シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FLP演習C(地域・公共マネジメント) | 2024 | 通年 | 金6 | 学部間共通科目 | 山﨑 朗 | ヤマサキ アキラ | 4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
UW-IF4-F03S
履修条件・関連科目等
特に履修条件はありません。各学部の語学、体育などの基本科目をきちんと受講し、単位を取得してください。また、『日本経済新聞』や「東洋経済オンライン」、「ダイヤモンドオンライン」の関連記事を読むようにしてください。
2023年度はA、B、C合併の演習となります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】地域創生のデザインと地域イノベーション
2008年から日本の人口は減少しています。2008年以前から人口減少している地域も少なくありません。東京都もまもなく人口減少に転じると予想されているなかで、地域をいかにデザインしていくのかが問われています。本ゼミでは、その観点から、地域イノベーション政策、産業クラスター、地域のグローバル化、地域のプレミアム化を取り上げます。
テキスト、参考文献をてがかりにしながら、地域のグローバル化について各自、関心のあるテーマを設定し、自主的な研究を行います。また、全員でゼミ合宿に行きます。2022年度は北海道東川町、2023年度は沖縄県石垣市で調査を実施しました。
ゼミ内における研究成果は、懸賞論文やプレゼン大会ビジネスコンテストなどへの応募という形で社会に公開していきます。
これまでに「創立130周年中央大学の未来~私の提言~ 最優秀学生賞」、「第59回みずほ学術振興財団懸賞論文佳作」、「第1回地球の歩き方総合研究所懸賞論文佳作」、「第61回みずほ学術振興財団懸賞論文三等<一等・二等は該当作なし>」、「学術・文化・産業ネットワーク多摩主催:2023年度ものづくり・まちづくり部門 学術賞奨励賞およびビジネス優秀賞」などの成果が出ています。
科目目的
日本の人口減少、高齢化にともなう地域問題、それらの問題に対処するための地域のグローバル化、地域のプレミアム化、地域イノベーションについて理解を深めることを目的としています。
人口減少時代における新しい地域政策について、具体的には、①低密度居住地区からの「撤退(スマートシュリンキング)および耕作放棄地や空き家の再活用、②地域のグローバリゼーション(第三級世界都市論・グローバルビレッジ論と国際貨物、インバウンド対策、クルーズ船など)、③農林水産物・食品の輸出、海外の食品の輸入代替、④医療機器、医薬品、航空宇宙産業の地域的発展戦略(産業クラスター戦略と地域イノベーション政策)、⑤地域のポテンシャルをマックスにするための「プレミアム戦略」があります。
地域イノベーションについては、テキスト『地域産業のイノベーションシステム』をもとに議論を進めます。国土交通省の国土審議会等や内閣府において、国土の長期展望、デジタル田園都市構想や地方創生策について報告書等が作成されていますので、それらの政策レポート等についても適宜使用します。ダウンロードできますので、報告書や白書の購入の必要はありません。
また、DX時代の新しい地域政策として、ワーケーションやリモートワーク、ブリジャー(出張+観光)、フリーランス移住、二地域居住、サテライトオフィス、シェアオフィス、中長期の医療・リハビリやリスキリング(社会人の新しい学習形態)などについても取り上げます。日本の人口減少、高齢化にともなう地域問題、それらの問題に対処するための地域のグローバル化、地域のプレミアム化、地域イノベーションについて理解を深めることを目的としています。
到達目標
1.日本の地域構造の特性について理解できるようになること。
2.日本の地域構造の特性および未来の地域構造の想定から地域の政策課題を抽出できるようになること。
3.これまでの日本の国土計画や地域政策をサーベイし、それらの政策対応の効果と問題点を抽出・理解できるようになること。
4.それらの学習をもとに地域の未来戦略、未来に向けての政策について提案できる能力を身に着けるようになること。
5.地域創生について論理的な文章を作成し、可能であれば、懸賞論文などに応募できるようになること。
6.コロナ禍では難しい状況ですが、ヒヤリングのノウハウを会得し、ヒヤリング先から重要な情報を得る手法を身に着けること。
7.下級生に対して学習指導を行えるようになること。
授業計画と内容
<テキスト>
本年度は、山﨑朗編著『地域産業のイノベーションシステム』学芸出版社、2019年、第5刷をゼミテキストとします。
