中央大学

シラバスデータベース|2026年度版

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ホーム > 講義詳細:情報通信産業論\情報ビジネス

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
情報通信産業論\情報ビジネス 2026 前期 水2 基幹理工学部/社会理工学部/先進理工学部/理工学部 本田 正美 ホンダ マサミ 4年次配当 2

科目ナンバー

SS-BD4-5C49

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

 生成AIの急速な技術進化は経済や社会に大きな影響をもたらしつつあります。日本政府は、狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く新たな社会を「Society5.0」と名付け、「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しました。また、AI、IoT、AR/VR、5G/6Gがもたらす根本的な変革を「第四次産業革命」とも呼んでいます。情報通信産業は、「第四次産業革命」や「Society5.0」へ向けた進展をリードする役割を担っています。
 情報通信産業には、コンピュータ産業、ソフトウェア・情報処理サービス産業、電気通信産業、メディア・コンテンツ産業などが含まれていますが、いずれもインターネットの普及に伴って伝統的なビジネスモデルが崩れ、業界再編が進行しました。また、膨大なデータを保有するプラットフォーマーと呼ばれるIT企業が市場でのパワーを増し、それを規制する動きも各国で見られるようになりました。一方、インターネットに常時接続されたコネクティッドカーや自動運転車に見られるように、自動車産業もまたICT(情報通信技術)との融合によって大きな変貌を遂げつつあります。自動車に限らず、5G、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、メタバース、ロボットの開発や普及によって、産業全体で根本的な変化が進行しているのが特徴です。
 本授業では、情報通信産業の歴史と現在進行中の変化、関連企業のビジネス、国家デジタル戦略について講義します。「情報通信革命」と呼ばれている歴史的な社会変化の本質について、またテクノロジーと社会との相互作用を常に意識しながら、そこから生じる諸問題についても理解を深めたいと考えています。テキストを指定しましたが、それを最初から終わりまで順番に読んでいく授業スタイルはとりません。毎回配布する資料に沿って授業を進め、関連するテキストの記述箇所を同時に読むことで資料を補足しつつ進めます。また、グループワーク・ディスカッションも重視します。
 

科目目的

グローバルかつ歴史的な視点から情報通信産業および情報ビジネスの変化と発展を理解すること、また情報通信技術と経済社会の関係について問題意識と考察を深めること、を目的としています。
AIをはじめとする先端的なテクノロジー分野では「ELSI(エルシー)」と呼ばれる倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues)がますます重視されるようになり、AI倫理へ投資する企業も増えています。そこで、①情報通信技術が人や社会が抱える課題の解決にどう役立てられるか、②技術の導入や利用によって生じるベネフィットとリスクは何か、についても絶えず意識しながら授業を進めます。
AIやロボットが既存の人間の仕事を代替していくことが予想される未来に向けて、人間社会にとって有益な情報通信技術や情報ビジネスについて、自らの考えを深めていただきたいと願っています。そのためには、講義での知識獲得だけでなく、ディスカッションによって考察を深めていくことを重視します。

到達目標

1.マクロの視点から情報通信産業の歴史と全体像を把握すること、ミクロの視点から情報ビジネスの特徴と発展経緯を理解することを目標にします。とくに、授業で解説するキーワードの意味がよく理解できるようになることを目標としてください。

2.自らの問題意識と考えを深め、それを整理して、意見として発表したり文章で表現したりすることができるようになることを目標としてください。




授業計画と内容

■第1回 オリエンテーション
「知識経済、スマート社会とは?」「情報通信産業の役割は何か」をテーマに入門的な解説を行った後、情報通信産業論で学ぶ範囲、到達目標、授業の進め方、グループワークで気をつけること、成績評価の方法について説明します。

■第2回 通信産業の歴史と特性
国の独占事業として始まった電気通信の歴史を「通信の自由化(規制緩和)」「モジュール化」をキーワードとして解説します。日本電信電話公社の民営化によってNTTが設立され、通信市場には競争原理が導入されてきました。とはいえ、通信産業は現在でも国からの規制を受けている点でコンピュータ産業やソフトウェア産業とは異なっています。このような通信産業の特性への理解を深めたいと考えています。また、2021年は日本で5Gの普及が始まる年になります。4Gとの違い、5Gによって可能となることについて学び、テクノロジーがもたらす未来の社会について構想します。
 *キーワード:通信自由化、NTT、ソフトバンク、KDDI、ネットワーク外部性、5G/Beyond5G

