シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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生命保険数理 | 2024 | 後期 | 木3 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 山田 健太 | ヤマダ ケンタ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-AI5-RC39
履修条件・関連科目等
以下に挙げられる知識が望まれますが、それらがなくとも十分理解できます。
基礎的な数理統計の知識
・統計学(平均や分散などの統計量、確率分布などに関する基本的な知識および技能)
・数列の計算
基本的なExcel操作の経験
・基本的な操作方法の理解
・基本的な関数とその利用
※パソコン操作に慣れていることが望ましいですが、本講義の中で解説していきますので、事前知識が無くてもかまいません。
※保険数理に関する事前知識はなくとも問題ありません。
※アクチュアリー試験の類題を扱うこともありますが、受験した経験・受験予定等無くとも問題ありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
講義は生命保険数理を中心に行います。
金利計算と生命表にはじまり、保険料および責任準備金の計算、それらを踏まえた利源分析や将来収支分析とその解釈、剰余の分配のあり方、商品開発やALMにおける留意点を学んでいただきます。
また、実際に基数表や将来収支シミュレーションなどをExcelで構築し、その分析や解釈も行っていただきます。
さらに、アクチュアリー試験の生保数理や生保1、2の試験問題またはその類題を題材として、実務上考慮すべき事項に触れながら論旨の解釈を行います。
なお、業界のトピックス(生命保険数理に関連する現行の法規制、統合的リスク管理(ERM)の進展、国際会計基準や経済価値ベースのソルベンシー規制の動向といった環境の変化、および生命保険会社におけるデータサイエンス関連技術の活用など)についても、授業内容と関連する話題をピックアップしながら適宜お話しいたします。
科目目的
保険事業は確率と統計に基づいて運営されている事業であり、アクチュアリーはその根幹に携わる専門家として重要な役割を担っております。
この科目は、カリキュラム上の副専攻科目として位置付けられていることから、アクチュアリーという職種に興味のある学生に生命保険数理の基礎と実務上の留意点を学んでもらうとともに、Excelを用いた演習や会社見学などを通じてアクチュアリーの仕事を体感してもらうことを目的としています。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・伝統的な保険商品について簡単な収支計算まで行えるようになること。
・各種パラメータに基づく分析を行い、それを解釈し、言葉で表現できるようになること。
・実務上必要となる基本的なExcelスキルを習得すること。
・生命保険数理の会計的な意義や実務上の留意点等について触れることによって、アクチュアリーという仕事に対するイメージを掴んでもらった上で、今後のアクチュアリー試験や就職活動等に活かす場合にはその足掛かりとすること。
授業計画と内容
(1)アクチュアリーが担う役割と今後の展望
(2)金利計算
(3)生命確率とその基本的な性質
(4)生命表とその活用(標準責任準備金制度の概要等を含む)
(5)一時払純保険料
(6)平準払純保険料 、エクセル演習【基数表の作成、純保険料の計算】
(7)一時払契約の責任準備金
(8)平準払契約の責任準備金、エクセル演習【責任準備金の計算】
(9)営業保険料 、エクセル演習【営業保険料の計算】
(10)責任準備金の再帰式
(11)利益が発生する仕組み(財務諸表と利源分析) 、エクセル演習【保険料の分解、利源分析、将来収支分析】
(12)生命保険会社の実務【商品設計上の留意点】
(13)生命保険会社の実務【ALM】
(14)課外研修【会社訪問】、アクチュアリーのプロフェッショナリズムについて
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業内容の復習を中心に行ってください。
・各回において配布するレジュメの末尾に基本的な関係式の証明問題や具体的な数値を用いた演習問題を用意しますので、余裕があれば解いてみるのも勉強になります。講義内でも実際の計算を行いますが、イメージが掴めない場合に解いてみると理解が深まりますし、アクチュアリー試験にチャレンジする上でも役立ちます。
・疑問点があれば、適宜講師まで気軽にお声掛けあるいはメール等にてご質問ください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | ・生命保険数理に関する基礎知識を理解した上で、基本的な関係式の証明、与えられた前提に基づく保険料率等の計算、各種パラメータに基づく結果の解釈ができるかどうかを評価します。 ・2回程度実施予定 |
平常点 | 30 | ・授業への参加 ・受講態度(質疑応答) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・個々人の理解度に応じて、メールにてフィードバックを行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
課外授業として職場見学(会社訪問)を予定しています。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
口頭での質問あるいはチャット等での疑問点の書き込みに対し、適宜講義時間等に回答を行います。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【職歴】
2016年4月~2020年3月 富国生命保険相互会社 勤務
2020年3月~2023年3月 フコクしんらい生命保険株式会社 勤務
2023年4月~現在 富国生命保険相互会社 勤務
【実務経験の内容】
・経済価値ベースのソルベンシー評価(ESR)および規制導入に向けた検討、内部モデルの高度化等
・決算、予算策定業務(責任準備金等)
・統合的リスク管理(保険引受リスク、資産運用リスク等)
・ストレステストなどの将来収支分析業務
・ALM
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
生命保険数理の各単元において、下記の解説を含めます。
・財務諸表の理解とその活用(利源分析との関連等)
・資産運用や新契約募集など、保険数理上特に考慮すべき各種オペレーションとの関連(予定利率などのパラメータ設定のあり方等)
・現行の規制および将来想定される規制環境における取扱、意図および重要な差異
・その他実務上留意すべき事項
テキスト・参考文献等
講師にてレジュメおよび計算に必要なExcelファイル等を用意しますので、受講者は事前にテキストを用意する必要はありません。
<参考文献>
・アクチュアリー会試験テキスト「生命保険数理(上巻・下巻)」
・「生命保険数学の基礎 アクチュアリー数学入門[第2版]」山内恒人:東京大学出版会 2014年発行 ¥3,700(税別)ISBN 978-4-13-062919-5
その他特記事項
参考URL
メールアドレス:kenta.yamada.ad@fm.fukoku-life.co.jp