シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大気科学 | 2024 | 後期 | 金3 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 木口 雅司 | キグチ マサシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-CV5-3C26
履修条件・関連科目等
基礎的な物理学および地理学の知識を有し、できれば、流体力学の初歩の知識を有することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
地球をシステムとして捉え、それを構成する様々な循環の構造と意味を説明する。そのうえで、大気と水に着目して、物理法則などに基づきつつ、観測や数値計算による証左を用いながら、社会にとって大きなインパクトをもつ水資源にかかわる降水現象に至るまでの過程の理解を図る。
上記を理解したうえで、私たちの社会で発生する気象・水関連災害の概要を理解し、さらに近年グローバルイシューの一つとなった気候変動を正しく理解しその社会へのインパクトを概観しつつ、第二次世界大戦からの経済復興と環境問題の潮流を知り、将来私たちが取りうる社会について考える素地を獲得する。
科目目的
この科目での目的は、以下の2点です。
・地球システムを理解し、身近な大気水循環について、深く広く情報収集に努め、取捨選択した上で、知識やノウハウを習得し、関連付けて活用することができる「知識獲得力」を養うこと。
・獲得した知識を用いて、気象・水関連災害や、気候変動について、その背景や科学的見地に立った理解を身につけること。
到達目標
この科目の到達目標は以下の点です。
・私たちが暮らす地球のシステムを知り、その大気の誕生や水の特殊性を知ることで、地球に対する興味を持つこと。
・地球システムを構成する大気水循環やそれに伴う対流活動や降水現象が、物理学の基礎的方程式によって説明可能であることを理解し、これまで学んできた物理学に限らない他分野においても方程式によって世界を説明できること。
・私たちの社会が直面する、大気・水関連災害や気候変動を知ることを通じて、将来どのような課題が想定され、そしてそれらの解決方策を試行し、よりよい社会を構築することに貢献できる能力を獲得すること。
授業計画と内容
第1回 はじめに:私たちの地球システム
第2回 気候システムの概要:その1 地球の様々なシステム
第3回 気候システムの概要:その2 大気の誕生と大規模な大気の運動
第4回 気候システムの概要:その3 大気水循環システム
第5回 大気水収支と太陽放射
第6回 気象熱力学:その1 基礎方程式と大気の安定性
第7回 気象熱力学:その2 対流活動
第8回 気象熱力学:その3 降水過程
第9回 自然災害:その1 自然災害とは
第10回 自然災害:その2 気象・水関連災害
第11回 気候変動:その1 気候変動とは
第12回 気候変動:その2 気候変動の私たち社会への影響
第13回 気候変動:その3 戦後の環境問題の潮流
第14回 総括・まとめ・到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業中に集中して内容を理解することが第一の目標だが、そのためにも、できれば、事前に、manabaにある資料に目を通し、概要を知った上で授業を受けることが望ましい。また、参考文献リストも資料に記載するので、より深く知りたい場合はそれらに手を伸ばすことも理解を深める一助になると期待する。
授業中にわからない点があった場合は、質問するか、もしくは、提出物に記述すること。提出物に記述した場合は、次回に返却された内容を読み、それでもわからない点などは、さらに質問したり、自分自身で調べたりすることで、疑問を持ち越さないようにすること。
毎回の提出物は次の回に原則として返却し、理解度チェックの項目についてはその説明を行うので、そのときによく内容を理解すること。
第14回に到達度確認のための論述課題を課す。資料の持ち込みは可としているので、講義で配布された資料や参考文献だけでなく、興味を広げるために自分で関連書籍を探してみることも幅広い視野の獲得に資するので、推奨する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 60 | 講義内容を理解したうえで、正確な知識を基に論理的に文章を書くことができているかを基準とする。 |
平常点 | 40 | 毎回の講義終了後に、簡単なアンケートなどを記述してもらい、講義への参加度を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回、manabaのアンケート(理解度のチェックのためのテスト、講義の感想、前提知識の調査など)を提出してもらい、それにもとづいて平常点をつける。また、到達度確認のため、論述課題を最後に提出してもらう。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
各回の講義後に提出する課題の内容や質問に基づいて、多くの学生に説明することが適当と思った事柄に関しては、追加の説明を行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
講義終了後のアンケートの提出を通じて、各回の講義の理解度をチェックし、さらにその知識を用いて短い論述を課すことで、理解度の向上を図る。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業では、毎回資料を作成配布し、それに基づいて説明する。
参考になるものは、一般の教養課程むけの気象学の教科書で、小倉義光著『一般気象学 第2版補訂版』東京大学出版会 2016年 3,080円が挙げられる。なお、荒木健太郎著『雲の中では何が起こっているのか 』ベレ出版2014年1,870円など気象に関する様々なトピックを扱った読みやすい本も多くあり、参考になる。