シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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感性情報論第一 | 2024 | 前期 | 金2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 中田 亨 | ナカタ トオル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-HI5-JN01
履修条件・関連科目等
人間の心理や、知覚、芸術、マーケティング、人間の感性の理論や応用について興味を持っている者が望ましい。
統計用ソフトエア (Matlab, GNU Octave, R等)の、いずれか一つを使えることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「人間の感性」は、製品やサービスの魅力を決める要素である。人々の感性に合ったものだけが売れる商品となる。しかし、それは個人差が大きく法則化しにくい。むしろ個人や製品の多様性こそを活用する必要がある。感性的要素の調査や実験、制御には、一般の科学とは異なる特殊な工夫が必要であり、そのスキルの修得は実践を要する。
そこで本講義では、理論や技法を解説する授業とともに、各自がその知見を実際に用いて、感性の科学的な取り扱いを会得できるようにしたい。
各自が特定の商品・作品・社会現象を分析の対象に選び、その感性的要素の成り立ち・多様性・制御等を分析して、システムや作品、データ図鑑を作る等の、自分なりに実践し、レポートにまとめる。また、研究を進めるために必要な理論や技法を習得できるように、パソコン等ICTツールを活用した実習を実施する。
科目目的
現代の社会と経済を動かす大きな要素である、人々の多様な心理メカニズムを理解する理論と技法を学ぶことにより、社会に対して深い洞察を備えた、効果的な働きかけができる人材を育成することを目標とする。
到達目標
受講者が、感性の原理を学び、実践を通じて、感性的要素を科学的に取り扱う方法を習得することが目的である。また、感性に関わる研究を進めるために必要な理論や技法を学ぶと共に、習得した理論や技法を活用しながら、感性に関わる研究成果を論理的かつ体系的に纏めて記述することができることを目標とする。
授業計画と内容
<第1章:総論>
1.オリエンテーション。感性工学とは何か。個人の多様性をどう考えるか。刺激反応モデル
<第2章:感性工学と統計分析>
2.人間と製品と感性:4種類の尺度と、「名義尺度」の重要性
3.感性的要素の調和を考える:主観的等価値。ゲシュタルト性。
4.多様性の分析
5.主成分分析と因子分析
6.多次元尺度構成法
7.クラスタリングと分類木
8.統計検定の考え方と誤用 ブートストラップ法
9.感性的要素と人間行動の因果性
10.希少性と均質性に対する人間行動
11.希少性と多様性の統計学
12.ヒューマンインタフェースと感性
13.ヒューマンインタフェースと安全
<第3章:総括>
14.感性に関わる研究の展望
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各自は課題のための調査やレポート執筆を、授業時間外に進める必要がある。授業で習った分析技法を適用する題材を、自分の判断で見つけ、実施してみること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 授業で学んだ理論と技法を、実世界の課題に適応するなどの試みを通じて、自分なりに消化できオリジナリティが発揮できているかを評価する。 |
平常点 | 60 | 出欠に基づき評価する。授業各回の小テストの成績により、カウントする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題提出 40%、 平常点 60%
ただし、出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者はE判定とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
slack等のグループウエアを活用し、双方向性を高める。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
必須ではない参考書:
椎塚久夫編、『感性工学ハンドブック』、朝倉書店、2013年。
中田亨、『多様性工学』、日科技連出版、2022年。