本演習では、地域イノベーション政策、産業クラスター、地域のグローバル化、プレミアムな地域創生を取り上げます。
演習参加者は、各自、興味のあるテーマを選び、レポートを作成します。テーマが合致する場合には、懸賞論文への応募を行います。
現時点では以下のようなゼミ構成となる予定です。
1.ゼミの運営方法、ゼミ長の選任、ゼミ合宿の候補地の選定、名簿作成等を行います。
2.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第一章をもとにディスカッションを行います。
3.サマースクール対象地域の統計分析の仕方について学びます。
4.マイケル・ポーターの社会的共通価値(CSV)に関する論文を輪読します。どの論文を選ぶかについては、こちらで決めたいと思います。
5.国土審議会国土の長期展望委員会(PDFファイル)をもとに、国土の将来について議論します。各自、ダウンロードしておいてください。
6.マイケル・ポーターの産業クラスター論についての論文または著書を読みます。どの論文にするかはこちらで決めますが、1回目のゼミの際に指示しますので、各自入手しておいてください。
7.サマースクールの政策課題を決定して、政策課題について調査を行います。
8.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第2章「イノベーションシステム論」をもとに議論します。
9.サマースクールの発表用PPTの作成と修正作業を行います。
10.サマースクールの発表の練習を行います。
11.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第3章「産業クラスター論」をもとに議論をします。事前に読んでおいてください。
12.懸賞論文について調べて、応募できる懸賞論文についてのテーマや内容を話し合います。
13.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第4章「産業クラスターに形成における地方メッセの役割」をもとに議論します。
14.山﨑朗編著『クラスター戦略』有斐閣をもとに産業クラスター計画等について解説します。
15.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第5章「九州におけるクラウド時代のスマートシリコンクラスター」をもとに議論します。
16.福岡市の東京事務所の職員の方に外部講師として来ていただき、福岡市の戦略について講義してもらいます。
17.懸賞論文およびビジネスプランコンテストの参加について検討します。
18.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第6章「航空宇宙産業の地域戦略」をもとに議論します。
19.北海道における新しい地域創生について、近年の新しい動向について解説します。
20.ゼミ生の就職希望先リストの作成とそのための就職準備について指導します。
21.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の第7章「進化する神戸医療産業都市」について議論します。
22.都市型農業の再編および都市内農地問題、農福連携、6次産業化について議論します。
23.就職希望先リストの最新版を発表してもらいます。必要となる資格、インターンシップ体験、公務員試験対策などについて指導します。
24.テキスト『地域産業のイノベーションシステム』の8章「クリエイティブ地方都市福岡のモデル確立に向けて」をもとに議論を行います。
25.テレワーク、リモートワーク、ワーケーション、社機能の移転の動向について説明します。
26.ゼミ合宿の訪問地、ヒヤリング先との調整、ゼミ合宿のテーマについて話し合います。
27.自主学習の成果報告の書き方、まとめ方、テーマ設定、参考文献検索について指導します。
28.成果報告の内容について、PPTで報告してもらいます。残りの時間で、次年度の演習の進め方および合宿、プレゼン大会や懸賞論文、ビジネスプランコンテスト参加について話し合います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 20 | 複数回ミニレポートを作成する。 |
平常点 | 50 | クラスへの参加度を平常点とします。レジメの作成、意見の発表、パワーポイントの作成等。 |
その他 | 30 | 懸賞論文やビジネスプランへの応募。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
山﨑朗編著『地域産業のイノベーションシステム』学芸出版社