シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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情報ネットワーク構成特論 | 2024 | 後期 | 木3 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 牧野 光則、石井 旬、伊東 武、榎本 真、後藤 泰之、小林 敦、鈴木 優、趙 晋輝、中川 靖士、名雪 | マキノ ミツノリ、イシイ ジュン、イトウ タケシ、エノモト マコト、ゴトウ ヤスユキ、コバヤシ アツシ、スズキ マサル、チョウ シンキ、ナカガワ ヤスシ 他 | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-PI5-8C82
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
情報ネットワークの定義、運用、取り巻く環境、課題に関して、産業界の実状を延べ14名の企業講師により紹介・解説する。授業は座学のほか、一部の回にてグループワーク・討論等の双方向型で実施する。
科目目的
広義の情報ネットワークとその応用システムの定義、技術、運用、取り巻く環境、課題に関して、産業界の実状を理解し、的確に評論できる知識と活用能力を習得する。
到達目標
広義の情報ネットワークの定義、技術、運用、取り巻く環境、課題に関して、産業界の実状を理解し、その内容を的確に記述し、かつ、問題点・疑問点を明らかにできる。
授業計画と内容
・順番は変更になる場合がある。9月1日に最終版をmanabaにて発表する。
第1回:渡辺 友樹 画像認識技術
画像認識技術は安全安心を始めとした様々な産業分野でコア技術になることが期待されている。コンピュータビジョンやパターン認識技術のITSやセキュリティ等での具体的な適用事例を通し、画像認識技術の基礎的な知識と最近のトピックスについて解説する。
第2回:鈴木 優 コミュニケーションAIの技術と応用
人とAIがコラボ―レーションするコミュニケーションAIの基盤技術、特に自然言語処理や音声処理の技術と応用について企業での製品化の体験と共に紹介する。
第3回:石井 旬 SNS分析を企業活動に活かす
ツイッターやブログ、消費者の関心事に特化したコミュニティや掲示板などのソーシャルメディアへのつぶやきや投稿を収集し、企業の商品やサービスの評判やニーズを分析するソーシャルメディア分析が、企業の注目を集めています。この講義ではこのソーシャルメディア分析の基本的な概念を再確認し、それを実現するテキストマイニングを中心とするテクノロジーの概要とそのエッセンスを抑えながら、実際の利用例や活用検討のためのフレームワークなどを元に企業活動での活用について学んでいただきます。
第4回:撫佐 昭裕 津波防災デジタルツインの実現
2011年の日本大震災の教訓のもと開発を行った世界初の津波防災デジタルツイン(リアルタイム津波被害予測システム)を紹介する。この講義では、システム開発は一人で行うのではなく、多くの有識者と協力して開発していくことが重要であることを示す。特に本デジタルツインはIT技術だけでなく、最先端の科学(地震学、津波工学)との融合が不可欠で分野間の研究者・技術者との交流例を示す。
第5回:山下 浩一郎 COVID-19における技術適用
COVID-19対策で行われたAIや通信技術など利活用して感染拡大を制圧した様々な技術について分析と解説を行い、システム設計や技術適用の実例にそって分析検証します。上海市では日本でも話題になっている健康QRコードを始め、過密化しない交通機関のラッシュコントロール、通学教育を凌駕するリモート教育システムなど、様々な業種や技術がクロスオーバーすることで一気に感染拡大を封じ込めました。これらの技術や取組みなどについて、電子情報通信学会誌で連載した技術解説記事をもとに解説を行います。また、ニュースなどでは見聞することのできない生の現場の声をお届けします。
第6回:町田 吉弘 宇宙機の軌道力学システム概説
