シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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有機金属化学特論第二 | 2024 | 前期 | 水2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 石井 洋一 | イシイ ヨウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-BC5-6C13
履修条件・関連科目等
学部での有機化学および無機化学の内容を前提知識とします。
授業で使用する言語
英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
まず有機金属化学の基礎にある配位子場理論、18電子則を解説したのち、主として遷移金属元素の有機金属化合物について、合成法と主要な反応性(酸化的付加、還元的脱離、COおよびアルケンの挿入、β-水素脱離など)を概説します。授業は原則として英語で行いますが、内容の理解を進めるため、テーマごとの解説と演習を組み合わせて実施します。
科目目的
有機金属化合物の構造と反応性の基礎を学び、それに基づいて、有機金属化合物が行うさまざまな反応における反応性の大小や生成物の予測が行える、あるいは実際の研究の場面で出会う有機金属化合物の反応について反応機構などを自分で説明できるような水準で、有機金属化学を理解することを目的とします。
到達目標
有機金属化合物の基本的諸概念を学び、金属元素と配位子の組み合わせにより多様な性質や反応性を示す有機金属化合物の特性を理解します。特に、
(1)18電子則に基づく有機金属化合物の反応性の解釈、
(2)配位子置換、トランスメタル化、酸化的付加、還元的脱離、挿入、β水素脱離、および配位子への求電子付加、求核付加反応の組み合わせによる反応の理解
について、基本的な内容を自分の言葉で説明できるようになることを目標とします。
授業計画と内容
第1回 有機金属化学の発展と研究法
第2回 有機金属化合物とWerner錯体:配位子場理論
第3回 有機金属化学における配位子
第4回 18電子則とその利用
第5回 遷移金属元素および典型元素の有機金属化合物
第6回 配位子置換反応とtrans効果
第7回 酸化的付加
第8回 agostic相互作用とC-H結合の活性化
第9回 還元的脱離
第10回 COおよびアルケンの挿入
第11回 β-水素脱離と関連反応
第12回 カルベンおよび関連配位子の生成と性質
第13回 配位子への求電子反応と求核反応
第14回 全体のまとめと演習
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回の演習問題ならびに小テストの内容を復習し、論理の展開が説明できるようにすること。また、次回の講義内容に相当する参考文献の章に目を通しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 40 | 達成度評価では有機金属錯体の構造、性質、反応性についての基本的理解が要求されます。 |
平常点 | 60 | 講義中に行なう小テストを60%の割合で考慮します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
各回の講義中に行なう小テストの点数を60%、達成度確認の点数を40%の割合で考慮して評価します。小テストは添削の上、次回講義で返却します。達成度評価では有機金属錯体の構造、性質、反応性についての基本的理解が要求されます。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
課題は添削の上、次回講義で返却します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを利用してハンドアウト、小テストの解説などを配布すると同時に、manabaの個別指導コレクションにより質問対応、学習支援を行います。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考書:
J. F. Hartwig, "Organotransition Metal Chemistry: From Bonding to Catalysis" University Science Books, 2010, ISBN: 978-1-891389-53-5.
(日本語版:「ハートウィグ 有機遷移金属化学 上下」小宮・穐田・岩澤監訳、東京化学同人、2014, ISBN: 9784807908509, 9784807908516.)
R. H. Crabtree, "The Organometallic Chemistry of the Transition Metals (Sixth Edition)" Wiley, 2014, ISBN: 9780471662563.
有機金属化学を含む錯体化学全般の基礎的な参考書:
「錯体化学 有機・無機複合体の分子科学」棚瀬・石井編著、三共出版、2021, ISBN: 978-4-7827-0800-2 C3043.
その他特記事項
参考URL
ホームページ https://ishii-lab.r.chuo-u.ac.jp/
e-メール yo-ishii@kc.chuo-u.ac.jp