シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 月5 | 経済学部 | 後藤 孝夫 | ゴトウ タカオ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
選考は,これまでの講義履修状況や成績(望ましいGPAの水準を募集時に改めて提示します)も踏まえつつ(ただし,一番重要なものは,「ゼミに入って何を研究したいのか」という明確な目標と研究に取り組む熱意です),面接によって行います。
<履修条件>
(1)2年次~3年次にかけて,以下の大会へ出場すること
〇日本学生経済ゼミナール大会(関東大会あるいは全国大会のどちらか少なくとも1つ) (2年次および3年次)
〇学内のプレゼン大会 (3年次)
(2)2年次~3年次にかけて,学外調査あるいは見学等(国内)を行う場合は積極的に参加すること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:交通事業・公益事業を経済学で考える
研究対象は交通事業と公益事業ですが,より具体的な研究テーマはまずは履修者ごとに決めてもらいます。ただし,2年次~3年次では,グループに分かれて学内外の研究大会出場を目指してもらうため,履修者ごとに研究テーマを提案してもらい,その後投票にてテーマ・グループ分けを行います。 グループにわかれて,①リサーチクエスチョンの導出,②仮説の設定,③仮説の検証および④分析結果から得られる知見と今後の課題についてそれぞれ検討し,論文形式やプレゼン報告内容としてまとめてもらいます。
並行して,2年次にはミクロ経済学の基礎的なテキストを,そして3年次には交通経済学の基礎的なテキストをそれぞれ輪読いたします。
科目目的
交通事業と公益事業は,私たちが生活を営むうえで必要不可欠で身近なサービスであるため,その課題を分析し解決策を提案することは社会的にも有意義なことであり,本ゼミの目標の1つですが,身近なサービスであり,イメージしやすい交通事業と公益事業を分析する過程で,基本的なミクロ経済学の知見を身につけて,批判的,客観的かつ自主的に物事を考えるクセをつけることができるようになることも本ゼミの目標です。
到達目標
上記の目的を達成するために,具体的には以下の到達目標を設定します。
【演習1】輪読や大会への準備を通じて,以下の目標を達成します。
〇全員が間違いを気にせずに臆することなく発言し,討論に参加できるようになること。
〇チーム活動を通じて、協調性やリーダーシップを養うこと。
【演習2】輪読や学内外の大会に参加することを通じて,以下の目標を達成します。
①大会での報告準備を通じて,筋道を立てて物事を考えられるようになること。
②他大学の報告を聴講することを通じて,相手の意見を正確に理解し,きちんと質疑応答ができること。
【演習3】演習論文の作成を通じて,以下の目的を達成します。
①個人論文の執筆を通じて,3年次に訓練した物事を考える力を基礎に,論理的思考方法を身につけること。
②他人の演習論文に対して原稿段階からコメントすることを通じて,批判的能力を身につけること。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
前期
・メンバーの顔合わせ・ゼミの運営についての打ち合わせ
・ミクロ経済学の基礎的な文献の輪読(N・グレゴリー・マンキュー(2019)『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第4版)』東洋経済新報社)を想定していますが、最終的には履修者と相談して決定していきます。
・学外での研究大会参加に向けたグループ分け
・各チームからの報告
第1回 顔合わせとゼミでの勉強方法について説明
第2回 テキスト第 1章(経済学の十大原理)の報告とディスカッション
第3回 テキスト第 2章(経済学者らしく考える)の報告とディスカッション
第4回 研究大会に向けたテーマ発表(各自)
第5回 研究大会に向けたテーマ選定(チーム決め)
第6回 テキスト第 3章(相互依存と交易(貿易)からの利益)の報告とディスカッション+チームごとに先行研究の調査報告
第7回 テキスト第 4章(市場における需要と供給の作用)の報告とディスカッション+チームごとにテーマの現状と課題について報告
第8回 テキスト第 5章(弾力性とその応用)の報告とディスカッション+チームごとにリサーチクエスチョンの報告
第9回 テキスト第 6章(需要,供給,および政府の政策)の報告とディスカッション+チームごとに仮説の報告
第10回 テキスト第7章(消費者,生産者,市場の効率性)の報告とディスカッション+チームごとにデータ収集の進捗状況報告
第11回 テキスト第 8章(応用:課税の費用)の報告とディスカッション+チームごとに確定した研究のアウトラインの報告
第12回 テキスト第 9章(応用:国際貿易)の報告とディスカッション+チームごとにこれまでの総合的な進捗状況の報告
