シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 木5 | 経済学部 | 岡本 千草 | オカモト チグサ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
事前にレポートを提出してもらいます。レポートをもとに面接を行います。
<履修条件>
・空間経済学を3年次に履修することが望ましい。
・統計に関連する科目や計量経済学を履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ: 地理空間データを用いた空間や都市に関する分析
このゼミでは地理空間データを用いて、経済活動の地理的分布やその変動要因に関する分析を行います。ただし研究テーマはこれらに限らず、地理的空間や都市が関連した内容であれば研究対象として選択することが可能です。4年次に個人で演習論文を書くことを念頭に、2年次にはグループでの短い研究プロジェクトを、3年次にはグループでの本格的な研究プロジェクトを行い、段階的に研究の進め方を身に付けます。それと並行して、2年次には空間経済学や計量経済学の基礎的内容を学び、3年次にはその発展的内容を学びます。
科目目的
空間経済学や計量経済学の知識を足がかりに、自ら研究課題を設定して検証方法を検討し、実際に分析を行い考察するなかで、論理的思考力を養うことを目的とします。またグループワークを通じて、コミュニケーション力やリーダーシップ力を養うことを目的とします。
到達目標
上記の目的を達成するために、具体的には以下の目標を設定します。
【演習1(2年次)】
・空間経済学や計量経済学に関する基礎的内容を身に付ける。
・グループでの研究プロジェクトを通じて、研究の進め方や流れについて理解する。
・パラグラフ・ライティング等のアカデミック・スキルズを習得する。
・積極的に討論に参加できるようになる。
【演習2(3年次)】
・空間経済学や計量経済学に関する発展的内容を身に付ける。
・グループでの研究プロジェクトを通じて、筋道を立てて物事を考えられるようになる。
・他者の発表や意見を聞いて、コメントできるようになる。また、相手の意見や質問を正確に理解し、質疑応答できるようになる。
【演習3(4年次)】
・演習1と演習2で学んだ内容をもとに、個人の研究プロジェクトを通じて論理的な思考力を身につける。
・他人の演習論文に対して、単なる非難とは異なる批判的能力を身につける。
授業計画と内容
※ 以下のスケジュールは、進度やゼミ生との相談によって前後することがあります。
【演習1】(2年次)
<前期>
・空間経済学に関する導入書の輪読を行います。地理的空間と経済活動の関係性について知り、自らの関心対象や研究対象を見つけることを目標とします。
・計量経済学に関する入門書の輪読を行います。分析手法の基礎的内容を勉強すると同時に、統計プログラミングソフトRを使って実習を行います。
・地理空間データを取り扱うため、GIS(地理情報システム)について学び、その基本操作について実習します。ソフトウェアはQGISを使用する予定です。
第1回 オリエンテーション
第2回 GISの基本操作1(色分け地図の作成)
第3回 GISの基本操作2(ベクターデータとテキストデータの結合)
第4回 文献輪読1(空間経済学の導入書: 集積の現状)
第5回 文献輪読2(空間経済学の導入書: 集積のメリットとデメリット)
第6回 文献輪読3(空間経済学の導入書: 集積とイノベーション)
第7回 文献輪読4(空間経済学の導入書: 集積に関する諸問題)
第8回 文献輪読5(計量経済学の入門書: 記述統計量)
第9回 文献輪読6(計量経済学の入門書: 相関係数)
第10回 文献輪読7(計量経済学の入門書: 回帰分析)
第11回 Rの基本操作1(データの読み込み)
第12回 Rの基本操作2(データの結合・記述統計)
第13回 Rの基本操作3(回帰分析)
第14回 アカデミックスキル
<後期>
・前期に引き続き、計量経済学に関する入門書の輪読とGIS(地理情報システム)の実習を行います。
・グループごとにミニ研究プロジェクトを実施します。
第1回 GISの基本操作1(面積計算と変数作成)
第2回 GISの基本操作2(ポリゴンレイヤとポイントレイヤの組み合わせ)
第3回 GISの基本操作3(複数のポイントレイヤの組み合わせ)
第4回 グループ別ミーティング1(研究計画の作成: 問いと仮説)
第5回 グループ別ミーティング2(研究計画の作成: 回帰式)
第6回 グループ別ミーティング3(研究計画の作成: 交絡因子)
第7回 文献輪読8(計量経済学の入門書: 推定)
第8回 文献輪読9(計量経済学の入門書: 検定)
第9回 文献輪読10(計量経済学の入門書: 回帰分析における推定と検定)
第10回 文献輪読11(計量経済学の入門書: さまざまな回帰分析)
第11回 グループプロジェクト中間報告
第12回 グループ別ミーティング4(分析: 記述統計量)
