シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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総合教育科目演習Ⅰ(自然) | 2024 | 通年 | 水2 | 経済学部 | 鍬田 政人 | クワタ マサト | 1年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-IF1-31XS
履修条件・関連科目等
この履修要項をよく読み、数学がテーマであることを理解していること。抽象的な数学をしっかり学びたいという強い意欲をもっていること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
コンピュータやスマートフォンなどのデジタル機器が様々なデータを確実に伝達する際に不可欠な数学的理論がが符号理論である。この符号理論の基礎になる代数的理論を学び、符号理論がどのように構成され、誤り訂正がどのような原理で行われるかについて、数学的側面を中心に学ぶ。現在の高校や大学の課程では余り詳しく扱われることのない整数の理論について学び、ISBNや学生証番号などに応用されている誤り検出符号について理解する。さらに、行列の理論や、有限体とよばれる代数の体系について学び、符号理論がどのように組み立てられ、誤りを自動的に修復する誤り訂正符号について学ぶ。応用として、日本で開発され、世界で広く利用されている2次元バーコード、QRコードの仕組みについて詳しく見る。そして、Mathematica や Excel などのコンピュータソフトを使い、QRコードを作ってみる。
科目目的
符号理論の基礎になる代数的理論を学び、符号理論がどのように構成され、誤り訂正がどのような原理で行われるかについてその数学的側面を中心に学ぶ。さらに、広く利用されているQRコードの仕組みの一端を理解する。
到達目標
• 整数とその除法について学び、誤り検出符号について理解する。
• 有限体とよばれる代数の体系について学び、符号理論がどのように組み立てられ、どのように誤りを修復するのかを理解する。
• QRコードの仕組みについて理解する。
授業計画と内容
I.代数学からの準備
1. 整数の除法 — 商と余り
2. ユークリッドの互除法とその拡張
3. 1次不定方程式の整数解
4. 整数の合同と合同式
5. 素数
6. Fermat の小定理
7. 有限個の要素からなる数の体系 -- 有限体
8. 有限体の積の性質
9. 体の拡大 -- 有限体 GF(4)
10. 有限体 GF(8)、GF(16)、GF(256)
II.Mathematica入門
11. Mathematica の初歩
12. Online Help の活用法
13. Mathematica による数式処理
14. 前期の総まとめ
III.符号理論の基礎
15. 誤り検出符号
16. ハミング符号
17. BCH符号
18. リード・ソロモン符号
IV.符号理論のための線形代数の基礎
19. 行列とベクトル
20. 連立一次方程式の系統的な解法
21. 行列式
V.Mathematica でプログラミング
22. QRコードの仕組み
23. 誤り訂正符号の符号化と復号
24. 英数字データの符号化
25. 学籍番号をQRコードにしてみる
26. 漢字データの符号化
27. 漢字氏名をQRコードにしてみる
28. 総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
大学で初めて知るような新しい概念が出現するため,配付した資料をよく読み、授業の復習をしっかり行ってから次の授業に臨むこと。授業中に演習問題を提示した場合には次回までに解答を試みること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 前後期にそれぞれレポートを課す。 |
平常点 | 80 | 毎回の授業への出席状況と課題への取り組み方によって評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
貸出用ノートPCにインストールされている数式処理ソフトウエア Mathematica や Excel などを活用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考資料を適宜配付する。
参考文献:川平 友規 「レクチャーズオンMathematica」(プレアデス出版)
その他特記事項
例年、履修要項をよく読まずに時間割の都合だけでこの演習を第2、第3希望、…とする学生がいるが、すぐに授業についていけなくなり4単位を無駄にしてしまうことがままある。この演習に限らず講義要項はよく読んでから履修登録をすること。一週間に一回だけのゼミだけでは進度に限りがあるので、授業時間外の予習・復習の時間も十分確保して欲しい。
参考URL
https://kuwata.r.chuo-u.ac.jp/Current/Seminar_I_Wed.html