シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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OR特論 | 2024 | 後期 | 水2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 後藤 順哉 | ゴトウ ジュンヤ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-SS5-7C20
履修条件・関連科目等
線形代数、オペレーションズ・リサーチ、アルゴリズム、プログラミングに関する基礎的な知識があることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ORに関するトピックについて講義形式で行う。英語での履修を希望する学生がいる場合には説明も含めできるだけ英語で行う。今年度本科目では数理最適化の基本的知識をベースに、金融工学の基礎を講義する。基本的に講義形式を予定しているが、必要に応じ演習問題やプログラミングによる数値計算や発表を取り入れる。
科目目的
金融工学の方法論の中でも、主として数理最適化問題に帰着される問題を取り上げ、不確実性下の意思決定モデルに関する感覚を磨く。とりわけ、ポートフォリオ選択(資産配分)やデリバティブに用いられる不確実性の取り扱いや基本的な概念を、数理最適化の視点から理解する。
到達目標
オペレーションズ・リサーチ(OR)による現実問題の解決は通常,1.現実問題の数理モデル化,2.アルゴリズムやデータ構造の選択や考案,3.プログラミングによるソフトウェアの作成,4.系統的な数値実験,5.結果の考察とフィードバックという過程を辿る.
本授業では,上記のプロセスのうち1.の部分,とりわけ,金融リスク管理における工学的モデルを取り上げ,その数学的基礎やそれを用いたモデル化を理解する.
目標は以下の通り:
(1) 金利の期間構造および推定について必要なデータや概念を理解できる
(2) マーコビッツモデルについて必要なデータや概念を理解し,実装できる
(3) 金融のリスク尺度について概念を理解できる
(4) 基本的な金融デリバティブについて理解し,ファイナンスの基本定理の簡単版をLPの双対性から理解できる
授業計画と内容
第1週 異時点間のキャッシュフロー (1):金利・債券
第2週 異時点間のキャッシュフロー (2):期間構造推定
第3週 異時点間のキャッシュフロー(3):キャッシュ・マッチング
第4週 平均・分散モデルと CAPM(1):収益率
第5週 平均・分散モデルと CAPM(2):平均・分散モデル
第6週 平均・分散モデルと CAPM(3):CAPMとベータ
第7週 平均・分散モデルと CAPM(4):シャープ比
第8週 様々なリスク尺度 (1) 平均絶対偏差モデル
第9週 様々なリスク尺度 (2) VaR, CVaR
第10週 様々なリスク尺度 (3) コヒレント尺度
第11週 デリバティブ概論
第12週 離散モデルにおける価格評価理論 (1):2項格子モデル
第13週 離散モデルにおける価格評価理論 (2):LPの双対理論
第14週 離散モデルにおける価格評価理論 (3):ファイナンスの基本定理
上記は凡その予定であり、進度により変更されうる
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
輪読で発表を担当する場合は,入念に発表の準備を行う.担当しない場合でもテキストを読んでおく.課題が出された場合には誠実に取り組み〆切までに提出する.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 宿題の取り組み、理解度を総合的に評価する |
平常点 | 30 | 講義での取り組みを総合的に評価する |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で用いるスライドをmanabaからダウンロードしてもらう
【参考文献】
David G. Luenberger. Investment Science 2nd edition, Oxford University Press, 2013.
今野『理財工学I』『同II』(日科技連)
批々木『金融工学と最適化』(朝倉書店)