人工衛星をはじめとする宇宙機を扱うシステムにおける土台となる技術が、宇宙機の軌道を計算し、将来の位置を予測する軌道力学である。軌道計算を正確に行うためには、時系、座標系、摂動といった宇宙空間特有のモデルが必要となる。講義では、宇宙機の軌道の種類や特徴、軌道に及ぼす摂動と呼ばれる外乱の種類や特徴、軌道計算といった軌道力学の基礎的な知識をできるだけ数式を使わずに説明する。
また、日本の宇宙開発が本格的に始動した1970年代初頭から今日に至るまでの、日本の宇宙開発の経緯と軌道力学技術の進展を関連付けて説明する。最近ニュースの話題に出ることもあるスペースデブリ、宇宙安全保障、衛星コンステレーション等についても、軌道力学の観点から見た特徴を中心に説明する。
第7回:榎本 真 人体に適用したセンサーデータ分析の実例
近年普及しているスマートウォッチなどの小型携帯機器に搭載されているセンサーからは膨大な量の情報が生み出されています。現状ではこれらのセンサーデータの活用はまだ十分に進んでいませんが、労務管理や健康管理への応用が広がりつつあります。フーリエ解析やウェーブレット解析などのディジタル信号処理技術を用いてセンサーデータを分析することで人間の動作や身体の状態を可視化したり、識別できるようになります。本講義ではディジタル信号処理の技術を簡単に紹介し、ディジタル信号処理技術におけるデータ解析の実際と応用事例として林業における作業識別による労務管理への活用を目指した研究を取り上げます。
第8回:横田 賀恵 データの価値を最大化する3つのポイント
「データ戦略が競争力に直結する時代」とも言われ、データサイエンスにより注目が集まっています。ただし、問題を解決してビジネス上の価値につながらなければ、いくら高度な計算をしても無駄になってしまいます。データをビジネス価値に変えるためには、目的や課題を明確化し、最適な手法による分析結果を素早く意思決定につなげることが重要です。様々なプロジェクトで得た知見をもとに、データの価値を最大化する3つのポイントをご紹介します。
第9回:名雪 健治 XR概説およびAIアバター関連技術の現状と可能性
メタバースという概念が広く認知され我々の生活に身近になりつつある XR について解説し、その中の一つの要素として chatGPT の普及に伴い有望なヒューマンインタフェースとして期待されているバーチャルヒューマン、AIアバター関連について、市場や業界動向、弊社BIPROGYの取り組みなどをデモを交えて解説する。
第10回:中川 靖士 IT人生30年の歴史と未来~インターネット・ユビキタス・拡張現実・感情コンピューティング~
情報通信技術の歴史をたどり、その当時の先端技術に対する調査・研究・実証実験などを通じて得られた知見を紹介する。企業での技術者・研究者としての振舞いや楽しさ(喜び)、キャリア形成について触れる。幅広い視点に立ち、IT業界の未来に貢献する考え方を共有する。
第11回:八巻 睦子 高齢社会を支えるテクノロジー
ジェロンテクノロジー、Agetechと呼ばれる高齢社会を支える技術に関する国内外の研究開発動向を紹介します。介護ロボットやIoT・AIによる高齢者の見守り、VRによる認知症ケア、デジタル・インクルージョン(高齢者自身のデジタル機器利用実態)等を取り上げます。講師が実践してきた介護現場での実証試験やユーザー調査等の事例を交え、今後の展望や課題を議論します。
第12回:後藤 泰之 量子コンピュータ最新動向
最近新聞やTVなどで、膨大な計算が一瞬で解ける、通信暗号が破られる、といった量子コンピュータの話題が取り上げられています。実際に、量子コンピュータの開発がどこまで進んでいるのか?またどんなことに使えるのか?について最新の動向をご紹介します。
第13回:伊東 武 ユーザー企業のDXを実現するアーキテクチャー
ITを使う立場であるユーザー企業がデジタル変革(DX)を実現していく上で考えていかなくてはいけないもの、技術等についてお話します。
第14回:小林 敦 OSS×クラウド
