シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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社会と環境 | 2025 | 前期 | 土2 | 経済学部 | 宗像 慎太郎 | ムナカタ シンタロウ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-PB3-83XX
履修条件・関連科目等
特別な専門知識は必要としませんが、経済学部の講義として、需要・供給曲線や均衡理論の基本的な考え方に、ある程度は言及します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
社会の発展に従い環境制約が発生する構造、そしてそれを社会問題として扱う結果となる構造を理解する。 また環境問題解決に向け、トレード・オフ関係を生じること、合意形成を要すること、リソースの動員に様々なスキームを活用することを、体系的に理解する。
科目目的
社会構成主義の立場から、環境問題を巡り何故社会論争が続くのか、環境政策の実践が何故困難なのか、を理解することを目的とする。
到達目標
上記の科目目的達成のために、以下の目標を設定します:
①基本的な環境問題について、その内容を理解する。
②基本的な環境対策について、その内容を理解する。
③環境問題とその対策を巡る、社会的な利害対立について理解する。
授業計画と内容
1. 冒頭 講義のガイダンス
1. (ガイダンス後) 環境問題の概観
1) 環境問題に関連した事象・現象
2) 環境問題としての整理
3) 本講義で問うていくこと
2. 環境問題の歴史1:公害
1) 前近代
2) 衛生問題(生活公害)
3) 産業公害
4) 都市公害
5) 公害とは
3. 環境問題の歴史2:地球環境問題
1) 1972年の主要動向
2) 1992年、リオサミット
3) 2002年、ヨハネスブルクサミット
4) 主要な国際条約
4. 環境問題のモデル化
1) エコロジカル・フットプリント
2) 物質収支モデル
3) 解決を妨げる社会構造のモデル
5. 環境問題と南北問題
1) 歴史的経緯
2) 争点
3) 環境クズネッツ曲線
6. 環境対策の一般的枠組み
1) 環境政策開発のモデル
2) 主要なプレイヤー
7. 各論:大気汚染
1) 観測された事象(歴史的経緯)
2) 原因と考えられる社会活動
3) 観測事象から派生する環境への影響
4) 社会への脅威
5) 主な対策
8. 各論:水質汚濁
1) 観測された事象
2) 原因と考えられる社会活動
3) 主な対策
9. 各論:廃棄物問題
1) 観測された事象
2) 原因と考えられる社会活動
3) 観測事象から派生する環境への影響
4) 社会への脅威
5) 主な対策
10. 各論:気候変動① その「発見」と問題化
1) 観測された事象
2) 原因と考えられる社会活動
3) 観測事象から派生する環境への影響
4) 社会への脅威
11. 各論:気候変動② 気候変動対策と論争
1) 主な対策
2) 気候変動論争
3) IPCCの設立とその成果
12. 各論:生物多様性
1) 観測された事象
2) 原因と考えられる社会活動
3) 主な対策
13. 各論:海洋汚染
1) 観測された事象
2) 原因と考えられる社会活動
3) 観測事象から派生する環境への影響
4) 社会への脅威
5) 主な対策
14. 総括:環境汚染と対策は、如何に社会問題となるか。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
中央大学学則第 33 条では、2単位に要する総学習時間を、90時間と設定しています。そしてその内訳は:
・講義14回の受講を約30時間とみなし;
・講義外には約60時間(講義1回あたり約4時間)の学修をすること;
とされています。
講義前にmanabaでレジメを示します。シラバスと併せ、事前にその内容をよく読み、不明点や自分なりの関心事を明らかにしたうえで、講義に臨んで下さい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 40 | 環境問題を巡る対立構造の理解 40% |
期末試験(到達度確認) | 60 | 基本的な環境問題に関する理解 30% 基本的な環境対策に関する理解 30% |
成績評価の方法・基準(備考)
・中間試験は、第13回講義までに、1回または複数回に分けて、前週までの内容に基づき、実施します。
・全ての試験は筆記試験です。必ず自身の筆記用具を持参して下さい。
・全ての試験において、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンの使用を禁止します。辞書としての使用も認めません。これに違反した者はカンニングとみなし、処分します。
・全ての試験において、会話を含む通信を認めません。これに違反した者はカンニングとみなし、処分します。
・全ての試験において、ノート、印刷物などの閲覧を認めません。これに違反した者はカンニングとみなし、処分します。
・全ての試験において、その回講義の途中入室は認めません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
講師略歴
1998年3月 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 修士(理学)
1998年4月~2022年3月 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部主任研究員。官公庁における環境・エネルギー政策の立案支援の他、企業の環境活動に関する調査・コンサルティング・評価を担当。
2006年3月 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 博士(学術)
2022年4月~現在 エネルギー企業において、政策渉外及び各種エネルギービジネスの事業化を担当。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
環境・エネルギー問題では、法規制等の政策と、企業による経済活動が密接に関連しています。講師は長年にわたり、ときには立法・行政の立場から、ときには企業の立場から、この問題に直接、関与してきました。本講義ではこの経験を、経済学の基本的な知見に結び付けて、解説いたします。
テキスト・参考文献等
参考文献・資料は都度紹介します。
いずれも電子ファイルで、manaba上で配付します。講義の際には、プロジェクタで投影して使用します。