シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法哲学 | 2024 | 秋学期複数 | 月5,水2 | 法学部 | 石山 文彦 | イシヤマ フミヒコ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-BL3-007L
履修条件・関連科目等
特にありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現代の正義論のテーマとして、どのような正義原理が個人の自由をよりよく保障するのか、福祉国家的再分配と自由は両立するのか、またそもそも、はたして、またなぜ個人の自由が尊重されねばならないのか、などの問いを取り上げ、それらに対する主要な回答を紹介し、その長短を検討します。
科目目的
法哲学として論じられるテーマは多岐にわたります(その概要については授業の冒頭で簡単に触れます)が、授業では主題を正義論に絞ることにします。正義論は、法の目的あるいは法の目指すべき理念・理想を追究するもので、法哲学の基本問題として最も古くから論じられてきました。授業では、現代の様々な正義論を紹介し分析します。根源的なレベルで異なった様々な考え方を知り、それらを分析することを通じて、われわれの生きる現代社会の諸問題についても、常識にとらわれない大胆で柔軟な発想が可能であることを感じてもらいたいと思っています。そのうえで、ひとりひとりが自由な発想で考えられるようになるための土台を築くことが、この科目の究極的な目的です。
到達目標
現代の様々な正義論においていかなる問題がどのように論じられているかを理解することにより、われわれの生きる現代社会の諸問題についても、常識にとらわれない大胆で柔軟な発想が可能であると知ること、そして、物事を根源的なレベルから考える力を向上させることが、この授業の到達目標です。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション
第2回 法哲学の諸問題と正義論
第3回 功利主義(1):イントロダクション
第4回 功利主義(2):功利主義の主張
第5回 功利主義(3):功利主義への批判
第6回 功利主義(4):功利主義の応答
第7回 平等主義的自由主義(1):イントロダクション
第8回 平等主義的自由主義(2):平等主義的自由主義の主張
第9回 平等主義的自由主義(3):平等主義的自由主義への批判
第10回 平等主義的自由主義(4):平等主義的自由主義の応答
第11回 リバタリアニズム(1):イントロダクション
第12回 リバタリアニズム(2):リバタリアニズムの主張
第13回 リバタリアニズム(3):リバタリアニズムへの批判
第14回 リバタリアニズム(4):リバタリアニズムの応答
第15回 コミュニタリアニズム(1):イントロダクション
第16回 コミュニタリアニズム(2):コミュニタリアニズムの主張
第17回 コミュニタリアニズム(3):コミュニタリアニズムへの批判
第18回 コミュニタリアニズム(4):コミュニタリアニズムの応答
第19回 フェミニズム(1):イントロダクション
第20回 フェミニズム(2):フェミニズムの主張
第21回 フェミニズム(3):フェミニズムへの批判とフェミニズムの応答
第22回 多文化主義(1):イントロダクション
第23回 多文化主義(2):多文化主義の主張
第24回 多文化主義(3):多文化主義への批判と多文化主義の応答
第25回 グローバルな正義(1):イントロダクション
第26回 グローバルな正義(2):「グローバルな正義」論の存立可能性
第27回 グローバルな正義(3):その主要な議論
第28回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
初回の授業時にも説明しますが、試験の問題は、自分のノートはもちろんのこと、参考書、友人のノートなど何であっても、そこに書かれていることを切り貼りして書き写しても合格できない種類の問題です。そこに書かれていることを理解したうえで、それを材料として使って自分で答案を組み立てることが必要となります。したがって、日常の学習の積み重ねが不可欠であり、何の準備もなく試験に臨んでも合格はできないことを予め承知しておくべきです。
日常の学習とは、ありきたりな言い方にはなりますが、予習・復習に異なりません。
予習に際しては、参考文献を読むことにより、レジュメ(事前にmanabaで参照可能にしておく)に掲げられている今後の授業の項目の内容を可能なかぎり理解し、理解できなかった項目、参考文献の記述に対して抱いた疑問などを整理しておくことが求められます。
復習に際しては、授業の内容が理解できているかどうかを確認したうえで、授業で紹介された説や主張に対する疑問や批判を提起することができないか、自らの力で考えてみることが求められます。自分で答案を組み立てるためには、授業の内容をたんに繰り返すことができるだけでは不十分だからです。
こうした予習・復習の成果を、5~6回に分けて、課題として提出してもらう予定です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 授業内容が理解できていることを前提としたうえで、授業内容を材料として使い、与えられた問いに対して必要かつ十分な解答を組み立てられたかどうかを評価します。 |
レポート | 40 | 予習・復習の成果を、5~6回に分けて、課題として提出してもらいます。課題の要求に適切に応えられているかどうかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・予習に関わる課題については、授業時の説明がフィードバックとなります。復習に関わる課題については、授業時間内に、またはmanabaを通じて、講評する予定です。
・課題とは別に、履修者が任意で学習成果を提出することも歓迎します。その場合は、授業時間内に、またはmanabaを通じて、講評する予定です。
・試験については、学期末に試験の講評を公開する予定です。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
「授業時間外の学修の内容」で述べたように、予習として、参考文献を読むことにより、レジュメ(事前にmanabaで参照可能にしておく)に掲げられている今後の授業の項目の内容を可能なかぎり理解し、理解できなかった項目、参考文献の記述に対して抱いた疑問などを整理しておくことが求められます。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:使用しません。 レジュメを使用します。
参考文献:以下のとおりです。予習・復習、そして提出物の作成のため、特に⑦または④を手元に置くことをお薦めしますが、他の文献も有用です。各文献の特徴については、初回の授業で説明します。
①長谷川晃・角田猛之(編著)『ブリッジブック法哲学』(信山社、2004)
②平井亮輔(編著)『正義』(嵯峨野書院、2004)
③川本隆史『現代倫理学の冒険』(創文社、1995)
④W・キムリッカ『新版 現代政治理論』(日本経済評論社、2005)
⑤M・サンデル『これからの『正義』の話をしよう』(早川書房、2010)
⑥深田三徳・濱真一郎(編著)、『よくわかる法哲学・法思想』(ミネルヴァ書房、2007)
⑦瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014)
その他特記事項
■授業の工夫■ 予習・復習の過程で生まれた疑問や批判など(→「授業時間外の学習」の欄を参照)をmanabaを通じて出してもらい、それらに対応する予定です。