シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
文学A1 | 2024 | 春学期 | 木5 | 法学部 | 宮丸 裕二 | ミヤマル ユウジ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-HO1-013L
履修条件・関連科目等
イギリス文学を教養のレベルで学んでみたいという興味があり、指定されたテキストを読了する意欲を持ち、授業のルールを下記の通り遵守することができる者。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
今日でも世界的に高い人気を誇るイギリスの小説家ジェイン・オースティン(1775年-1817年)を扱います。本講義では特に 『高慢と偏見』(1813年)を取り上げ、その内容を詳しく見ていきながら、イギリスの文学の特徴を考えるとともに、イギリスの文化と社会を考察します。また、映像版も紹介し、今日に続く人気や、映像作品や漫画作品、パロディ作品への二次媒体への翻案のあり方についても考えて行きます。
「好きな人が大好きなやつ」ですので、ご注意下さい。「特に詳しく知らないけれど関心がある人」であればなんとかなるのですが、「まったくなんの関心がない」という人が履修すると苦しい思いをするかと思います。
諸々の事情から中央大学には現在オースティンについて詳しく学べる授業の設置がありませんが、学びたいという気持ちがある方は学部や学年や課程を問わず歓迎です。
同教員が同時限の後期に授業を担当する「文学A2」とは内容の一部が重なりますが、基本的には別の内容を扱います。そちらも履修することでこの授業の理解を深めるのには大いに助けになりますが、もちろんその義務はなく、成績評価も含め半期のみで単独の授業ととらえてください。
科目目的
イギリスの小説の誕生と発達を知るのに加え、小説を研究する意義、その文化的・歴史的背景を学ぶことによって、イギリス文学だけではなく、社会、文化、歴史についての理解を深めます。
最終的には、なぜ小説を読むことが娯楽や趣味に留まらず学術の重要な一角を占め得るのかを理解するという、法学部の学生に必須の教養を身につけることをねらいとしています。
到達目標
ここで扱う19世紀やイギリスという枠にとどまらず、一般的な意味での「文学」や「小説」というものについての理解を深め、学術的な分析対象としてのとらえ方を学び、今後の芸術理解の指針をかたちづくること。
授業計画と内容
1. 授業案内
2. 文学と小説
3. 文学研究の方法
4. 時代背景とイギリスの階級
5. ジェイン・オースティンについて
6. ジェイン・オースティンの作品・作風
7. 『高慢と偏見』について 1(社会階級と相続)
8. 『高慢と偏見』について 2(文学的な表現の問題について)
9. 『高慢と偏見』について 3(物語のパターンの創造と定着と応用)
10. 『高慢と偏見』について 4(パロディ、普遍性)
11. 『高慢と偏見』について 4(文学史の中で)
12. 『高慢と偏見』の新解釈の実践 1(映像化)
13. 『高慢と偏見』の新解釈の実践 1(パロディ)
14. まとめ
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週2〜3時間の授業時間外での学習が求められます。
授業外での学修として、この授業で主として扱う小説の少なくとも一冊を期限内に読了することが求められ(日本語による翻訳でも可)、これが単位取得の条件の大きな一つとなっています。
小説一冊読了などというのは大学生の単位取得の条件の一つに課すには易しすぎるようにも思われるかも知れませんし、多くの人にとっては事実そうなのですが、一方で、できない人にはこれがどうしてもできない難しいことであるのも厳然たる事実のようですし、「読むこと」と「読んだふり」の区別がつかない向きも少なくないようです。
「小説一冊の読了くらい、なんてことない」と思っていらっしゃる方も、実際にその経験がない場合には、よくよくご注意頂き、履修にあたっては慎重にご検討をいただけますよう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 20 | 期末試験 |
平常点 | 80 | 平常点・授業内の試験 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業中にノートを取るという作業を満たしていることと、週によっては行う短い試験または課題とによって、出席、理解度、関心の具合を判断し、学期末にノートの提出および期末試験を行うことで、総合的に成績評価を行います。いずれの試験においても、こちらで配布していない用紙で提出するなど、試験で不正を行った者には一切単位を認めません。
また、主として扱う小説の少なくとも一冊を期限内に読了することが必ず求められ(日本語による翻訳でも可)、これが単位取得の条件となっています。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
予習してきた内容の確認を授業中に行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
特に予定をしていません。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
本授業では特にICTの活用を考えておりませんが、コロナ禍による状況次第では遠隔通信や遠隔での提出物の回収などに利用する可能性があります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
特に予定をしていません。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
各学生がmanabaを利用して期限内に教材をダウンロードして持参していただき、そのことが評価の重要な一要素となります。その他の教材が必要となる場合は授業中に指定・配布します。
以下は授業で扱う作品で、必ず通読することが求められます。
Jane Austen, _Pride and Prejudice_ Oxford World's Classic (Oxford: Oxford University Press)
ジェイン・オースティン、『高慢と偏見』、冨田彬訳(岩波文庫)ほか、各種邦訳あり
その他の参参考書は授業中に指定・配布します。
その他特記事項
言うまでもなく私語と睡眠は禁止です。携帯電話は視界の外へ片づけてもらいます。万が一、授業時間内に私語を行う者、睡眠する者、携帯電話に触れる者がいる際には退出してもらいますので、とても快適に受講できる授業になろうかと思います。
なお、授業の連絡をする際に、manabaと電子メールを利用します。
授業連絡のためmanabaやc-plusに登録したメールアドレスによる通知機能を介して連絡を行うことがありますので、自分でアドレスを登録したメールを定期的に読み、メール受信のブロック機能を外しておいて下さい。万が一読めない場合、急の休講連絡を知り得ないなど、学生に不利な結果を招く場合がありますのでご注意下さい。
履修するかどうか迷う学生は、担当教員に連絡をとってもいいですし(連絡方法は上記)、昨年度にも同じ進め方による授業を実施していますので、法学部事務室にて授業評価アンケートを参照すると検討・決定の参考になるかと思います。