シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法曹演習 | 2024 | 秋学期複数隔週開講 | 土3,土4 | 法学部 | 木内 秀行 | キウチ ヒデユキ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-LA1-003S
履修条件・関連科目等
1 履修条件(希望する学生)
「憲法(人権)を真剣に勉強したい」学生であること。
私の職務内容は渉外事務所における執務、外務省における執務、企業における執務及び国際司法支援と多岐にわたることから、私の多岐に渡る職務内容のあらゆる側面に関心を持つ、「好奇心の旺盛な」学生であること。
私のゼミ内容を法曹(とりわけ弁護士)として将来のキャリアに生かしてみたいという「動機の明確な」学生であること。
「毎回私のゼミに参加し、ゼミにおける私の講義内容を意欲的に吸収する熱意」をもつ学生であること。
2 関連科目等
授業においては憲法の他、法哲学、法思想史、英米法、およびこれに関連する限度での世界史の分野に若干立ち入る予定であるので、これらの分野に関心のある学生が望ましい。ただし、これらの分野についての事前の学習や履修は不要である。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
憲法の基礎的な素養とともに、組織内弁護士(企業内弁護士・官公庁内弁護士)、国際司法支援、海外留学など、私が歩んできた多様な法曹としての在り方を講義する。
科目目的
憲法は法曹職務における究極の礎であるため、法曹となるべき者の常識として、憲法のアウトラインを身につけていただくことを目的とする。
あわせて、授業の中で私の職務経験を話し、そして私の職務体験を基にして、将来あらゆる舞台において(即ち、国内や法律事務所のみならず、海外や企業官庁、ビジネスの場を舞台として)通用する法曹へと羽ばたいていただくことを目的とする。
到達目標
1 授業で取り扱われた範囲における憲法の基礎知識、アウトラインを身に着けていること。
2 法律家の活動が、単に法律事務所における訴訟を中心とした法律実務ばかりではなく、企業、官庁、国際司法支援など、様々な領域において広い意味での法的知見を用いることによって基本的人権の擁護と社会的正義の実現に寄与することであることを十分理解していること。
授業計画と内容
第1回 憲法の基本原理:憲法とは何か。憲法における基本的なものの考え方は何か。
人権とは何か:現在ある人権はどのような中身を持ち、それはどのように生成されてきたか
第2回 企業内弁護士(1):企業内弁護士の職務内容とプラクティス(前半)
第3回 基本権総論:人権の意義、内容、人権の享有主体、人権の限界など、人権に関する通則
第4回 企業内弁護士(2):企業内弁護士の職務内容とプラクティス(中半)
第5回 包括的基本権:幸福追求権の意義、内容、限界
法の下の平等:法の下の平等の意義、内容、限界
第6回 企業内弁護士(3):企業内弁護士の職務内容とプラクティス(後半)
第7回 精神的自由権(1):内面的な精神活動の自由(思想良心の自由、信教の自由、学問の自由)の意義、内容、限界
第8回 官公庁内弁護士(1):官公庁内弁護士の職務内容とプラクティス
第9回 精神的自由権(2):外面的な精神活動の自由(表現の自由)の意義、内容、限界
第10回 官公庁内弁護士(2):官公庁内弁護士の職務内容とプラクティス
国際司法支援(1):小職が従事した国際司法支援活動(カンボジア弁護士養成校支援プロジェクト)の職務内容とプラクティス
第11回 経済的自由権:経済的自由権(職業選択の自由、財産権等)の意義、内容、限界
第12回 国際司法支援(2):小職が従事した国際司法支援活動(カンボジア弁護士養成校支援プロジェクト)の職務内容とプラクティス
第13回 人身の自由:人身の自由の基本原則や刑事手続の関する憲法規定の意義、内容、限界
社会権:社会権(生存権等)の意義、内容、限界
第14回 海外留学、米国司法試験:海外留学の意義と体験談、米国司法試験を受験する意義と米国司法試験の内容、体験談
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
復習も併せてしっかりすること。授業のはじめに前回の授業のリキャップを行うが、その際学生を指名して前回の授業の内容を説明していただくことがある。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 授業の出席状況や参加態様、発言内容、授業に対する意欲、到達度、その他授業に関連する諸事情を総合的に判断して評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
課題や試験を設定する予定はないが、仮にこれらを設定する場合には授業時間内またはmanabaなど適切な方法でフィードバックを行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
学生を指名して発言を求めることが多い。
学生の中で興味深いバックグラウンドや経験がある方には、授業においてその学生にゲストスピーカーとしてそのバックグラウンドや経験をお話しいただく場合がある。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
企業内での執務経験、中央官庁(外務省)での執務経験、国際司法支援の執務経験を講じる。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記実務経験内容を授業内容として講じる。
テキスト・参考文献等
芦部信義『憲法』第七版 岩波書店 (2019年) および六法を必ず持参すること。
その他特記事項
私の経験についての話を糧として、国際社会の舞台やビジネスの場で法律を武器とし、様々な分野に自由自在に切り込んでいく熱意と好奇心を持った人たちの受講を歓迎する。
略 歴
平成元年3月 中央大学法学部法律学科 卒業
平成5年3月 早稲田大学大学院法学研究科修士課程 修了
平成7年4月 日本国弁護士登録
平成11年5月 米国ペンシルヴェニア大学ロースクール修了
平成14年3月 米国ニューヨーク州弁護士登録
現在 カシオ計算機株式会社 法務部長
自己紹介
現在企業内弁護士として企業法務の分野につき執務をしています。また、2006年7月より2年間外務省にて諸外国との経済連携協定(FTA/EPA)締結に関する業務に従事していました。それ以前は渉外法律事務所において主として国際法務、金融の分野を中心とした業務に従事していました。また、国際司法支援活動(カンボジア)にも従事していました。私が従事してきたこのような業務およびアメリカのロースクールや法律事務所での体験を適宜取り入れて意欲的な皆さんと楽しく授業をすすめていきたいと考えています。また、このゼミで勉強する憲法は法曹業務における究極の礎なので、しっかり勉強してください。趣味はジャズを中心とした音楽鑑賞、オセロ、囲碁、自転車通勤。若いやる気のある学生の方々とともに学んだり遊んだりするのが大好きなので、本演習を楽しみにしています。