シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 木5 | 経済学部 | 小尾 晴美 | オビ ハルミ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
以下のテーマでレポートを提出してください(A4用紙1~2枚程度)。これをもとに教員が選考します。さらに、面接を実施します。
①自己紹介(出身地、サークル、アルバイト先、これまでに何かに熱中した経験、自分の長所と短所、大学で得たい自分の成長像・目標、希望する進路)
②志望動機とゼミで研究したいテーマ
※自分の人となりを文章で表現してください。
<履修条件>
①小尾ゼミでは、ゼミ活動全体を通じて得られる社会的能力の形成こそ最も重要な目標とします。そのため、メンバー全員が協力して目標遂行をするために協力しあう姿勢を重視します。
②①の前提として、連絡なしの遅刻・欠席は厳禁とします。
③3年次のプレゼンテーション大会に出場し、研究発表を行うこと
④4年次に卒業論文を執筆すること
※「社会政策」(SL205)「社会福祉論」(SL325)「社会保障論」(SL326)「労使関係論」(SL327)のいずれかを履修すること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:現代社会における労働と生活
本演習では、私たちが生活していくために必要な労働と生活、社会保障に関わる問題について学び、どのような問題を抱えているのか、について考えます。現代社会の抱える課題を理解するうえで、労働問題は避けて通ることのできない重要なテーマです。たとえば少子化は、男女の仕事と生活の両立こそが解決のカギだと言われています。
本演習で特に着目するのは、私たちが生活を営むなかで直面する問題、福祉を必要とする人たちが抱える問題(育児・疾病・介護などとそれに伴う生活困難・貧困)です。これらの問題をどう考えるか、解決する可能性はあるのか、リアルな実態に触れながら、関連する経済や社会の問題について自分で調べ、自分の見解を持ち、論文の形で表現する能力を養います。
科目目的
本演習では、私たちが生活していくために必要な労働と、社会保障に関わる問題について学び、現代日本ではどのような課題があるのかについて考えます。また、研究内容に関する知識の習得自体が最終目標なのではなく、そうしたゼミ活動全体を通じて得られる社会的能力の形成こそ最も重要な目標とします。
到達目標
本演習(小尾ゼミ)では、研究活動を通じて、卒業後どのような分野に進んだ場合にも等しく必要とされる、普遍的で実践的な能力の形成を獲得目標とします。大きく言うと、以下の三つです。
①科学的分析力:自分が問題とする対象を科学的に認識する力
②方針作成力:当事者にとって適切な課題を設定し、課題実現のための現実的プランを作成する能力
③組織力:組織における自己と他者の立場の違いを認識した上で、メンバーの目標遂行のために最適な行動をとる能力
社会に出て組織や集団を運営していくためにも、多様な人々とのコミュニケーションが欠かせません。本ゼミでは、研究内容に関する知識の習得自体が最終目標なのではなく、そうしたゼミ活動全体を通じて得られる社会的能力の形成こそ最も重要な目標とします。
そのため、報告者,司会者,討論者や、研究係、レク係、といった役割を決めて,そのチームプレーでゼミ運営を行います。参加者の関心・人数等によって運営方法は適宜変更します。メンバー間での自由で活発な議論や、コンパ、遊びの企画、合宿、実際に現場を見るフィールドワークなどの活動を重視します。
また、実際に現場に赴いて学ぶフィールドワークや、ゲストスピーカーの選定とアポイントメントなどは、ゼミ生主体で取り組んでもらい、社会人としての基礎力を身に付けることを目指します。
これらのことを通じて、自分と異なる人間の多様な生き方や価値観(世代・ジェンダー・障がいなど)に対する理解と共感を持ち、多様な個性からなるメンバーみんなにとってよりよい場を作るために必要な知識やノウハウを獲得することを目標とします。
【演習Ⅰ】学びのスキルを身につけ、研究をやってみる
①現代の社会・労働や生活に対する基本的な知識を身に付け、知的好奇心を持ち、問題意識を明確にすること、②フィールドワークの取り組みなどにより、現実の豊富なイメージを獲得することを目標にします。また、③ゼミ活動による組織活動の経験による、諸能力を獲得することを目指します。
【演習Ⅱ】ゼミナール大会に参加することを通じて自分の見解を表現する
現代社会における労働や生活の問題についてについて関心のあるテーマを選んで学ぶことを通じて、自分で文献や資料を収集し、それらを批判的に検討して自分の見解を持ち、それを様々な形(プレゼン、レジュメ、論文など)で表現するスキルを形成します。また、単なる知識を得るのではなく、個別の問題を他の問題と関連させ、構造的に把握できる力を身に付けることを目標にします。
【演習Ⅲ】卒業論文の作成に取り組む
論文の執筆を通じて、問題の論理的つながりを意識した文章の構成ができ、誰にでも理解できるように豊かに表現する事ができる力を獲得することを目指します。
授業計画と内容
※授業スケジュールは、ゼミのみなさんとの話し合いの中で随時変更されることがあります。
【演習Ⅰ】(2年次)
<前期>研究の基礎知識を獲得し、問題意識を固める。
1 イントロダクション―自己紹介・アイスブレイク
2 グループ分け・テーマ設定
3 ビデオ鑑賞ののちグループ討論(子育て・子育て支援に関する内容)
4 ビデオ鑑賞ののちグループ討論(仕事と家庭の両立に関する内容)
5 ビデオ鑑賞ののちグループ討論(貧困問題に関する内容)
6 ビデオ鑑賞ののちグループ討論(子どもの貧困に関する内容)
