シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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FLP演習A(ジャーナリズム) | 2024 | 通年 | 土2 | 学部間共通科目 | 石山 智恵 | イシヤマ チエ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
UW-IF2-F01S
履修条件・関連科目等
卒業後の進路として、マスメディアでの仕事や、アナウンサー、リポーターなどの職種を志している学生のほか、高い表現力や情報伝達力を身につけることを志す学生。
新聞、テレビ、ラジオなどを通して日々のニュースや社会の変化に広く関心を持ち、自らの視点で課題解決法を考え、情報発信することに積極的であること。そのためのフィールドワークを行う能動性と行動力があること。
法・政治・経済・国際・環境など幅広い分野を履修し、ニュースを理解する上でも必要な学問的な知識を養うこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】"パブリックスピーキング"のスキルと社会を切り取る「視点」を身につける
本演習の最大の目的は、「パブリックスピーキング」のスキルを身につけ、大学生として、また社会人として、その技能を生かすことである。パブリックスピーキングにおいては、親しい仲間内の会話とは異なり、不特定多数の人に、わかりやすく、的確に情報を届けることが重要となる。
"伝え手"は、「正しく、美しい日本語」の使い手であることが求められるほか、情報を、道筋を立てて、過不足なく伝える力を身につけることが大切となる。
本演習では、アナウンサーでさえ悩む、「誤読・誤用の多い言葉の読み方や使い方」を紹介し、正しい文法や知識について学ぶほか、腹式呼吸を使った発声法や母音の無声化・鼻濁音などを学び、パブリックスピーキングに必要な「正しいアクセントや口調」の習得を目指す。また、実際に放送で用いられるニュース原稿などを使った「アナウンス演習」のほか、制限時間を定めた自己PR、フリートークの発表を行い、「伝わる・響く」プレゼンテーションの力や即応力を養う。
また本演習では、"伝え手"に不可欠な、社会の現象や課題を独自に切り取る、「視点」の獲得も目指す。ニュースやリポートなどを視聴し、その背景にある事象を自ら調べ、考え、発表を行う。また自身の視点で「ネタ」を探し、取材リサーチを行い、テレビリポートやラジオリポートを実際に制作し、発表までを行う。夏の学外演習では、グループごとに企画リポートを制作し、最終的にはニュース番組に仕上げるまでを行う。そのほか、NHK全国大学放送コンクールへゼミとして参加するほか、社会の第一線で活躍するゲストスピーカーを招聘し未知の世界の動向への理解を深めるなど、より魅力的な演習内容を随時検討していく。
メディアなどの世界で欠かせない「パブリックスピーキング」の技能を習得し、表現力や洞察力を磨き、就職活動の面接はもちろん、その後の社会人生活の中でも活用してもらいたい。
科目目的
本講義は演習科目であるため、実践的な講義を行う。
アナウンス技術の習得では、単に、「美しく読む」のではなく、伝える情報の背景や核心まで理解した上で、情報の受け手(視聴者やリスナー、読者など)の心に、しっかり届く表現力を身につけることを目的とする。
また、書かれた原稿を読んで伝えるだけでなく、自ら、伝える価値のある情報(ネタ)を探し、必要な情報をリサーチし、テレビやラジオリポートの形にまとめ、伝える演習も行う。自身が、情報の発信者となるための総合的なスキルの習得を目指す。
到達目標
日本語についての正しい知識、相手に伝わるアナウンス技法を習得し、就職活動や実社会で役立つ(即、実践できる)自己表現力やマスコミュニケーション力を身につけることを目標とする。
社会問題や日々のニュースに常に関心を持ち、自ら社会的テーマについて、調べ、まとめ、表現する力を身につけることも目標とする。
授業計画と内容
前期
1.ガイダンス・メディアの言葉・放送の言葉とパブリックスピーキング
2.基礎発声・母音の無声化・鼻濁音の解説・実習(原稿読みを含む)
3.アクセント・口調・滑舌の解説・実習(原稿読み含む)間違いやすい日本語・変化する日本語
4.自己PRのコツを掴む① 就職活動時のESや面接でも求められることが多い、300字程度の自己PRにおいて自分の強みをアピールする文章構成、内容、話し方を学ぶ。
