シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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理論化学特論 | 2024 | 前期 | 火3 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 森 寛敏 | モリ ヒロトシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-BC5-6C08
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
過去10年に量子化学は大きな進歩を遂げ、有機化学・無機化学・生化学・創薬化学・材料化学など化学の幅広い研究分野において、分子軌道計算は必須な技術となった。この授業では,現代の高精度分子軌道の成り立ちをその開発の歴史を振り返りつつ議論する。
理論化学を「応用化学」に真に適用するには、物理的な数式を使用した深い理解が必要となる。そのため、本講義では目標達成のため、プレゼンテーションを課す。学部レベルの物理化学(量子化学・熱力学・統計力学)および線形代数・微分積分は習得済みである前提で講義を実施する。
科目目的
近年、量子化学計算は、物理化学分野はもちろんのこと、有機化学・無機化学・生物化学・化学工学など、あらゆる化学分野の研究開発で用いられるようになった。本講義はそのような時代背景を受け、応用化学専攻で「理論化学を専門的に学ぶ学生を対象として」、量子化学計算の How to ではなく、理論的背景を掘り下げて議論する。
到達目標
近年の分子理論の発展,それに伴うコンピュータの高速化・並列化技術の向上,プログラム整備により,量子化学計算は一つの化学・生物化学実験解析ツールとしての地位を築いた。量子化学計算のテクニックを定着させるには,その理論的背景の理解が不可欠である。本講義では、14回に亘る講義を通じて,量子化学理論の基礎となるHartree-Fock 理論から,電子相関を考慮した高精度 ab initio 分子軌道理論までを学ぶ。
授業計画と内容
第1回 線形代数 1
第2回 線形代数 2
第3回 多電子波動関数と演算子 1
第4回 多電子波動関数と演算子 2
第5回 Hartree-Fock近似 1
第6回 Hartree-Fock近似 2
第7回 電子相関1(配置間相互作用法 1)
第8回 電子相関1(配置間相互作用法 2)
第9回 電子相関1(配置間相互作用法 3)
第10回 電子相関2(クラスター展開法 1)
第11回 電子相関2(クラスター展開法 2)
第12回 電子相関3(摂動法 1)
第13回 電子相関3(摂動法 2)
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義中に受講者は演習課題の内容をプレゼンテーションすることが求められる。質疑応答を通じ、量子化学理論の詳細について理解を深める。必然的に指定教科書の事前の読み込み・演習課題への取り組み・プレゼン資料作成が必要となる。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 指定教科書の演習問題を解き、プレゼンテーション+質疑応答を行う。講義時間で消化しきれない問題は、レポート課題として提出する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
新しい量子化学―電子構造の理論入門
Attila Szabo (著), Neil S. Ostlund (著), 大野 公男 (翻訳), 望月 祐志 (翻訳), 阪井 健男 (翻訳)