第13回 グループ別ミーティング5(分析: 回帰分析)
第14回 グループプロジェクト最終報告
【演習2】(3年次)
<前期>
・グループごとに本格的な研究プロジェクトを実施します。学内外の研究発表大会に参加することを目標とします。
・分析手法の発展的内容を勉強し、Rの発展的操作を学びます。適宜、計量経済学に関する発展的教科書を使用します。
・GIS(地理情報システム)の発展的操作について学びます。
第1回 オリエンテーション
第2回 Rの発展的操作1(さまざまな回帰分析の復習)
第3回 Rの発展的操作2(パネルデータの作成と可視化)
第4回 Rの発展的操作3(パネルデータ分析の基礎)
第5回 QGISの発展的操作1(ポリゴンレイヤとポイントレイヤの組み合わせ)
第6回 QGISの発展的操作2(複数のポイントレイヤの組み合わせ)
第7回 QGISの発展的操作2(複数のポリゴンレイヤの組み合わせ)
第8回 グループ別ミーティング1(研究計画の作成: 問いと仮説)
第9回 グループ別ミーティング2(研究計画の作成: 文献レビュー)
第10回 グループ別ミーティング3(研究計画の作成: 回帰式)
第11回 グループ別ミーティング4(研究計画の作成: 交絡因子)
第12回 グループ別ミーティング5(データの作成)
第13回 グループ別ミーティング6(分析の実施)
第14回 グループプロジェクト中間報告
<後期>
・前期に引き続き、グループプロジェクトを実施します。
・前期に引き続き、Rの発展的操作について学びます。
・演習論文の作成に向けて、研究計画の作成と予備分析の実施を行います。
第1回 Rの発展的操作4(パネルデータ分析の応用)
第2回 Rの発展的操作5(ロバストネスチェックと結果の解釈)
第3回 グループ別ミーティング7(分析内容の再検討)
第4回 グループ別ミーティング8(分析の再実施)
第5回 グループ別ミーティング9(結果の解釈)
第6回 学内外での研究大会に向けたプレゼンテーションの練習(前半)
第7回 学内外での研究大会に向けたプレゼンテーションの練習(後半)
第9回 学内外での研究大会のフィードバック
第10回 演習論文の研究計画の作成
第11回 演習論文の研究計画の発表(前半)
第12回 演習論文の研究計画の発表(後半)
第13回 演習論文に関する予備分析の発表(前半)
第14回 演習論文に関する予備分析の発表(後半)
【演習3】(4年次)
<後期>
・各個人で研究プロジェクトを進め、その結果を演習論文にまとめます。
・各研究段階において中間報告を行い、他の受講生の指摘なども取り入れながら、研究を仕上げます。
第1回 オリエンテーション
第2回 論文執筆の流れとその注意点の確認
第3回 研究計画の発表(受講生の1/3)①
第4回 研究計画の発表(受講生の1/3)②
第5回 研究計画の発表(受講生の1/3)③
第6回 分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)①
第7回 分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)②
第8回 分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)③
第9回 再分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)①
第10回 再分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)②
第11回 再分析結果と考察に関する中間報告(受講生の1/3)③
第12回 最終報告(受講生の1/3)①
第13回 最終報告(受講生の1/3)②
第14回 最終報告(受講生の1/3)③
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・学内外の研究発表大会への参加。
・夏合宿等への参加(受講生と相談の上で決定)。
・輪読に向けた準備。グループでの作業やディスカッション等(受講生間で相談の上、サブゼミを実施する事も考えられます)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 具体的な評価基準は以下に記載の通りです。 |
成績評価の方法・基準(備考)
各演習の具体的な評価基準は以下の通りです。
【演習1】
・授業中の議論に積極的に参加できているか。
・輪読や研究プロジェクトに関する発表。
・輪読や研究プロジェクトに関する提出物。
【演習2】
・筋道を立てて物事を考えられているか。
・適切な議論や質疑応答ができているか。
・輪読や研究プロジェクトに関する発表。
・輪読や研究プロジェクトに関する提出物。
【演習3】
・論理的思考力と批判的能力が身についているか。
・研究プロジェクトに関する発表。
・演習論文。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
輪読で使用する本は、進度に応じて決定します。