5.自己PRのコツを掴む② 発表
6.取材とは(基礎)
フリートークの実習① 自らトピックを選び、900字、2〜3分程度にまとめる。聴き手に届く文章構成、話し方を学ぶ。
7.フリートークの実習② 発表・講評
8.ゲストスピーカー(現役マスコミ関係者・話題の人など)
9.NHK全国大学放送コンクール出場準備(ガイダンス・テーマ決め・リサーチ)
10.NHK全国大学放送コンクール出場準備(取材・原稿作成)
11.NHK全国大学放送コンクール出場準備(取材・原稿作成・アナウンストレーニング)
12.夏の学外演習準備(ガイダンス・テーマ決め・リサーチ)
13.夏の学外演習準備(取材・構成表作成)
14.夏の学外演習準備(取材・構成表作成)
後期
15.夏の学外演習テレビリポート制作・編集
16.夏の学外演習テレビリポート制作・編集
17.アナウンストレーニング
18.夏の学外演習テレビリポート制作・スタジオ収録準備
19.夏の学外演習テレビリポート制作・スタジオ収録・編集
20.ニュース番組試写・講評
22.ニュース番組完成試写
22.ゲストスピーカー(現役のマスコミ関係者・話題の人など)・取材実習
23.テレビ中継演習(ガイダンス・テーマ決め・リサーチ)
24.テレビ中継演習ロケ
25.テレビ中継演習 完成試写・講評.
26.パブリックスピーキングまとめ・フリートーク準備
27.フリートーク発表・講評
28.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
独自ネタでの取材やそれをまとめる作業は、授業時間内に完結できないこともあると想定される。
発表当日までに、発表できるレベルにまで仕上げる作業は、各自行って欲しい。
提出期限を定めた課題は、期限を厳守すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業の内容によっては、レポート提出指示も出す。 期限内に、適正な分量で書かれているか、独自の視点を元に書かれ、読者を惹きつける内容になっているかを基準とする。 |
平常点 | 50 | 授業への参加、受講態度(主体性・能動性)を基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
欠席は必ず事前に連絡をすること。無断欠席が3回以上ある場合は不可とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
メールでフィードバックを行うこともある。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
Webexを活用して双方向授業も行う。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員は、およそ30年、NHKのテレビやラジオ番組にキャスター・リポーターとして出演。
NHK名古屋放送局にて、夕方のニュースや週末の情報番組を担当。
NHKBS1 『経済最前線』キャスターを10年間務める。「トップインタビュー」のコーナーで、100人を超える企業経営者にインタビュー。海外からの経済リポート・中継多数。
BS-TBS『女子才彩』キャスター。女性たちの生き方・働き方をインタビュー取材。
番組を元にした著書に、『わたし色の生き方 自分らしく働く12人のリアルストーリー』PHP研究所。
NHKラジオ第一『ふるさと・つながるラジオ』『子ども科学電話相談』『歌の日曜散歩』などキャスター。
ナレーションや司会、パネルディスカッションモデレーター経験多数。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
本演習では、これまでの経験や知見を踏まえて、実践的な授業を行う。
実務経験を通して築いたネットワークを活かして、第一線で活躍するゲストスピーカーを招聘し、社会の最新動向に触れる機会を提供する。
テキスト・参考文献等
レジュメや資料などは、授業ごとに配布する。
参考資料
『NHKアナウンス・セミナー』第5刷・日本放送協会・1997年
『間違えやすい日本語1000』第5刷・NHKアナウンス室・2018年
『NHKことばのハンドブック 第2版』第18刷・NHK放送文化研究所・2020年
『ことばの伝達力』加藤昌男 NHK出版・2009年
『わたし色の生き方・自分らしく働く12人のリアルストーリー』石山智恵・2013年