シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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構造物の安全性・信頼性 | 2024 | 前期 | 木2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 佐藤 尚次 | サトウ ナオツグ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-CV5-3C16
履修条件・関連科目等
学部・大学院共通科目として開講するので、大学院科目としての履修条件はなし。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
前半では、塑性解析を集中的に取り扱う。構造力学の延長、あるいは応用的な内容を含んでいるが、限界状態の性格分類や、設計の特質といったこととも結びつけて論じる予定である。単純塑性解析を講義することで、弾性限界状態、塑性限界状態の比較、特徴づけなども視野に入れる。
後半では構造物の事故例(映像も含む)や、事故の分析レポートなどの学習を通じて、その背景にある考え方の整理を行っていく。ルールへの反映、技術開発への反映といったことにも触れる。(失敗学的知見の重要性を知ることもポイントである。)
科目目的
実際の構造物の事故や災害被災事例などと関連付けて安全の問題を解説し,また信頼性評価についても入門的な説明を行う.学部・大学院共通科目であり,学部卒業生にとっても,事故事例の分析や構造物に大きな被害が発生する要因について学ぶことは,実務に臨むうえで極めて有益である.それに加え,本授業では大学院科目の「性能設計」「構造信評価」(それぞれ隔年開講)を学ぶ上で,重要な基礎を提供するものともなっている.
到達目標
「機能とデザイン」では構造力学と設計の橋渡しを目的としていたが、この講義ではさらに「力学の計算」「設計の条件式」と、その背景にある安全性確保の考え方の橋渡しを目的とする。
「試験で確認する到達目標」は、キーワードの理解、考え方の理解、簡単な例題の解法の習得などであるが、「単位修得後に身についていることへの到達目標」は、行政の基準策定部署、企業の設計部署、施工・維持管理・マネジメントなどの広い職場において、ルールの意義や安全性への注意などの話題に、ただちに反応できる「即戦力性」である。学部・大学院共通科目であって、基礎のおさらいではなく、少なくとも3年次までに身につけたもののさらに上を行く応用的な科目を目指す。
授業計画と内容
第1回 限界状態と塑性解析(1) 材料の塑性、合成柱の例
第2回 限界状態と塑性解析(2) 弾性限界状態と塑性限界状態
第3回 限界状態と塑性解析(3) 塑性ヒンジとメカニズム
第4回 限界状態と塑性解析(4) 上界定理によるラーメンの塑性解析
第5回 限界状態と塑性解析(5) 地震時限界状態と塑性解析
第6回 塑性解析のまとめと演習
第7回 弾性設計と塑性設計 ルールの合理化、不確実性への対処
第8回 構造物の事故と教訓(1) 写真や映像で見る事故例
第9回 構造物の事故と教訓(2) 過大な作用による事故(想定内と想定外)
第10回 構造物の事故と教訓(3) システム不安定
第11回 構造物の事故と教訓(4) 材料、劣化、ディテール
第12回 信頼性設計の意義 要求される安全性の水準、経済性とのバランス
第13回 信頼性設計の意義 破壊(故障)時コストの概念
第14回 信頼性設計の意義 システムの評価、リダンダンシー
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
塑性解析、構造物の事故例、信頼性設計のそれぞれの項目でレポートを課す。毎回講義ノートを必ず見返してくるのは当然であるが、特に塑性設計では、構造力学や機能と演習で学んだ弾性解析・設計との比較の復習をすることが重要。授業中に触れたキーワードは必ず検索して知識を深めることが求められる。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 90 | 備考欄参照のこと |
平常点 | 10 | 備考欄参照のこと |
成績評価の方法・基準(備考)
塑性解析,著名事故の分析,信頼性設計法の基礎それそれについてレポートを課し,総合評価する.それぞれの重みは塑性解析30%,著名事故の分析40%,信頼性設計法の基礎20%で,その他授業への取り組みと日常の講義でのディスカッションを含めた平常点も10%の重みを加える.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考書:中井博・北田俊行 「新編 橋梁工学」 (共立出版 3,800円)
西野文雄・長谷川彰夫 「新体系土木工学7 構造物の弾性解析」 (技報堂出版 5,900円)
伊藤学・尾坂芳夫 「土木工学大系15 設計論」 (彰国社 3,300円)
星谷勝・石井清 「構造物の信頼性設計法」 (鹿島出版会 2,900円)