第13回 テキスト第10章(外部性)の報告とディスカッション+チームごとに夏期の調査計画の報告
第14回 Powerpoint講習受講(上記のいずれかの回と代替)
<8~9 月頃>
〇必要なチームは現地調査・地域調査
後期
・学外での研究大会参加に向けた準備
・3年次に向けたスキルアップ(学内のPC講習会(無料)への出席など)
・各チームからの報告
・プレゼンテーションの練習
*履修者との相談のうえで,研究テーマに応じたフィールドワークを実施することもあります。
*2年生~4年生間の交流も図っていく予定です。
第15回 各グループの夏期休暇期間中の調査結果の報告とディスカッション
第16回 テキスト第11章(公共財と共有資源)の報告とディスカッション+チームごとに中間報告
第17回 テキスト第12章(税制の設計)の報告とディスカッション+チームごとにデータ分析あるいは事例分析の実施
第18回 テキスト第14章(競争市場における企業)の報告とディスカッション+チームごとにデータの再分析あるいは事例の再分析の実施
第19回 テキスト第15章(独占)の報告とディスカッション+学外大会でのプレゼンテーションの準備(PPT資料の作成)
第20回 テキスト第16章(独占的競争)の報告とディスカッション+学外大会でのプレゼンテーションの準備(PPT資料を用いた報告練習)
第21回 テキスト第17章(寡占)の報告とディスカッション+学外大会でのプレゼンテーションの準備(報告時の質疑応答の練習)
第22回 学外大会でのプレゼンテーションの最終準備
第23回 学外大会でのプレゼンテーションの振り返り
第24回 テキスト第18章(生産要素市場)の報告とディスカッション+3年次に向けた各自の研究テーマの検討
第25回 テキスト第19章(勤労所得と差別)の報告とディスカッション+3年次の研究テーマ案の発表
第26回 3年次にある研究大会に向けたテーマ選定(チーム決め)
第27回 Excel 講習(経済データ分析のための関数およびデータベース)受講(上記のいずれかの回と代替)
第28回 Excel 講習(経済データ分析① 単回帰)受講(上記のいずれかの回と代替)
【演習2】(3年次)
前期
・交通経済学の基礎的な文献の輪読(中条潮ほか編著(2018)『経済学で読み解く交通・公共政策』中央経済社)を想定していますが、最終的には履修者と相談して決定していきます。
・学内外での研究大会参加に向けたグループ分け・準備
・各チームからの報告
・プレゼンテーションの練習
第1回 研究アウトライン〔課題・本論・結論〕の報告とディスカッション
第2回 研究アウトライン〔課題・本論・結論〕の確定
第3回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のテーマ趣意文の作成
第4回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会の テーマ趣意文の報告とディスカッション
第5回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のテーマ趣意文の修正報告
第6回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のテーマ趣意文の確定
第7回 テキスト第 1章(市場均衡)の報告とディスカッション+中間レジュメの作成
第8回 テキスト第 2章(消費者行動)の報告とディスカッション+中間レジュメの報告とディスカッション
第9回 テキスト第 3章(供給と費用)の報告とディスカッション+中間レジュメの修正報告とディスカッション
第10回 テキスト第 4章(独占)の報告とディスカッション+中間レジュメの確定
第11回 テキスト第 5章(寡占)の報告とディスカッション+草稿の作成
第12回 テキスト第 6章(価格理論)の報告とディスカッション+草稿の報告とディスカッション
第13回 テキスト第7章(市場機構の役割と市場介入の留意点)の報告とディスカッション+草稿の修正報告とディスカッション
第14回 テキスト第 8章(市場の失敗)の報告とディスカッション+草稿の確定
<8~9 月頃>
①必要なチームは現地調査・地域調査
②夏合宿については受講生と相談のうえで決定
後期
・前期と同じ文献の輪読(履修者と相談して決定していきます)
・学内外での研究大会(インター大会,インナー大会および学内プレゼン大会)参加に向けた準備
・4年次に向けた研究テーマの選定など
・学期末の4回は演習論文の準備
*履修者との相談のうえで,研究テーマに応じたフィールドワーク・合宿を実施することもあります。
*2年生~4年生間の交流も図っていく予定です。
第15回 テキスト第9章(地球温暖化問題と混雑問題 )の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーション用PPTの作成
