シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際教養D | 2024 | 前期 | 月2 | 経済学部 | 亀井 伸治 | カメイ ノブハル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-IF1-78DX
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識のみならず、社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の諸現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ: 物語の中の物語 — 枠物語の文学史
内容:小説で、登場人物が別の人物に何らかの話を語ったり、日記や書簡といった別のテクストが挿入される。あるいは、複数の文書が編集されたという形で提示される小説。—演劇における「劇中劇」のように、テクストが内部に別の独立したテクストを蔵して入れ子構造になった作品は、文学史上にしばしば見られます。こうした構造を備えた物語は、一般に「枠物語」と呼ばれています。 枠と枠内の関係がどんなものか、枠内テクストの語りが信頼し得るものか、そうでないのかなど、枠の設定や性質によって枠物語はいろいろな機能を持つことができ、また、読者にさまざまな効果を与えることができます。
この講義では、作中にその全体と同一内容のテクストが登場する「紋中紋手法」にも言及しつつ、古典から近・現代の小説まで枠構造を持った内外の様々な文学作品を紹介・考察します。
科目目的
歴史的・文化的背景など多角的な観点から欧米の文学・藝術について学び、知識と解釈力を高めると同時に、より広い領域への知的関心を培います。
到達目標
文学作品は単独で成立している訳ではなく、作品やジャンル同士の間、あるいは、作品を取り巻く思想や社会などとの間には複雑な関係が存在しています。ここでは、「枠物語」という共通の、しかし、様々なヴァリアントのある構造を持った諸作品を分析・比較することによって、社会と文化の様相を総合的に考察する力を習得します。
授業計画と内容
第1回:講義全体の概説:枠物語とは何か
第2回:近代以前の古典的作品:『千夜一夜物語』『デカメロン』『カンタベリー物語』など
第3回:枠構造の具体的な使用例の提示:映画『真夜中(夢の中の恐怖』』(1945)
第4回:枠物語と幻想文学:ヤン・ポトツキ伯爵『サラゴサで発見された手稿』(1805)など
第5回:E. T. A. ホフマン「ヴァンピリスムス」(1821)1:枠と挿話の関係
第6回:「ヴァンピリスムス」2:物語の中の物語の機能
第7回:ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』(1898)1:作品の構成と内容
第8回:『ねじの回転』2:枠内物語の映像化(ジャック・クレイトン『回転』1961)
第9回:『ねじの回転』3:作品についてのさまざまな解釈
第10回:紋中紋手法(象嵌法)について:アンドレ・ジッドによる提起
第11回:リフレクトする物語:リュシアン・デーレンバックによる考察
第12回:紋中紋手法を用いた作品:ジャン・リカルドゥによる考察
第13回:E. T. A. ホフマン『ブランビラ王女』(1820) と紋中紋手法
第14回:補足と全体のまとめ
(採り上げる作品の順番や内容を変更することがあります。)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業で紹介・指示した文学作品、および、それらについての研究を読むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 90 | 学期末に講義内容に沿ったレポート課題を出します。 |
平常点 | 10 | 受講態度(積極的に質問する、自身の見解を述べるなど)全般から判断します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間内で、内容に関する質問と、それに対する解説の時間を設けます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考文献については、授業毎に適宜、指示します。また、必要に応じて、内容に沿ったテキストや資料を、基本的には manaba を通じて配布します。ただし、授業の進行の都合によっては、教場でプリントアウトしたものを配付することもあります。
さらに、枠物語の映像化や枠構造を用いた映像作品も参考資料として教場で見てもらうことがあります。
その他特記事項
文学・美学・藝術分野一般に深い関心を抱いている学生諸氏の授業への積極的な参加を期待します。