シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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総合教育科目演習Ⅱ(人文) | 2024 | 通年 | 火2 | 経済学部 | 濱岡 剛 | ハマオカ タケシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-IF2-41XS
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
西洋の政治思想史における古典的著作であるアリストテレス『政治学』を読む。第1巻、第3巻および第4巻の一部をじっくり読み解いていく。奴隷制擁護の議論など、現在の視点からみると受け入れがたいものもあるが、それも含めて、アリストテレスがどのようなことを根拠としてどのような議論を展開しているかを分析していく。
各授業、担当者が担当箇所の要約を事前に作成し、それを元にして参加者全員で論じる。
科目目的
アリストテレス『政治学』という古典的著作を精読し、テキストを精密に理解しそこから自分自身の生き方についての引き出す力を身につける。各自が読み取った内容を自分なりの形で表現し、議論する力を養う。
到達目標
・テキストの議論の筋道を分析することができる。
・テキストの個々の議論のポイントを的確につかみ、要約することができる。
・国家や市民、国制についてのアリストテレスの分析を通じて、近現代的な国民国家についての理解を深める。
授業計画と内容
『政治学』
〔前期〕
第1回 この演習について
第2回 アリストテレス『政治学』について
『政治学』第1巻
第3回 第1章 最高の共同体としての国家
第2章 国家に至る共同体の自然発生
第4回 第3章 家政の部分
第4章 家政の道具としての奴隷
第5回 第5章 隷属は自然に反するか
第6回 第6章 自然的な隷従と法的な隷従
第7章 主人の知識と奴隷の知識
第7回 第8章 家政術と財貨の獲得術はどのような関係か
第8回 第9章 交換術と貨幣
第9回 第10章 家政術の自然性と金融術の反自然性
第11章 財貨の獲得術の使用
第10回 第12章 父子間の支配と夫妻間の支配
第13章 家人はどのような徳を持つべきか
第3巻
第12回 第1章 市民の定義
第13回 第2章 市民の定義をめぐる問題
第3章 国家の同一性
第14回 第4章 善い人間と優れた市民の徳は同じか
〔後期〕
第15回 夏期レポート発表会
第16回 第5章 多様な市民の種類
第6章 正しい国制と逸脱した国制
第17回 第8章 寡頭制と民主制はどのように規定されるべきか
第18回 第9章 正義論における寡頭制と民主制の問題
第19回 第10章 国家の最高の権限はどこにあるべきか
第11章 大衆はどのような権限を持つべきか
第20回 第12章 平等に関する哲学的な難問
第21回 第13章 公職を要求する根拠の問題
第22回 第14章 王政の種類
第23回 第15章 人間による支配としての王制
第24回 第16章 全権型王制の問題
第25回 第17章 全権型王制が適する条件
第18章 最善の国政に関する議論への序章
第4巻
第26回 第8章 共和制と貴族制はどのように異なるのか
第9章 中間的な国制としての共和制
第27回 第11章 中間的な国制による最善の国制の実現
第28回 冬期レポート発表会
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストを丹念に読み取む。どのような根拠でどのような結論を導いているか、という議論の筋道をしっかり捉える。そして、テキストから読み取ったことを現代社会にどう適用できるか考えることが重要である。授業において紹介するセネカの他の著作や参考文献なども読んでみて欲しい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 9月、1月の授業の際に4000字以上のレポートを提出してもらう。 それまで読んできた議論が踏まえられていること。 自分の主張が明確に説明されていること。 |
平常点 | 50 | 担当箇所のレジメ作成。 出席し議論に参加すること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
アリストテレス(三浦洋訳)『政治学(上)』(光文社古典新訳文庫)、光文社、2023年、ISBN978-4-334-75482-2