シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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FLP演習C(国際協力) | 2024 | 通年 | 金5 | 学部間共通科目 | 中川 康弘 | ナカガワ ヤスヒロ | 4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
UW-IF4-F03S
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】わかりえない、それでも「共生」を志向することとは
異質な言語と教育実践に触れ、そこに関わる具体的な他者との出会いの原体験が、国際理解の契機となって地球規模の諸問題の解決につながるという確信にもとづき、国際協力と日本語教育、多文化共生の意味を学んできた演習A、Bを経て、いよいよ演習Cの本授業において各自のテーマを理論化の俎上にまで高めます。
前期は、指定文献を中心に輪読、ディスカッションを行い、国際協力、教育、そして言語哲学の観点から「共生」への理解を深めます。並行して見学調査も行い、現場の実情を体感します。演習ABで培った、座学と議論、そして現場を往還する知的作業からの学びをさらに精緻化させるべく、 各自の興味を掘り起こしていきます。学外の訪問先として、前期は都内の公立中学校夜間学級を訪れ、多文化共生・グローバル社会に対する自らの考えを深めることを検討しています。同時に、方法論の基礎について学びつつ、各自が研究課題を設定します。
後期はアジアの大学で日本語を学ぶ現地学生との共同調査、NGOへの訪問等により、各自が設定したテーマの調査を軸に行い、国際協力、日本語教育の役割を考えていきます。 そして年度末に成果報告を経て、学問的課題に応える論文にまとめます。 授業は履修者が用意したレジュメや調査結果についてディスカッションしながら進める双方向型で行います。
科目目的
文献講読とディスカッション、見学調査、そして海外実態調査と、教室内外におけるアクチュアルな学びを通じて、言語文化、障害、ジェンダー等の観点から、文化的多様性を理解することにつとめます。そのうえで、各自が、分断と排外主義、リオタールのいう「島宇宙」が懸念されて久しい現在、無謬主義に陥ることなく、実利主義や単一の価値観、ステレオタイプを誘導する社会を複眼的にみる目を養い、他者とともに在るという国際協力の本質を、原体験として身につけることを本演習の目的とします。
到達目標
演習Cでは各自がこれまで行ってきた調査テーマを深化させることを目標とします。学問上の到達目標として、当事者の立場から多文化共生社会をめぐる諸課題を探求、表現し、論文にまとめる過程を経て、独自の論点を学術的なレベルにまで高め、序論的研究として提示できるようになることを目標とします。一昨年、昨年とは別の国に赴き、東南アジアの生活世界に触れ、ことば、食、臭い、暑さ、喧噪等も含めて感じ、相手と対話することで単一の価値観、ステレオタイプを複眼的にみる目を徹底的に鍛えます。そして、これからの共生社会や国際協力のフィールドを生きるうえで必須となる、人とのつながりを重視し、自分と異なる他者を受け入れるマインドの育成と、それを卒業論文という媒体を通じて表現する言葉の力の醸成を、FLP演習Cの学びの意義として位置付けます。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション、文献講読の分担決め
第2回 文献講読、1章とディスカッション
第3回 文献講読、2章とディスカッション
第4回 文献講読、3章とディスカッション
第5回 文献講読、4章、インターセクショナリティに関するディスカッション
第6回 文献講読、5章とディスカッション
第7回 文献講読、6章とディスカッション
第8回 文献講読、7章とディスカッション
第9回 文献講読、8章とディスカッション
第10回 東京都立荒川区第九中学校夜間学級見学調査(予定)
第11回 文献講読、9章、インターネット言説空間とディスカッション
第12回 文献講読、10章とディスカッション
第13回 文献講読、11章とディスカッション
第14回 文献講読、12章とディスカッション、まとめ
第15回 海外実態調査振り返り
第16回 ゲスト講義
第17回 教育現場の訪問(予定)
第18回 実態調査の振り返り
第19回 実態調査のデータをもとにしたテーマ絞り込み
第20回 データ分析方法についての意見交換
第21回 方法論についての検討、意見交換
第22回 成果報告会に向けてのブレインストーミング
第23回 成果報告会に向けての中間報告 、要旨の検討
第24回 成果報告会準備、ディスカッション
第25回 報告会振り返り
第26回 各自のテーマの課題整理と今後に向けての検討
第27回 論文作成のためのディスカッション
第28回 年間を通しての振り返り、ディスカッションとまとめ
*実態調査先は演習ABC合同で9月中旬にベトナムの大学やNGO、総領事館等を予定しています。また国内見学調査は移動により時限をずらすことになります。いずれも事前に周知し、相談のうえ決定します。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 授業課題、提出論文の完成度により評価 |
平常点 | 20 | 授業への貢献度、活動への積極性により評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で使用するテキスト(予定):
『〈公正〉を乗りこなす』朱喜哲著、2023年、太郎次郎社エディタス ISBN 9784811808604
参考文献:
『ライフストーリー論』桜井厚著、2012年、弘文堂
『多様性との対話 ダイバーシティの推進が見えなくするもの』岩渕功一編著、青弓社
『異文化間コミュニケーションの方法 媒介言語をめぐる議論と実際』木村護郎クリストフ著、大修館書店
『Pedagogy of the oppressed』Freire, P.、2000年、Continuum Intl Pub Group; Anniversary, Subsequent版
その他特記事項
・各自の問題意識に繊細に反応し、柔軟かつ丁寧に対応します。そして、ゼミ生一人ひとりの興味をミクロマクロ両面で大切に育てます。
・ゼミ生同士、積極的にコミュニケーションをとって、お互いに学びを深めてください。
・授業計画は、学修進度や訪問先の受入れ状況等により変更する場合があります。