7 文献を使ってのレジュメ作成・討論①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
8 文献を使ってのレジュメ作成・討論②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
9 文献を使ってのレジュメ作成・討論③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
10 文献を使ってのレジュメ作成・討論④(4グループ目:グループごとに発表を交代)
11 フィールドワーク(ないしはゲストスピーカー)の選定と準備
12 フィールドワーク(ないしはゲストスピーカー)の準備
13 フィールドワークの振り返り・討論⑦
14 研究活動の振り返り、後期に向けて
※調査先の都合で、フィールドワークが土日に入ることがあります。
<夏休み期間中>
・インタビューやフィールドワークなどの実態調査や見学を実施します。
・ゼミ合宿の実施(2泊3日、国内の予定。全員参加。)
<後期>研究に取り組んでみる
1 後半ガイダンス
2 グループ分け・テーマ設定
3 研究のアウトラインを作る(1グループ目:グループごとに発表を交代)
4 研究のための情報収集と整理(2グループ目:グループごとに発表を交代)
5 研究のための情報収集と整理(3グループ目:グループごとに発表を交代)
6 研究のための情報収集と整理(4グループ目:グループごとに発表を交代)
7 研究のアウトラインを発展させる(1グループ目:グループごとに発表を交代)
8 研究のアウトラインを発展させる(2グループ目:グループごとに発表を交代)
9 研究のアウトラインを発展させる(3グループ目:グループごとに発表を交代)
10 研究のアウトラインの完成(4グループ目:グループごとに発表を交代)
11 プレゼンテーション準備(グループごとに活動)
12 プレゼンテーションの練習(グループごとに活動)
13 学年間の研究交流
14 1年間の振り返り
※3年生の学内プレゼン大会の見学を予定しています。大会の日程に応じて、スケジュール変更の可能性があります。
【演習Ⅱ】(3年次)
<前期>プレゼン大会に向けて研究を発展させる
1 ガイダンス
2 グループ分け・テーマ設定
3 研究のアウトラインを作る①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
4 研究のアウトラインを作る②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
5 研究のアウトラインを作る③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
6 グループ研究の情報収集と整理①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
7 グループ研究情報収集と整理②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
8 グループ研究情報収集と整理③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
9 研究のアウトラインを発展させる①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
10 研究のアウトラインを発展させる②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
11 研究のアウトラインを発展させる③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
12 プレゼンテーション準備-夏休みの研究プランの発表①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
13 プレゼンテーション準備-夏休みの研究プランの発表②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
14 プレゼンテーション準備-夏休みの研究プランの発表③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
<夏休み期間中>
・研究課題に合わせて、インタビューやフィールドワークなどの実態調査や見学を実施します。
・ゼミ合宿の実施(2泊3日、国内の予定。全員参加。)
<後期>経済学部プレゼン大会に向けて研究を仕上げる
15 夏休みの活動の振り返り、後期のプラン確認
16 プレゼン大会に向けてテーマ決定(1グループ目:グループごとに発表を交代)
17 プレゼン大会に向けてテーマ決定(2グループ目:グループごとに発表を交代)
18 プレゼン大会に向けてテーマ決定(3グループ目:グループごとに発表を交代)
19 経済学部プレゼンテーション大会発表練習(すべてのグループが発表)
20 経済学部プレゼンテーション大会リハーサル(すべてのグループが発表)
21 経済学部 プレゼンテーション大会に参加
22 プレゼンテーション大会の振り返り
23 ゲストスピーカーの講演
24 他ゼミとの交流
25 就職活動と演習論文の研究プラン作成・発表
26 演習論文の書き方について
27 学年間研究交流
28 1年間の学びの振り返り
※プレゼン大会等の日程に応じて、スケジュール変更の可能性があります。
※春休みには、就職活動と研究の進捗を報告しあうゼミを実施することがあります。
【演習Ⅲ】
<前期>
月に1回程度、就職活動と研究(情報収集と整理)の進捗を報告
<夏休み期間中>
・ゼミ合宿において、演習論文の報告(2泊3日、国内の予定。全員参加。)
<後期>
