シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ドイツ社会誌(1)(3) | 2026 | 前期 | 金3 | 文学部 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 1~3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT1-C503,LE-DT1-C505
履修条件・関連科目等
授業で取り扱う内容が関連しているため、履修者には後期科目「ドイツ社会誌(2)(4)」の受講も強く求める。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業概要:テーマ「神なく預言者なき時代」の処方箋?ポイカート『ウェーバー 近代への診断』を読む(前半)
本授業は、ドイツの近現代史研究、とりわけ近代「合理性」とホロコーストとの関係を考究し続けたデートレフ・ポイカート(Detlev Peukert, 1950-90)によるマックス・ウェーバー(Max Weber, 1864-1920)論の前半部を取り上げ、これに註釈を施しながら、ポイカートがウェーバーのテクストから何を読み取り、また自らの歴史研究に活かしていったのかということについて考えることとしたい。授業の性格上、履修者が下に指定するテクスト(毎回の授業の該当箇所)を予め読んでおくことが前提となる。また取り上げる書籍の後半部については、後期科目「ドイツ社会誌(2)(4)」で扱うので、履修者には年間を通じて受講することが強く要請される。
よく知られている通り、ウェーバー自身はナチズムの台頭を見ることなくこの世を去ったため、彼自身がヒトラーと直接対峙することはなかった。しかしウェーバーが残した膨大なテクストには、その後の全体主義的体制やホロコーストの問題を考える上で、示唆に富む部分が多数存在する。ポイカートはウェーバーのテクストに取り組み、これと格闘することで、本来人々に幸福をもたらすはずだった近代合理主義が、残酷な「絶滅政策」へとつながるパラドクスを明快に描いてみせた。
この授業では、そうした近代科学や合理主義の問題を取り上げながら、我々の生きる21世紀の世界に「ホロコースト的なもの」の残滓がないのかを考えていきたい。
科目目的
本科目は、ポイカートによる「マックス・ウェーバー論」を読みながら、「近代」の意味を問うことを目的とする。人文・社会科学の研究において、書かれたテクストを正確に理解し、自ら新たな問いを発するということは、どのような分野であれ重要である。従って本科目の履修は、将来卒業論文や卒業研究を執筆するにあたって有益な視座を与えてくれるに違いない。
到達目標
本科目では、主に歴史学研究の手法や方法論を学び、人間社会に対する深い理解と広範な知識の修得を目指す。そして自ら問いを立て、他者との議論を通じて新たな知を創造することを最終的な到達目標とする。
授業計画と内容
第1回 導入:マックス・ウェーバーとデートレフ・ポイカートについて
第2回 I. 序論「神なく預言者なき時代に」(教科書1-14頁)
第3回 II. ウェーバーと「文化科学」の問題(1):「よりましな人間たちの饗宴」(教科書15-30頁)
第4回 II. ウェーバーと「文化科学」の問題(2):「価値自由」という概念をめぐって(教科書30-46頁)
第5回 III.「おしまいの人間たち」(1):ウェーバーと文化批判(教科書48-64頁)
第6回 III.「おしまいの人間たち」(2):合理化のパラドクス(教科書64-81頁)
第7回 III.「おしまいの人間たち」(3):ウェーバーと「世界史」(教科書82-90頁)
第8回 III.「おしまいの人間たち」(4):ウェーバーとランケ(教科書90-101頁)
第9回 IV.「理性の夢」(1):「近代」の二面性(教科書104-119頁)
第10回 IV.「理性の夢」(2):社会の「合理化」と宗教(教科書120-133頁
第11回 IV.「理性の夢」(3):近代の「合理化」という問題(教科書134-142頁)
第12回 IV.「理性の夢」(4):「黄金の20年代」と社会の「合理化」(教科書142-154頁)
第13回 IV.「理性の夢」(5):「合理化」の危機(教科書154-164頁)
第14回 IV.「理性の夢」(6):「合理化」と「規律化」(教科書154-164頁)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 100 | 出席は取らない。学期末に提出する課題(レポート。分量は4000-6000字程度)のみで成績を評価する。学期末課題の詳細(体裁・提出期限・提出方法など)については、追って連絡する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
◎教科書(各自購入の上、毎回必ず予習すること!)
デートレフ・ポイカート(雀部幸隆/小野清美(訳))『ウェーバー 近代への診断』(名古屋大学出版会・1994年)(ISBN-13:978-4815802424)
●参考文献(購入は必ずしも必須ではない)
ジグムント・バウマン(著)(森田典正訳)『近代とホロコースト』(ちくま学芸文庫・2021年)
デートレフ・ポイカート(著)(小野清美/田村栄子/原田一美訳)『ワイマール共和国―古典的近代の危機』(名古屋大学出版会・1993年)
ベンノ・ミュラー=ヒル(南光進一郎監訳)『ホロコーストの科学―ナチの精神科医たち』
(岩波書店・1993年)
ズザンネ・ハイム(川喜田敦子訳)「ナチ体制下のホロコーストと科学」(『ヨーロッパ研究』(東京大学)4(2005年)・105-114頁)