴史家であるE.H.カーは「歴史は現在と過去のあいだの対話である」と述べた。
人類社会のなかで「これまで起こったこと」を歴史と呼ぶ。しかし、それは過去におこった出来事の単なるよせあつめではなく、膨大な「データ」や「情報」の宝庫であり、未来の展望を開くために欠かせない材料である。データや情報の扱い方を知るためにも、まず歴史との向き合い方を学ぶことが必要となる。
そして文明とはある意味で完結した歴史である。それには始まりがあり、過程があり、終わりがある。人類史上に「これまで起こったこと」を「文明」の興廃を通じて取り出してみることができる。
文明はどのように発展し、どのように衰退するのかを観察することで、人類の活動がその文明の行く末にどのように関わってくるのかを知ることができるだろう。そしてそれは、今を生きるわれわれ人類の進むべき方向を定める指針と成り得る、かもしれない。
本講義「歴史と文明」では以上のことを軸に、歴史と文明の諸相を様々な角度から観察する。
科目目的
本科目はこれから大学での学習をはじめる総合政策学部の学生が、学びの出発点として身につけておくべき基礎的な知識と態度を修得することを目的とする。学部が掲げるディプロマ・ポリシーの「多様性理解力」「専門性に基づく複眼的思考能力」および「コミュニケーション能力」を身につけるための基礎とし、今後のそれぞれの研究活動に資することを目指す。
到達目標
人類文明の歴史的発展の基本的な流れを説明できる。異なる文明間の異同を認識し、現代文明社会の多様性を理解する。
授業計画と内容
第一回 ガイダンス 大学での学び
概説
第二回 歴史とはなにか
第三回 「史学」と「歴史学」
研究方法論
第四回 史料について 目録学・デジタルアーカイヴ
第五回 文明を掘り歴史を復元する 考古学
第六回 体験・記憶としての歴史
「歴史」を論じる
第七回 「古代文明」の様相
第八回 「中世的世界」の形成
第九回 「近代」のはじまり
歴史認識論
第十回 近代の諸問題 民主主義・国民国家・価値観
第十一回 誰の歴史か? 地域史、グローバルヒストリー
比較文明
第十二回 ヒト・モノ・文化の移動
第十三回 墨子とブレヒト、ケーテ・コルヴィッツと魯迅
第十四回 まとめ 「いま」を考える
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業内で指示する課題に取り組むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | テーマに即した内容 大学のレポートにふさわしい体裁 |
平常点 | 60 | 出席、講義への参与、課題の提出状況 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験は行わず、レポートとする。
期末レポートは読書感想文やエッセーではない。
本講義では研究者としてのもの見方や考えかたを学ぶことを目的の一つとする。
期末レポートはその集大成として、学術論文に準拠した体裁を求める。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考文献(必ずしも講義の中で取り上げるとは限らない)
福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫、1995年
内藤湖南『日本文化史研究』上・下 講談社学術文庫、1976年
和辻哲郎『風土』岩波文庫、1979年
丸山真男『忠誠と反逆 転形期日本の精神史的位相』ちくま学芸文庫、1998年
末木文美士『日本宗教史』岩波新書、2006年
サミュエル・ハンチントン (著),、鈴木主税 (訳)『 文明の衝突』集英社文庫、2017年
E.H.カー (著), 近藤 和彦 (翻訳)『歴史とは何か 新版』岩波書店、2022年
その他、必要に応じて授業内で適宜紹介する。