シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習B2 | 2024 | 秋学期 | 金4 | 法学部 | 七沢 潔 | ナナサワ キヨシ | 4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL4-018S
履修条件・関連科目等
総合講座「ジャーナリズム論2」、専門演習A1/ A2「ドキュメンタリーを学び、制作する」を履修していることが望ましいが、そうでなくともジャーナリストや研究者を志望する、やる気のある学生の参加は歓迎する。少数精鋭でレベルの高いゼミナールを目指したい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
映像をもって社会のありようを伝え、問題意識やメッセージを共有する「映像ジャーナリズム」は映画、テレビに続き、いまインターネットにも媒体を広げている。とりわけ誰でもがスマホで撮った映像をSNSで世界に配信する時代に入り、その内容、スタイル、方法は急激に多様化している。その動きをとらえ、分析し、また自らもジャーナリスティックに映像作品を制作、または論文、文字によるノンフィクション作品を執筆することで「映像言語」の時代のリテラシーを高める。
科目目的
授業の目的は受講生各人が「映像ジャーナリズム」の現在をリサーチし、自らそこに参加しながら「メディアの新時代」を体験的に学ぶことにある。
到達目標
授業は2つのカテゴリーで構成される。
まず受講生は各回交代で自らが関心のある社会的問題(例:高齢化と介護、職場における男女待遇格差、災害報道の盲点、入管法改正の問題、デモと若者、報道の過剰と過小、など)についてリポートする。その際、テレビ、ネットなどの媒体から映像をピックアップし、報告に組み込み、議論する。
他方、1年をかけて自分の映像作品を制作、または研究テーマをきめてリサーチし、卒業作品や卒業論文として期末に発表する。
授業計画と内容
授業は3,4限連続で、隔週に行う。 主体はいつも学生の側にあり、提案や報告に対し、全員参加で積極的にディスカッションを行う。概ね以下のような構成で進めたい。もちろん状況変化には柔軟に対応する。
第1回 ガイダンス 授業計画の説明と質疑 調査リポート1
第2回「こんな作品がつくりたい」「こんな論文が書きたい」全員の最初の宣言とアドバイス
第3回 調査リポート2,3( Aグループ)
第4回 調査リポート4,5( Bグループ)
第5回 調査リポート6,7 (Cグループ)
第6回 調査リポート8,9 (Dグループ)
第7回 「どのように撮影を進めるか?」ロケ構成案、調査計画書、取材プランを検討する
(夏休み)受講生の賛同があれば3年生と合同で「沖縄」や「福島」などへのスタディツアーを企画する
第8回 「撮影、調査、取材はこのように進んでいる」ロケ、調査、取材の途中報告
第9回 調査リポート10,11 (Eグループ)
(あるいはこの時期にスタディーツアー)
第10回 調査リポート12,13 (Fグループ)
第11回 映像作品粗編、 論文・第一稿チェック
第12回 映像作品 2編、論文・第二稿チェック
第13回 論文・仕上がりチェック
第14回 映像作品・完成発表会
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
映像作品や論文のための取材、撮影、編集、執筆などの作業は授業時間外に行う。
夏休みか秋に、ゼミ生の賛同があれば3年生と合同で沖縄や福島へのスタディツアーを行う。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 年度末に出される1年間の総括レポートを評価する。 |
平常点 | 20 | 出席と自主性(授業中の発言など)を重視する。 |
その他 | 60 | 映像作品、論文の出来 |
成績評価の方法・基準(備考)
4年生のゼミは「自立」がテーマ。自分のたてた映像制作や研究の計画を、どれだけ着実に前に進めていったかを総合的に評価したいと思います。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
映像作品、論文ともに学期末に3年生と合同で上映・発表会を開き、OBや教員も招いて
感想や批評を仰ぎ、意見交換する。
また全作品の評価について学期末に講師が「講評」を書き、全員と共有する。
また可能なら学内外での上映会やコンクールに積極的に出品して社会的な価値を問う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
作品の編集過程や論文の執筆過程でのチェックなどには、manabaの掲示板やYouTubeの「ゼミチャンネル」などを活用してコンテンツを共有し、意見交換する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
テレビ局で40年にわたり、主としてドキュメンタリー番組を制作してきた。
また19年間の放送文化研究所勤務で、多数の研究調査、論文執筆を行なってきた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
自分の制作した作品もふくめ、多くの作品を上映し、履修生の発する感想や質問に応えながら、その作品に関係する社会的問題や背景、作品に表れた制作者の主張、表現の特徴などを解説することでドキュメンタリーへの理解を深める。
また、長年の実務経験を生かして、履修生の企画、取材、ロケ、編集を指導する。
研究調査と論文執筆も研究所勤務で培ったノウハウを活かして指導を行う。
テキスト・参考文献等
テキストは指定しない。参考文献として拙著『テレビと原発報道の60年』(彩流社、2016年)、NHK放送文化研究所編『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』(NHK出版、2016年)など。
その他特記事項
長尺の映像作品を視聴したり、3年生と合同でゲストを招いた上映会などを企画する可能性もあり、
授業は原則隔週で、3、4限連続で行う。