シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
会社法2 | 2024 | 春学期複数 | 火6,木3 | 法学部 | 三浦 治 | ミウラ オサム | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-SO3-006L
履修条件・関連科目等
民法の各科目を履修済みまたは並行して履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「会社法1」と「会社法2」は、基本-応用という区別ではなく、会社法の内容を2科目に分けた区別です。「会社法2」の対象は下記のとおりですが、後期の「会社法1」も見据えて、「会社法全体の総論」も取り扱います。つまり、「会社法1」の範囲ですが、会社の機関についての制度の概要(解釈論は省きます)を含めて、総論として取り扱います。前期の「会社法2」・後期の「会社法1」を通じて、会社法全体を視野にいれて講義を進めていきます。
「会社法2」について、具体的には、下記「授業計画」の順序で進めることを予定しています(下記のカッコ内の数字が何コマ目で取り扱うかを示しています)。1~5は、基本的には複数の会社間のつながりを意識せず、ひとつの会社の内部組織を取り扱います。6も、ひとつの会社を新たにつくっていく場合の規制です。それに対して、8・9では、複数の会社が結びついている状態に対する規制と、これから新たな結合状態をつくったり変えたりしていくというときの規制・法律問題を対象とします。
科目目的
「会社法2」という科目の対象は、「会社法」という法律を構成している編・章の該当箇所を併せて示すと、設立、株式、新株予約権、計算等、事業の譲渡等、解散、清算(以上は、いずれも会社法第二編第一章・第二章・第三章・第五章・第七章・第八章・第九章の章名)、社債(第四編の編名)および組織再編行為(第五編の編名から組織変更を除いた、合併・会社分割・株式交換・株式移転を総称して、このように呼ぶことが多い)を中心としています。第七編雑則の規定は、「会社法1・2」問わず、折々に登場してきます。
制度や規制の基本部分の理解・重要条文の趣旨の理解などを踏まえて、伝統的な論点(解釈論)や新しくとも最高裁の判決で取り扱われた論点などについては、当該法律問題の妥当な解決のために正確な思考の筋道をたどれるようになること(それは、考え方によって結論が分かれる場合は、分かれ目がどこかが分かるということでもあります)が、第1の目標です。そして、それをどのように答案に書いていけばよいかが分かるようになることが第2、実際に書けるようになることが第3の目標です。第3の目標の到達度を期末試験で評価することになります。
到達目標
会社法の体系的理解を背景に、典型的・伝統的な論点について、私見を持てるようになること。
授業計画と内容
1.「会社法」の総論
(1)会社の概念・種類(1)
(2)持分会社の法構造(2)
(3)株式会社の法構造-株主有限責任~株式譲渡自由の原則(3)
(4)株式会社の法構造-株主有限責任~所有と経営の分離(4)
(5)株式会社の設立過程の概要・資本金の制度の概要(5)
(6)株主の権利(5)
2.「会社法2」の総論
(1)株式制度(6)
(2)資本金の制度(6)
(3)会計帳簿・計算書類(6)
3.株式等・資金調達
(1)種類株式(7)
(2)新株予約権(8)
(3)資金調達
(a)募集株式の発行等
(i)授権資本制度(9)
(ii)手続規制(10)
(iii)違法な募集株式の発行等-差止(11)
(iv)違法な募集株式の発行等-無効の訴え等(12)
(b)その他の資金調達手段(12)
(3)株式の譲渡・株券(13)
(4)株主名簿(14)
(5)自己株式の取得・株式の売渡請求(15)
(6)投資単位の調整等(16)
(7)株式の(準)共有(17)
4.剰余金の配当等(18)
5.資本金の額の減少等(18)
6.設立
(1)総説(19)
(2)設立手続・設立規制(20)
(3)発起人の権限論-設立費用の問題(21)
(4)発起人の権限論-財産引受の問題(22)
7.解散・清算(22)
8.企業結合
(1)株式の相互保有規制等(23)
(2)組織再編行為等
(a)総説(23)
(b)合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付-基本(24)
(c)合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付-株主の利益保護(25)
(d)合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付-会社債権者保護(26)
(e)事業譲渡(27)
9.キャッシュ・アウト(28)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前にレジュメ・資料を配付します。前回に授業で話した予習事項について、資料を参照しながら考えてきてください。また、少なくとも授業で指示した復習事項はきちんと復習して理解すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 100 | 3問中1問選択、論述問題 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間後またはメールの利用による。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
三浦治『基本テキスト 会社法(第3版)』(中央経済社、2022年12月-できれば第3版第2刷が望ましい)。
なお、百選掲載の事例は、授業で触れることが多いと思います。
その他特記事項
■授業の工夫■ 学期中、1~2回、簡単な論述問題について、問題に対する考え方、答案構成のしかたなどを講義する時間を設けます(1コマ全部は使わない)。