シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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入門演習 | 2025 | 前期 | 月3 | 経済学部 | 坂本 宏 | サカモト ヒロシ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
EC-AD1-01XS
履修条件・関連科目等
授業で扱うテーマは「近代ヨーロッパ史」ですが、高校で「世界史(探究)」を選択しなかった受講生も歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく,チームワークの経験から学んで,他人と協調し,自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また,創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて,ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
「近代ヨーロッパ史再考」
高校までの世界史学習では、個々の史実を暗記することに重点が置かれ、それらの史実の背景や意味について深く考える機会が限られていたのではないでしょうか。そこで本入門演習では、西尾幹二氏の遺作である『日本と西欧の五〇〇年史』(筑摩書房、2024年)を教材に用い、近代のとりわけヨーロッパ史を総体として理解することを目指します。
本書で西尾氏は、近代市民社会や民主主義を理想とする従来の歴史観に対し疑問を投げかけ、暴力や略奪に基づく支配構造といった「影」の部分を浮き彫りにしています。また、西洋諸国がアメリカ大陸、アフリカ、アジアで進めた植民地支配においてキリスト教が果たした役割や、日本がそれにどのように対応してきたかを詳述しています。本書は西尾氏の歴史論の集大成であり、斬新な解釈が随所に見られますが、それらの妥当性についても受講者全員で考えてゆきます。あわせて、高校の世界史教科書と比較し、西尾氏の歴史論と教科書記述の相違点についても検討します。
各回の担当者にはレジュメを作成して報告してもらいます。その他の履修者には、指定箇所を読んだ上で、疑問点や興味を持った点を箇条書きでまとめたメモを毎回提出してもらいます。学期末には、本書に関連したテーマについてのレポートを作成してもらいます。また、ゼミ内では文献調査の方法やレポート作成の技術についても指導を行います。
科目目的
高校の「歴史総合」や「世界史探求」においては、各時代や地域の歴史を比較することを通じて歴史を多角的に捉えることを学びましたが、その延長として、歴史(本入門演習においては主に「近代ヨーロッパ史」)を批判的に捉えることを目的とします。
到達目標
近代ヨーロッパ史について、従来の歴史記述を批判的に検討し、独自の視角を持つことができるようになること。また、そのための文献調査を行うことができるスキルを身に着けること。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス
第2回 アメリカとはどのような成り立ちの国か
第3回 「中世」が存在しないアメリカ
第4回 ヨーロッパ世界進出の先駆けとなったスペイン
第5回 新大陸領有をめぐるスペイン人の論争
第6回 暴力世界としてのヨーロッパ
第7回 図書館講習(予定)
第8回 宗教改革とヨーロッパの拡大
第9回 世界史の中の江戸時代
第10回 ヨーロッパの太平洋進出と日本
第11回 『国民の歴史』序章
第12回 『江戸のダイナミズム』序章
第13回 レポート作成のための中間報告
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 「近代ヨーロッパ史再考」に関する任意のテーマについてレポートを作成すること。レポートでは、適切な研究文献を参照した上で、独自の見解が示すこと。 |
平常点 | 50 | 報告を担当する回においては、適切なレジュメを作成した上で、テキストの著者の見解に対して報告者独自の視点を示すこと。 その他の回においては、メモを作成した上で、自分自身の意見を述べること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回の出席を義務付けます。止むを得ない理由で欠席する場合は必ずEメール(hsakamo.69k@g.chuo-u.ac.jp)で連絡し、次の授業時にメモを提出すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを活用し、意見の集約やフィードバックを行います。また、それらをプロジェクターを用いて表示します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
西尾幹二『日本と西欧の五〇〇年史』(筑摩書房、2024年)ISBN: 978-4-480-01791-8
をテキストとして使用する。購入して持参すること。
その他特記事項
e-mail: hsakamo.69k@g.chuo-u.ac.jp