シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 月5 | 経済学部 | 江川 章 | エガワ アキラ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
事前に、①ゼミの志望動機、②食料・農業・農村に関して関心のあるテーマ、③ゼミに所属した場合に取り組みたいことを考えておいてください。この項目をもとに、教員・上級生が志望者と面接し、合否を判定します。
<履修条件>
・2年次に日本農業検定1級を受験する。
・担当教員が開講する授業(農業経済論、企業経済クラスター特殊講義[いずれも3年次配当])を履修することが望ましい。
・3年次に学内プレゼン大会、アグリカルチャーコンペティション(アグコン)に出場すること。
・学内プレゼン大会等の出場にあたり、フィールドワークを実施するので、それに参加すること。
・3年次の研究をもとに4年次には、チーム単位で演習論文に取り組むこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、専門知識だけではなく、チームワークの経験を積み、協調性、自己管理力を修得し、また、演習論文、レポート作成などを通じた、総合的な学習体験と創造的思考力の修得に関わる科目です。
テーマ:日本の食料・農業・農村の分析と展開方向
本ゼミは農業経済のゼミです。ここでは「農業」を中心に、その土台となる「農村」や、生産物である「食料」など、様々な問題を議論します。農業では農地を「自然」、「地力」、「暮らし」の面からとらえ、どのように持続的に生産力を高めるかが課題となります。他方、現代の農業は国内の問題だけでは完結しません。WTOやFTAといった貿易交渉の行方が国内農業を大きく左右するようになっています。こうした農業をめぐる国内外の課題を柱にしたうえで、生産物である「食料」の流通や需給バランス、安全性を考え、さらに農地が立地する空間としての「農村」の人口問題や生活問題(交通・インフラ・福祉等)、文化に幅広くアプローチします。
そこで、2年次には食料・農業・農村にかかわる基礎的なテキストをもとに、輪読形式のゼミを行うとともに、夏休み期間には見学調査やゼミ合宿を行います。また、日本農業検定1級を受験します。3年次にはゼミ合宿のほか、学内プレゼン大会等に参加して研究成果を発信し、この成果をもとに4年次には演習論文に取組んでもらいます。
科目目的
農業・農村の現状や政策動向にかかわる基本的知識とその活用を図ることを目的とします。そのために、①報告や質疑、全体議論を通じてグループによる課題の掘り下げや論点整理を行なう方法を学習し、②この学習で獲得した知識・情報を整理・分析し、効果的なプレゼンテーションを行う力を養います。
到達目標
<到達目標>
上記の目的を達成するために、以下のような到達目標を設定します。
【演習1】テキストの輪読・報告を通じて以下の目標を達成します。
①食料・農業・農村にかかわる基本的な知識を身につけること。
②食料・農業・農村の現状・課題を分析し、その内容を整理・分析する力を養うこと。
③グループワークを通じて、相互で議論する力を身につけること。
④日本農業検定1級に合格すること。
【演習2】
①食料・農業・農村の分析で学んだことをもとに、問題意識を醸成し、研究テーマを見つけること。
②研究テーマを共有するグループでの議論を通じ、情報収集・整理、仮説設定による分析手法を学ぶこと。
③現地調査の準備・実施・事後処理の手法を学び、身につけること。
④分析した内容を報告するプレゼンテーションの能力を身につけること。
【演習3】
①演習2で研究した内容を論理的に整理し、論文化する能力を身につけこと。
②論文作成を行ううえでのルールや規則を学び、習得すること。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
テキストを用いて報告・コメント・全体討議を行い、食料・農業・農村、環境・資源にかかわる基礎的知識を高める。
第1回 ガイダンス:前期演習の進め方の解説、グループ構成
第2回 報告を行うためのPCソフトの操作解説(パワーポイントとエクセル)
第3回 図書館講習会
第4回 テキスト①第1章 経済学と農業的世界
第5回 テキスト①第2章 経済発展と農業
第6回 テキスト①第3章 食料の需要と供給
第7回 テキスト①第4章 農業生産と土地
第8回 テキスト①第5章 農業の経営組織
第9回 テキスト①第6章 農産物の市場組織
第10回 テキスト①第7章 農産物貿易と農業保護政策
第11回 テキスト①第8章 世界の人口と食料
第12回 テキスト①第9章 食生活の成熟とフード・システム
第13回 テキスト①第10章 農業の近代化
第14回 テキスト①第11章 資源・環境と農業
<8~9月>
夏合宿:3年生と合同合宿を実施し、3年生の研究報告に対する質疑を行い、評価を行う。
市場見学:東京都内の中央卸売市場を見学し、食品流通の現場を学ぶ
第15回 テキスト② ガイダンス:後期演習の進め方の解説、グループ構成
第16回 テキスト② 人間生活と農業、世界の農業と食料情勢
