シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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高エネルギー加速器科学第一 | 2024 | 前期 | 木4 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 榎本 嘉範、遠藤 仁、河村 成肇、原田 健太郎 | エノモト ヨシノリ、エンドウ ヒトシ、カワムラ ナリトシ、ハラダ ケンタロウ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-MP5-2C30
履修条件・関連科目等
物理・化学・生物の諸分野における物性研究(原子や分子レベルの構造やダイナミクス)に興味があること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は高エネルギー加速器の開発を進めるとともに、高エネルギー加速器により放射光や中性子やミュオンを発生させ、最先端の物質構造科学研究を進めている。これら高エネルギー加速器開発や物質構造科学研究の最前線で研究を進めているKEK教員が中央大兼任講師となり、「高エネルギー加速器と放射光」「中性子科学」「ミュオン科学」それぞれの分野における最前線の現状や基礎知識そして応用例について講義を行う.①「加速器Ⅰ」加速器の原理、特徴と利用法、加速器を構成する要素、将来に向けての展開・開発について講義を行い、最後に放射光利用について紹介する。②「加速器Ⅱ」線形加速器を題材に粒子の加速について解説し、世界中の様々な加速器について紹介する。また種々の粒子源についても解説する。③「中性子科学」中性子の発生、散乱原理、計測方法について講義を行い、中性子散乱を用いた物性研究について概説する。④「ミュオン科学」ミュオンを用いた科学全般を概観する。宇宙ミュオンなどを用いた非加速器実験からJ-PARCなどの大型加速器施設で行われているミュオンを用いた物性、素粒子原子核実験を最先端の例を具体的に挙げながら解説する。
科目目的
「多様な物理現象を支配する物理学上の普遍的な基本原理を理解しそれらの基本原理を物理現象の解明に応用することができる専門的な力」を身につけるための基礎的な知識と計算能力を修得することを目的とする。特に現代物理学の基礎の一つである高エネルギー加速器科学の基礎的な理解を目的とする。
到達目標
世界各地の大型加速器施設では、高エネルギー加速器利用により量子ビーム(放射光・中性子・ミュオン等)を発生させ、これらを用いて原子レベルから高分子・生体分子レベルにいたる幅広いスケールの物質構造とその機能を解明する物質構造科学研究を推進し、現代の物質研究、材料研究、生命研究等の広範な科学全体をリードしている。本科目では、物質構造科学や高エネルギー加速器開発の最前線研究の現状を知ること、且つ、この分野での基礎知識を学ぶことを目的とする。
授業計画と内容
(1) 「加速器Ⅰ:原田」 加速器とは何か、衝突型加速器
(2) 「加速器Ⅰ:原田」 加速器の医療、産業応用、光源加速器
(3) 「加速器Ⅰ:原田」 光源加速器と放射光利用実験
(4) 「加速器Ⅱ:榎本」 線形加速器の基礎
(5) 「加速器Ⅱ:榎本」 線形加速器の実例
(6) 「加速器Ⅱ:榎本」 粒子源
(7) 「中性子科学:遠藤」 中性子散乱の基礎
(8) 「中性子科学:遠藤」 中性子回折法による構造解析
(9) 「中性子科学:遠藤」 中性子分光法によるダイナミクス研究
(10) 「中性子科学:遠藤」 中性子散乱法による物性研究
(11) 「ミュオン科学:河村」 ミュオンとは? その発生と計測
(12) 「ミュオン科学:河村」 負電荷のミュオンを用いた研究
(13) 「ミュオン科学:河村」 正電荷のミュオンを用いた物性研究
(14) 「ミュオン科学:河村」 ミュオンを用いた素粒子物理
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義の内容で未消化の部分や疑問点を、次回の講義で質問できるよう明確にしておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 講義で解説した内容に関する基礎的な問題を自力で解くことができるかどうかを評価します。 |
平常点 | 20 | 授業への参加・貢献度・受講態度の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点、レポートによる総合評価
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
講義を実施する教員は、全員、高エネルギー加速器研究機構で専門分野として研究に従事している教員である。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
講義内容が、教員が実際に研究している専門分野の内容である。
テキスト・参考文献等
「量子ビーム物質科学」KEK物理学シリーズ、共立出版
「物質科学の基礎」KEK物理学シリーズ、共立出版