■第3回 IT産業の歴史とパラダイム転換
IT産業の歴史は「モジュール化」「オープン化」「コモディティ化」の進展として把握することができます。とくにモジュール化については近年、経済学の分野で研究が進み、製品アーキテクチャだけでなく産業構造を分析するうえでも重要な概念となっています。産業のモジュール化の意味を解説すると同時に、モジュール化を促したオープン・イノベーションについても理解を深めましょう。
 *キーワード:モジュール化、コモディティ化、オープン・イノベーション

■第4回 ネットの発展とプラットフォーム
インターネットの商用化が進んだ1990年代半ば以降に誕生した電子商取引をはじめとするネットビジネスの発展経緯と特徴について解説します。「ロングテール」「べき法則」といったネットワーク特性を近年のネットワーク理論に基づいて学びつつ、ネットとビジネスの関係について分析します。「フリーミアム」「プラットフォーム」など、ウェブ上での動向が情報通信産業や社会にどのようなインパクトをもたらすのかについても考察を深めましょう。
 *キーワード:ロングテール、フリーミアム、プラットフォーム
   
■第5回 シェアリング・エコノミー
グローバル化と情報化を背景として、シェアリング・エコノミー(共有型経済)が全世界で台頭しつつあり、Uber、Airbnb、メルカリといった企業が急成長を遂げました。ICTを活用した新しい経済活動について考えます。また、デジタル化することで得られる新しい価値について考え、デジタル・エコノミーの特徴である全体最適と個別最適について学びます。
 *キーワード:シェアリングエコノミー、全体最適と個別最適

■第6回 グループワーク:既存情報通信サービスの最適化と事業改善
5回までの授業を通じて学んだことを踏まえて、既存情報通信サービスの最適化と事業改善のアイデアを考えてみます。一人ずつ、もしくはグループで考えて発表します。

■第7回 デジタル・トランスフォーメーション(DX)
IoTやAI、ロボットの技術進歩によって、製造業、農業、金融業、その他サービス業の全般で「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」が進行しています。新型コロナ・パンデミックは日本のDXの遅れを露呈させましたが、2021年9月にはデジタル庁が発足し、行政と産業界ともに取り組みを加速させています。製造業など具体的な事例を分析しながらDXについての理解を深めます。
 *キーワード:デジタル・トランスフォーメーション

■第8回 善い目的をもつITビジネス
「人間中心の情報システム」の概念を説明したうえで、社会や組織にとって善い目的をもつ情報システム構築の重要性を説明します。また、その具体的な事例を紹介し、システムやサービスを提供している企業のビジネスを学びます。スタートアップが活躍する分野なので、スタートアップのビジネスについても解説します。
 *キーワード、人間中心の情報システム、スタートアップ

■第9回 イノベーションとデザイン思考
21世紀に入り、日本企業にとっての最重要課題のひとつが「イノベーション」創出となっています。
商品の高性能化・高機能化や低価格化で成長できた時代は終わり、ユーザー(利用者)のニーズを深く理解することで新たな価値を創造することが求められているためです。そのための手法として注目されている「デザイン思考」です。日本企業の課題およびイノベーションの概念と手法についての理解を深めましょう。
 *キーワード:イノベーション、デザイン思考

■第10回 グループワーク:新規ビジネス・モデルの創出
9回までの授業を通じて学んだことを踏まえて、新規ビジネス・モデルの創出のアイデアを考えてみます。一人ずつ、もしくはグループで考えて発表します。
   
■第11回 ソフトウェア産業とITエンジニア
ソフトウェア・情報処理サービス産業および同産業で働くITエンジニアの仕事について講義します。米国をはじめとする海外との比較に基づき、日本の特徴と課題について学びます。世界的に見ると、シリコンバレーで育まれた人的ネットワークが中国、インド、イスラエル、台湾のIT・ソフトウェア産業の成長の原動力となった歴史がありますが、グローバルな人的ネットワークの形成について地理経済学者アナリー・サクセニアンの研究をもとに解説します。
 *キーワード:ソフトウェア産業、オープンソースソフトウェア
   
■第12回 コンテンツビジネス
ウェブサイト情報やSNSの発達によって、誰でも情報発信ができるようになりました。新聞や雑誌の発行部数は減少を続け、テレビも含めて既存のマスメディア企業はビジネスモデルの転換を急いでいます。一方で、フェイクニュースの増加や、自分にとって好ましい情報だけが偏って表示される「フィルターバブル」が起こるなど、問題も少なくありません。メディア企業を中心とするコンテンツビジネスについて理解を深めると同時に、主に新聞が担ってきたジャーナリズム機能をいかに維持するか、情報の利用者の立場からメディアリテラシーをいかに高めるかなど、新たな課題についても考察します。
 *キーワード:フェイクニュース、メディアリテラシー
   