第17回 テキスト② 日本の農業と食料を取り巻く現状、国内農業生産の動向
第18回 テキスト② 農業・農村の多面的機能、これからの農業革新の方向
第19回 テキスト② 人間生活の3大課題、地球規模の環境問題、農業と環境の保全と整備
第20回 テキスト② 日本人と食の実態、日本型食生活と健康、食の安全・安心
第21回 テキスト② 和食と伝統的食文化、食育のすすめ、植物の基本的生理作用
第22回 テキスト② 栽培作物の成長と繁殖
第23回 テキスト② 栽培環境とその管理(作物を取り巻く環境要素~肥料の区分と成分保証)
第24回 テキスト② 栽培環境とその管理(これからの病害虫防除~総合的有害生物管理)
第25回 テキスト② 栽培分野:イネ、サツマイモ、ジャガイモ、ダイコン
第26回 テキスト② 栽培分野:ニンジン、キャベツ、タマネギ、ホウレンソウ
第27回 テキスト② 栽培分野:キュウリ、トマト、ナス、果樹全般
第28回 各人希望する研究テーマをもとにグループ化し、研究計画を策定
<1月>
日本農業検定1級を受験する。
<3月>
春合宿:グループごとの研究計画を報告し、集団討議。
【演習2】(3年次)
グループごとにテーマ設定した研究の報告・討論に加え、夏休み等を利用しゼミ合宿やフィールドワークを実施する。また、学内ゼミのプレゼンテーション大会やアグリカルチャーコンペティションに向けての対応を図り、演習論文に関するテーマ設定等の準備を行う。
第1回 ガイダンス:研究の進め方とプレゼン資料の作成方法について解説
第2回 計画作成
第3回 計画内容吟味
第4回 計画修正
第5回 問題意識の検討
第6回 現状分析
第7回 仮説構築
第8回 先行研究の検討:論文分析
第9回 先行研究の検討:文献分析
第10回 関連情報の検討:インターネット情報の分析
第11回 事例収集①:全国情報の事例収集・分析
第12回 事例収集②:関東地域の事例収集・分析
第13回 事例収集③:海外の事例収集・分析
第14回 チームごとの中間報告会
<8~9月>
夏合宿:2年生と合同合宿を実施し、研究報告と2年生との討議を行う。
第15回 研究発表大会に向けての計画策定
第16回 問題意識
第17回 現状分析①:統計情報の整理
第18回 現状分析②:現地事例の整理
第19回 現状分析③:海外事例の整理
第20回 現状分析④:問題状況と解決策の提示
第21回 仮説構築
第22回 仮説検証①:統計分析を踏まえた検証
第23回 仮説検証②:現地事例の分析を踏まえた検証
第24回 仮説検証③:仮説の修正と確定
第25回 研究発表大会の総括と残された課題の整理
第26回 卒業論文に向けてのテーマ設定と役割分担の決定
第27回 卒業論文の構想についてグループディスカッション
第28回 4年生との情報交換とディスカッション
【演習3】(4年次)
演習論文の進捗状況(文献収集・整理、現地調査、論文執筆等)に応じて個人単位に指導を行い、年内の論文完成を目指す。
第1回 ガイダンス:卒業論文の進め方について解説・議論
第2回 研究計画書をもとにした議論①(問題意識、課題設定)
第3回 研究計画書をもとにした議論②(既往研究、研究手法、結論)
第4回 既往研究の情報整理
第5回 分析内容の報告②
第6回 統計情報の整理①(情報収集)
第7回 統計情報の整理②(図表作成)
第8回 分析内容の検討・議論①(現状分析)
第9回 分析内容の検討・議論②(仮説検証)
第10回 分析内容の検討・議論③(結論)
第11回 執筆内容の議論①(問題意識・現状分析)
第12回 執筆内容の議論②(既往研究の整理)
第13回 執筆内容の議論③(仮説検証)
第14回 執筆内容の議論④(結論と残された課題)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習1に関しては、テキストを読み込み、報告班でレジュメを分担作成し、報告を行う。また、授業終了後にリアクションペーパーを提出する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 80 | 毎回提出するリアクションペーパーの提出状況やその内容を評価します。 |
その他 | 20 | 報告・議論・質疑応答の内容を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
農林水産省に研究員として19年勤務。そのうち、2年間は民間(農林中金)のシンクタンクに勤務。また、JICAの短期専門家としてタイ国に派遣経験あり。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
農業・農村や農協金融の政策決定過程の情報を示すことで、農政・農協のあり方や課題を現実論から整理・分析することが可能となる。
テキスト・参考文献等
◎テキスト(演習1)
・テキスト①:荏開津典生・鈴木宣弘『農業経済学』岩波書店、2020年
・テキスト②:日本農業検定事務局『日本の農と食を学ぶ(上級編)』農文協、2020年
◎参考文献
・農林水産省「食料・農業・農村白書」(各年版)
その他特記事項
特にありません。
参考URL
特にありません。