先進的な仕組みが最初にOSS(オープンソースソフトウェア)として世の中に出てくる時代である。無償で誰でも入手できるOSSだが、IT企業やユーザ企業では、無償を理由にOSSを採用するのではなく、ビジネス上の戦略的意図をもってOSSを扱うケースが増えている。また、スマートフォンの普及が進み、クラウドサービスも充実してきたことで、スタートアップ企業などがOSSとクラウドサービスを積極的に組み合わせ、俊敏性のあるインターネットサービスの提供、ひいては新たなビジネスを立ち上げる勢いとなっている。本講義では、IT企業やユーザ企業、サービス事業者らがどのようにOSSとクラウドサービスを活用しているか、どのようにビジネスに活かしているかを概観する。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講師氏名・講義題名・講義概要をもとに、インターネット等で事前調査を行うこと。また、講師から許可された場合には資料を電子的に事前配布されるので目を通し、少なくとも概要を理解した上で授業に臨むこと。この際、主要キーワードの事前調査や授業中に確認したい項目の整理等をしておくこと。授業後には学習内容を振り返り、未確認事項がないように、かつ、さらに生じた疑問を解決するよう追加学習をした上で、毎回講義後のリアクションペーパーや最終レポートに取り組むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 85 | 授業2回分のテーマについて、それぞれ中核となる知識・技術・運用を把握し、その将来性に関する調査を行い、それらに基づいて意見を的確に述べる。 |
その他 | 15 | 各回のリアクションペーパーにて、授業内容を正しくまとめ、かつ、疑問点・意見を明確に述べる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
レポート採点のめやす(100点満点として)
選択した講義内容各々に対する解答を以下の観点を基準に評価する:
[50点]
(1)、(2)、(3)について誤りなくかつ的確に記述されており、
(4)にて求めている調査が幅広くかつ深くなされていることが明らかな記述であり、
かつ、これに基づく自分の意見が論理的・明快であり、的を射た内容が記述されている。
全体を通じて卓越した論述であり、他の学生に対する模範となり得る。
[40点]
(1)、(2)、(3)について誤りなくかつ的確に記述されており、
(4)にて求めている調査が幅広くまたは深くなされていることが明らかな記述であり、
かつ、これに基づく自分の意見が論理的であり、概ね的を射た内容が記述されている。
全体を通じて優れた論述であり、他の学生に対して必ず到達してほしい例となり得る。
[30点]
(1)、(2)、(3)について誤りなく記述されており、
(4)にて求めている調査がある程度の広さ・深さでなされていることが明らかな記述であり、
かつ、これに基づく自分の意見がある程度論理的であり、主張の趣旨が理解できる記述である。
全体を通じて必要条件を満たす程度の論述であり、他の学生に対して好例として提示できない。
[0点]
(1)、(2)、(3)のいずれかに看過できない誤りがあり、
かつ、(4)にて求めている調査が不十分であり、結果として自分の意見も感想程度に留まるか、または誤った論証を展開している。
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※最終成績への寄与は85%である。すなわち、上記に基づく採点結果(1講義50点満点、2講義で100点満点)を0.85倍したものが最終成績に算入される。
※上記めやすに基づき、例えば1つしか講義を取り上げていない場合には最高で50点(最終成績算入は最高で43点)となる。
この場合、最終成績の15%を占める各回のリアクション(最終成績算入は最高で15点)の結果によらず科目不合格となり、単位は付与されない。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
講師は企業所属の研究者・技術者であり、情報ネットワーク及び関連技術・システムに関する深く数多い経験を有している。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
講師の業務内容または関連内容をもとに講義テーマが設定されている。
テキスト・参考文献等
各回に資料を配布する。なお、資料は講師や講師所属機関に著作権があるものが多いので、複写や譲渡等は厳に慎むこと。
その他特記事項
本科目は、一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の協力を得て、「JEITA IT講座」として実施する。
参考URL
https://home.jeita.or.jp/course/