■第13回 パーソナルデータの利活用と保護
情報通信産業においては、パーソナルデータの利活用と保護が課題となっています。本講では、データの経済的価値を最大化するための利活用方法と個人の権利を保護するための法的技術的枠組みの両面について解説します。
 *キーワード:パーソナルデータ、データの利活用、個人情報保護

■第14回 未来に向けた技術進化とビジネス
情報通信技術と他分野の技術との融合が進んでいます。それに伴い、インターネットは、人と人とのコミュニケーションだけではなく、人とモノ、モノとモノとのコミュニケーションにも利用されるようになり、IoT(Internet of Things)の時代へと移りました。また、近年は画像・音声・文章をつくる生成AI技術の能力が急速に向上し、さまざまな分野に影響を与えています。
そこで、最新テクノロジーの進化の動向と政府のIoT・AI政策について解説します。また、AIやロボットが普及していく未来に向けて、人の仕事はどうなるかなど検討しなければならない重要な課題についても考えます。
 *キーワード:AI、ロボット、人間と機械の協調
 

授業時間外の学修の内容

その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

本授業がカバーする範囲は広く、1回1テーマで、入門的な解説を行います。
そのため、興味を持ったテーマについてはより深く学ぶためにネット調べてみる、参考文献を読む、といった自主的な学習を行ってください。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 50 学期末に、記述式の試験を実施します。
レポート 30 講義期間中に5回、小レポート課題を出題します。
平常点 20 講義中でグループワークを実施します。
その成果物および発表や質疑への参加をもとに、総合的に評価を行ないます。

成績評価の方法・基準(備考)

詳細については、第1回講義時にあらためて説明します。
レポートおよび平常点については、その都度詳細を説明します。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/グループワーク

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

講義資料はmanabaで事前に共有します。
オンライン授業を行う場合はZoomを利用します。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

◆テキスト
・砂田薫[2025]『情報システム進化論』行政情報システム研究所
・本田正美、中野邦彦[2025]『情報と職業』総合教育出版

◆参考文献
・森川博之[2019]『データ・ドリブン・エコノミー』ダイヤモンド社
・青木昌彦・安藤晴彦[2002]『モジュール化:新しい産業アーキテクチャの本質』東洋経済新報社
・カーリス・ボールドウィン&キム・クラーク著・安藤晴彦訳[2004]『デザイン・ルール:モジュール化パワー』東洋経済新報社
・ジェレミー・レフキン[2015]『限界費用ゼロ社会ー<モノのインターネット>と共有型経済の台頭』NHK出版
・ティム・ブラウン[2010]『デザイン思考が世界を変える―イノベーションを導く新しい考え方』早川書房
・ユヴァル・ハラリ[2018]『ホモ・デウスーテクノロジーとサイエンスの未来』上・下、河出書房新社
・栗原聡[2024]『AIにはできない』角川新書
・ムスタファ・スレイマン、マイケル・バスカー著/上杉隼人訳[2024]『AIを封じ込めよ THE COMING WAVE』日本経済新聞出版

その他特記事項

急ぎの連絡事項は、manabaからのメッセージではなく、メール(ask@honda-masami.jp)でお願いします。

参考URL

■授業の参考として以下のホームページをご参照ください。

デジタル庁のホームページ

https://www.digital.go.jp/

       

総務省の情報通信政策に関するサイト

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/joho_tsusin.html

       

情報通信白書(各年版)総務省

http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

    

経済産業省の情報政策に関するサイト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/index.html

   

情報処理推進機構 情報政策史の年表と報告書

http://www.ipa.go.jp/about/e-book/itphist/index.html

     

日経BP IT Pro

http://itpro.nikkeibp.co.jp/

■以下は、2025年度まで本講義を担当されていた砂田先生による論考です。

本講義中でも適宜参照します。

砂田薫「日本のソフトウェア産業の変遷―企業・政府・市場」

http://www.glocom.ac.jp/j/chijo/text/2007/11/kaoru_sunada.html

   

砂田薫「日本のソフトウェア産業と政策の変遷」

http://issj.nuis.jp/issj/is_konwa.pdf

砂田薫「ユーザーが高める情報システムの価値~デンマークの電子政府を事例として~」

http://www.issj.net/journal/jissj/Vol7_No2_Open/A3V7N2.pdf

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