シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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犯罪学 | 2024 | 春学期複数 | 金3,金4 | 法学部 | 宮園 久栄 | ミヤゾノ ヒサエ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-CR3-005L
履修条件・関連科目等
刑事法関係の科目、できれば刑事政策も受講することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
★授業の実施方法について
・授業は、原則対面による授業を実施する予定です。
・授業時間内に質疑の時間を確保できるようにし、resopn等使って双方向性の確保に努めたいと考えています。
・授業レジメは、manabaで配布します。ほかにも、いろいろな通知や情報共有などのために、manabaを利用するので、リマインダに注意してください。
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広義の犯罪学は犯罪原因論と犯罪対策論の両者を含むが、本講義では犯罪対策論の部分は刑事政策の講義に譲り、犯罪原因論・犯罪学理論について重点的に扱う。人類の長い歴史の中で「犯罪なき社会」というものは存在しない。人類は常に「人はなぜ犯罪をおかすのか」という問題について取り組んできたのである。こうした素朴な疑問から出発した犯罪学理論も、今日では「何のために犯罪の実態や原因を探求するのか」「何のために犯罪対策や犯罪者の対応を検討するのか」、「なぜ犯罪をおこなわなくなったのか」、さらに「犯罪被害者」という視点からの検討も行われてきている。そこで犯罪学理論の変遷を追いながら、われわれ自身もまた「人はなぜ犯罪をおかすのか」というこの古くて新しい問題について考えていきたいと思う。
なお、以下に掲げる授業計画は、状況に応じ必要があるときは、適宜に変更することがある。
科目目的
犯罪学の目的は、いかにしたら犯罪のない社会を構築することができるか、を追求することにある。犯罪現象への理解を通して、人間について、社会のあり方について考えることは、刑法や刑事訴訟法を理解するためにも必要不可欠であろう。犯罪について多角的に学ぶことを通して、物事を批判的に検討し、自分で考えることのできる能力を身につけてほしい。
到達目標
(1)犯罪学に関する基本的知識を修得することができる。
(2)犯罪学理論を学ぶことを通して、犯罪を生み出す社会や人間に対する関心を持ち、理解を深めることができる。
(3)新聞、テレビ、雑誌等のメディア、SNS等を通した犯罪報道について、批判的な検討を行う力を養うことができる。
この授業を通し、犯罪なき社会を目指して何ができるか、どのようにしたらよいのか、自分なりに考察・検討できるようになることを最終的な到達目標としたい。
授業計画と内容
1.講義の概要と方針
2.犯罪学とは?
3.犯罪学誕生以前
4.犯罪学の誕生
5.犯罪生物学 犯罪人類学から犯罪生物学へ
6.犯罪心理学 フロイトの登場
7.犯罪社会学 シカゴ学派
8.セリンの犯罪学・マートンの犯罪学
9.コーヘンの犯罪学・ミラーの犯罪学
10.サザランドの犯罪学
11. 伝統的犯罪学理論まとめ
12.クロワード=オーリンの犯罪学
13.マッツアの犯罪学
14.ハーシーの犯罪学
15.ラベリング理論
16.批判的犯罪学・新しい犯罪学
17. フェミニスト・クリミノロジー
18.初期の被害者学
19.新しい被害者学
20.犯罪予防活動
21.犯罪の民主的コントロール
22.日常活動理論・合理的選択理論
23.環境犯罪学(理論)
24. 環境犯罪学(実際に大学をチェック!)
25.修復的司法(理論)
26.修復的司法(カンファレンスを経験してみよう)
27.少年司法の新しい試み
28.今後の課題
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
■準備学習について■
毎回授業前にmanabaに掲載するレジュメに必ず目を通した上で出席すること。
授業の最後に提示する課題に取り組むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 犯罪学についての基礎的な知識を理解した上で、それらを用いて論理的に説明できているかを判断します |
レポート | 20 | 犯罪学についての基礎的な知識を理解した上で、それらを用いて論理的に説明できているかを判断します |
平常点 | 10 | 授業への参加・貢献度、受講態度(意見の表明、他の学生と協調して学ぶ態度等)の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
レジュメを配布。
参考文献:
藤本哲也 『犯罪学原論』 日本加除出版(2003年),300+税
『よくわかる刑事政策』ミネルヴァ書房(2011年)¥2,500+税
瀬川 晃 『犯罪学』 成文堂 (1998年),500+税
その他特記事項
本講義では、映像を見たり、ディベート、ロールプレイを行ったりするなど一方的な講義形式は取らない。