第16回 テキスト第10章(社会資本整備の理論と実践)の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のPPTを使用したプレゼンテーションの練習
第17回 テキスト第11章(費用便益分析)の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーションのPPTの修正
第18回 テキスト第12章(稀少資源の配分方法)の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーションでの質疑応答に関する説明
第19回 テキスト第13章(交通分野におけるPFIの活用可能性)の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーションでの質疑応答の練習
第20回 テキスト第14章(公平性の確保と不採算サービスの維持)の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーション内容の修正
第21回 テキスト第15章(交通事業と観光政策 )の報告とディスカッション+インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーション資料内容の最終確認
第22回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会のプレゼンテーションの報告最終準備
第23回 インナー大会・インター大会・学内プレゼン大会の振り返りと改善点の洗い出し
第24回 各自で論文を執筆するための執筆概要を説明
第25回 これまでのグループワークの経験を踏まえて、各自で研究テーマを検討
第26回 これまでのグループワークの経験を踏まえて、各自で研究テーマを報告・ディスカッション
第27回 これまでのグループワークの経験を踏まえて、リサーチクエスチョンと仮説を検討
第28回 これまでのグループワークの経験を踏まえた論文執筆案を各自で報告+ディスカッション
※インナー大会,インター大会および学内プレゼン大会のスケジュールに応じて順番の変更がある可能性があります。
【演習3】(4年次)
後期
・演習論文のテーマの決定・執筆
・学外での研究大会補助など2年生~3年生の研究のサポートを行う
*2年生~4年生間の交流も図っていく予定です。
第1回 演習論文のテーマ設定について討論
第2回 演習論文のタイトルの決定
第3回 演習論文のアウトラインの報告
第4回 演習論文のリサーチクエスチョンの設定
第5回 演習論文の仮説の設定
第6回 データの収集方法を説明
第7回 データの活用方法を説明
第8回 演習論文の全体像について各自報告
第9回 演習論文のアウトラインの修正と確定
第10回 データ分析あるいは事例研究の結果を報告
第11回 中間報告会の実施
第12回 中間報告会での議論を踏まえた修正報告と質疑応答
第13回 演習論文の提出様式の最終確認
第14回 完成した演習論文をPPTで報告
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
<授業時間外の学習の内容(その他の内容等)>
・manabaを通じて、講義に関連する資料を掲載する場合がありますので、その際はダウンロードし事前あるいは事後に目を通しておいて下さい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 学内外の研究大会への提出物の提出 |
平常点 | 80 | 討論に積極的に参加し,自らの意見を述べることができるようになったか |
成績評価の方法・基準(備考)
【演習1】
・物事を筋道立てて論理的に考えることができるようになったか
【演習2】
・物事を筋道立てて論理的に考えることができるようになったか
・学内外の研究大会への提出物の提出
【演習3】
・演習論文の提出および合格
以上の各項目を評価基準としますが,特に通常のゼミでの討論への参加状況とサブゼミを含むチーム毎の活動への貢献を重視します。したがって,とりわけ①通常のゼミやその他のゼミ活動に欠席を重ねる方,あるいは②課題の未提出の方については評価の対象となりません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・授業時に「respon」や「Webex」を活用し,双方向型の授業を実施します
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
輪読のテキストについては,受講生と相談のうえで決定いたします。
その他特記事項
〇予め理解しておいてほしいこと
・ゼミを欠席することは,他の講義科目とは異なり,チームでの作業が停滞して,仲間のゼミ員の勉強にも支障を来すなど,多大な迷惑をもたらします。前述の通り,やむを得ず欠席する場合には,必ず教員およびメンバーへ連絡してください。