シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
統計学特論第二 | 2024 | 後期 | 火3 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 前園 宜彦 | マエソノ ヨシヒコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-PM5-1C22
履修条件・関連科目等
統計数学の内容を適宜復習しながら行うが、基礎的な事項を習得していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
順位に基づく推測から発展してきたノンパラメトリック法研究の最前線を紹介する。特に、中心極限定理とその精密化を一般的に議論し、パラメトリックな仮定が成り立たなくても妥当性を持つことが多いことを学習する。その後、データを繰り返し利用して推測の精度を向上させる統計的リサンプリング法について解説し、その有効性を講義する。また滑らかな推測結果を与えるカーネル型推定について学習していく。特にパラメトリック推測との融合であるノンパラメトリック回帰について学習し、非負確率変数に付きまとう境界問題の最新の研究成果について解説する。これらは新しい研究成果を得る可能性のある話題である。
科目目的
統計科学における理論的な研究を行うための基礎的な道具について解説し,その利用法を身に着けることを目指す.
到達目標
データを解析するときには必ず統計手法を使っており、生命科学、金融、保険数理、品質管理、などの様々な分野で利用されている。また近年はデータ・サイエンスというキーワードが注目を浴びて、データ解析を適切に行うことができる人材が必要とされている。この講義では統計学特論第一の講義を踏まえて、まず標本数を増やした時の漸近理論を紹介し、汎用性の高いノンパラメトリック法の理論的性質を解説する。最終的には既存のソフトで解析を行うことだけに満足せず、データ解析の背景にある統計推測の理論的な性質を理解し、解析結果の適切な解釈ができるようになるとともに手法の改善を行えるようになることを目指す。
授業計画と内容
第1回 確率不等式の復習;マルコフの不等式、チェビシェフの等式、イェンセンの不等式等
第2回 密度関数のノンパラメトリック推定;ヒストグラム、漸近平均二乗誤差、最適ビン幅
第3回 カーネル型密度関数推定;カーネル関数、バンド幅、漸近平均二乗誤差
第4回 密度関数推定量の漸近的性質;最適バンド幅、漸近正規性、エッジワース展開
第5回 クロスバリデーション;バンド幅の決定法
第6回 バイアスの縮小;高次カーネル、べき乗変換の利用
第7回 多次元密度関数の推定、次元の呪い
第8回 漸近平均二乗誤差、バンド幅の選択、境界問題
第9回 分布関数のカーネル型推定;漸近平均二乗誤差、べき乗変換によるバイアス縮小
第10回 順位検定の連続化;分布関数推定量の利用、コルモゴロフ・スミルノフ検定
第11回 密度比の推定およびハザード関数のカーネル型推定
第12回 ノンパラメトリック回帰:ナダラヤ・ワトソン推定、シングルインデックスモデル
第13回 非負確率変数のカーネル推定、境界問題
第14回 各種のリスク測度のカーネル型推定とその応用
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
適宜配布する講義資料を復習し、重要事項を整理しておく。関連する演習問題を解くことによって、理論・概念をより深く理解するとともに、講義中に指定する参考書、論文を読んで、幅広い知識の習得と応用力を身につけるようにする。また、解析法をプログラム化して計算機技術の習得に努める。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 50 | 講義終了後に講義内容に関連したレポート課題を与え,その解答により評価する. |
平常点 | 50 | 講義への出席状況と,講義内容についての質疑応答に基づいて評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題レポートに出席状況、平常点を考慮して、総合的に評価する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
講義内容に関する事項をまとめたプリント、資料等を適宜配布する。
参考書としては
「ノンパラメトリック統計」前園宜彦著、共立出版(2019)
「統計的推測の漸近理論」前園宜彦著、九州大学出版(2001)
があるが、自分の専門とするつもりの人には購入を進めるが必須ではない。