シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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音楽認知 | 2024 | 前期 | 木2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 高岡 明 | タカオカ アキラ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-HI5-JN12
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
我々が音楽を聴く際、我々はどのように頭の中で音楽を処理し理解するか、現代の音楽理論研究の成果に基づき考察する。特に、音楽が音楽であるために必要な条件とは何か、現代の認知科学的な観点から考察する。授業では、現代の様々な音楽理論を学び、そうした理論の目的および有効性を実際の楽曲を分析しながら考察する。そうすることによって、個々の音楽作品がどのように構成され、それを我々はどのように認知するか理解する。
科目目的
音楽作品の構成要素および構成方法を理解する。音楽作品の処理過程を理解する。音楽的事象を自然言語で記述する際の問題点を理解する。音楽に関する知識の獲得方法および知識表現の特性とその問題点を理解する。
到達目標
音楽の構造、認知、意味、作曲、様式変遷などに関する現代の音楽理論を概観し、音楽認知に際してどのような要因が関与しているか考察する。音楽の様々な側面を理論的かつ学際的に考察することの重要性を理解する。
授業計画と内容
(1)「音楽と音楽研究の現在」今日の多様な現代音楽と音楽理論研究の現状を概観する。特に、コンピュータの出現によって大きく変わりつつある音楽的「創造性」の概念について考察する。
(2)「音楽の様式史 1」中世から19世紀までの音楽史を概観し、各時代様式の特徴を理解する。
(3)「音楽の様式史 2」20世紀以後の音楽史を概観し、各時代様式の特徴を理解する。
(4)「音楽の基礎 1」楽譜の読み方、音程、音階など、音楽の最も基本的な約束事を理解する。
(5)「音楽の基礎 2」和声、リズム、楽式などの基本を理解する。
(6)「調性音楽の生成理論」レナード・バーンスタインのレクチャーによって注目されたチョムスキーの生成文法の音楽への適用とその意義を理解する。
(7)「ピッチ・クラス集合論 1」現代の代表的な無調理論であるピッチ・クラス集合論の基礎を理解する。
(8)「ピッチ・クラス集合論 2」ピッチ・クラス集合論を用いてアントン・ウェーベルンの 「ピアノ変奏曲」を分析し、無調音楽のピッチの構成法を理解する。
(9)「音階組織の代数学」ダイアトニック音階の代数学的構造と認知との関係を分析し、ダイアトニック音階が西洋音楽で1000年以上使用され続けている理由を理解する。
(10)「カテゴリー形成と帰納論理」新しい音楽的対象、理論、様式がどのように形成されるか考察する。
(11)「音楽と隠喩」音楽的対象を言葉で指示することの問題点および我々の音楽理解に対する影響を分析する。
(12)「音楽の意味論」ある特定の形式のみがなぜ多用されるのか、その理由をローベルト・シューマンの「ピアノ四重奏曲」を分析しながら考察する。
(13)「コンピュータによる音響合成」1950年代後半に始まったコンピュータによる音響合成および音響処理の方法とその音楽にもたらす影響を概観する。
(14)「コンピュータによる自動作曲」コンピュータによる自動作曲研究の方法と成果そしてその意義を理解する。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業内容を十分復習すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業内容の理解度および考察の独自性 |
平常点 | 50 | 授業時間中の議論への貢献度 |
成績評価の方法・基準(備考)
最終課題50%、クラス・ディスカッション50%
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書は使用しない。随時プリントを配布する。
その他特記事項
音楽の専門的な知識は必要としない。受講者の音楽の習熟度に合わせて授業を行うので、授業の進度は必ずしもシラバスの授業計画どおりとはならない場合がある。
毎回の授業は、授業参加者による議論が中心になるので、できる限りビデオ・カメラをオンにして授業に参加すること。