シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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民事執行・保全法 | 2024 | 春学期 | 月6 | 法学部 | 木川 裕一郎 | キガワ ユウイチロウ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-CI3-009L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
私権を実現する過程を見るには、民事訴訟法を学ぶだけでは十分ではありません。というのも、民事訴訟は、判決を通して事実と権利の存否を確定するにすぎないからです。判決の内容通りに金銭が原告に支払われ、あるいは、目的物が引渡されてはじめて、実際に権利が実現されたことになります。そして、最終的な権利の実現は、民事訴訟同様、裁判所の手続(強制執行手続)を通して行われます。民事執行法はその手続を定める法律です(なお、同法は、実務上、大変重要な担保権の実行についても規定しています)。
他方、金銭の支払いや目的物の引渡しを例にとると、債権者が強制執行をする時点で、債務者の手元に執行の対象となる財産や目的物が残っていなければなりません。それらがないとすれば、事実上強制執行は不可能になるからです。その事態を防ぐには、対象となる財産を債務者の下にしっかりつなぎ留めておく必要があります。この手続は仮差押えと呼ばれ、民事保全法が定める裁判所の手続を通して行われます(民事保全法はさらに仮処分についても定めています)。
講義では、民事執行法と民事保全法を概説します。
科目目的
この授業は、民事執行・民事保全手続の基本原則および関連する法律問題を学び、それらを理解・習得することを目的とします。
到達目標は、第1に、民事執行法、民事保全法の基本的な構造、重要な原則、制度について理解すること、第2に、それらに関する法律問題を理解すること、第3に、その問題に関する学説・判例等を理解することです。
到達目標
実体法上の権利の性質に応じて用意された各種執行手続の特徴を勉強することにより、その性質に応じた権利実現方法を使いこなせるのに必要な知識を体得することを目標とします。また、保全手続の概要を理解します。
授業計画と内容
第1 回 はじめに─民事執行と民事保全の意義と分類
第2 回 執行手続総論(1)─民事執行の主体、違法執行に対する救済
第3 回 執行手続総論(2)─強制執行の要件(債務名義・執行文)
第4 回 執行手続総論(3)─強制執行の種類と執行の対象、不当執行に対する救済
第5 回 執行手続各論(不動産執行概説)
第6 回 執行手続各論(不動産執行各論)
第7 回 執行手続各論(債権その他の財産権の執行概説)
第8 回 執行手続各論(債権その他の財産権の執行各論)
第9 回 執行手続各論(動産執行)
第10回 執行手続各論(非金銭執行)
第11回 執行手続各論(担保権の実行手続)
第12回 執行手続に関する重要判例
第13回 保全手続総
第14回 保全手続各論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 論述式問題を出題して評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
15年間にわたり、弁護士の職務遂行を審査する業務を担当している。具体的には、債権回収や強制執行を依頼された弁護士が意図したか否かを問わず成果が得られなかった場合に、事案を詳細に分析することにより、ミスの有無やミスの原因を明らかにすることにより被害者の救済を図るとともに、さらには、損害をさらに拡大させないための方策を解明し、弁護士に対して指示を行う業務を担当している。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
執行関連で専門家が陥りやすいミスや注意すべき点は、講義で紹介します。
テキスト・参考文献等
中野貞一郎著『民事執行保全入門(補訂2版)』有斐閣