1 資料収集の経過と目次報告①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
2 資料収集の経過と目次報告②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
3 資料収集の経過と目次報告③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
4 テーマと各章の要旨報告①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
5 テーマと各章の要旨報告②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
6 テーマと各章の要旨報告③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
7 執筆の進捗の報告-書ける章から①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
8 執筆の進捗の報告-書ける章から②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
9 執筆の進捗の報告-書ける章から③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
10 執筆の進捗の報告-各章原稿①(1グループ目:グループごとに発表を交代)
11 執筆の進捗の報告-各章原稿②(2グループ目:グループごとに発表を交代)
12 執筆の進捗の報告-各章原稿③(3グループ目:グループごとに発表を交代)
13 完成原稿の発表①(1・2グループ:グループごとに発表を交代)
14 完成原稿の発表②(2・3グループ:グループごとに発表を交代)
※演習論文提出日程により、スケジュールが変更される可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(演習Ⅰ)テキストの読み込みと質問の準備が必要です。レジュメ発表・レポート提出が求められている際にはその準備をきちんとしてください。
(演習Ⅱ)学内・学外のプレゼン大会に参加します。
(演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)授業時間外に報告準備のためのグループワークが自主的に実施されることがあります。インタビューやフィールドワークなどの実態調査や見学を複数回実施します。調査先の都合で、フィールドワークが土日に入ることがあります。
また、体験型フィールドワーク(春休みを想定)や合宿(夏を想定)、ゼミメンバー同士の交流を目的とした企画(懇親会、ゼミメンバーが楽しめる企画)、社会人との交流、就職活動を励ましあう企画(3年生)、を実施します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 問題の論理的つながりを意識した文章の構成ができ、誰にでも理解できるように豊かに表現する事ができるか |
平常点 | 80 | ・臆せず素朴な疑問や問題意識を発言できるか ・精読をきちんとでき、文章の論理的構造を理解できるか。論理的な筋道を立てて説明できるか。 ・一見して内容が伝わり、論理的展開が意識されたレジュメが作れるか。 ・先の見通しを持って計画を立て、計画通りにこなせるか ・無断で遅刻しない。遅れるときは事情をきちんと説明できるか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
・いずれも80%以上の出席が前提となります。
(演習Ⅰ・Ⅱ)ゼミへの積極的な参加姿勢を最も重視します。そのうえで、レジュメやプレゼンテーション、レポートの成果を加味して評価します。
(演習Ⅲ)獲得目標(科学的分析力・論理的思考力)に照らして、卒業論文の成果を評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
①提出を求めた課題については、授業中でのコメントを中心に行いますが、必要に応じてmanabaやその他のツール(LINE等のSNS)を通じて行います。
②振り返りの際に提出を求めるレポートは、ゼミ内で講評するか、後日コメントの上返却します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業計画の通り、討論、グループワーク、プレゼンテーションを実施します。
また、フィールドワーク(見学、参加・体験)やゲストスピーカーへのインタビューなどに取り組みます。
さらに、ゼミ運営を通じて、課題実現のための現実的プランを作成するなどの実践を行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
googleフォーム、オンラインミーティングツールの活用(投票機能など含む)、オンラインチャットなどを活用します。
また、授業中に映像資料を活用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
・テキストは、授業開始後にメンバーと相談して決定します。参考までに以下のようなものを考えています。
*松本伊智朗ほか(2019)『生まれ、育つ基盤──子どもの貧困と家族・社会 (シリーズ・子どもの貧困1)』明石書店
*小熊英二(2019)『日本社会のしくみ 雇用 教育 福祉の歴史社会学』講談社現代新書
*阿部彩(2014)『子どもの貧困Ⅱ―解決策を考える』岩波書店
*小林美希(2013)『ルポ産ませない社会』河出書房出版
*萩原久美子(2006)『迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ』太郎二郎社エディショナル