シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2/専門演習B2 | 2024 | 秋学期 | 木4 | 法学部 | 佐藤 信行 | サトウ ノブユキ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
英米法概論・研究のいずれかの科目を履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本演習では、日本憲法の母法の一つであるアメリカ合衆国憲法を中心として、イギリス、アメリカ及びカナダの法システムを学びます。いうまでもなく英米法系は大陸法系と並んで世界の2大法系の一つを構成していますが、グローバル化が進む現代社会においては、母法研究の観点に留まらず、実務的にも理論的にも様々な角度から、これを学び、研究することが求められています。
そこで、本演習では、アメリカ合衆国憲法の基本原理を学んだ後、具体的なテーマを設定して、文献講読やディスカッション等の方法で検討することとします。
科目目的
法律学の基本的な技法に「比較法」や「外国法研究」がありますが、これは、その性質上「実験」を通じた発展が困難である「法」を発展させるための、極めて重要なものです。そこでこの演習では、日本憲法の母法の一つであるアメリカ合衆国憲法や、さらにその母法たるイギリス法や兄弟法であるカナダ法などの基本を学び、もって英米カナダ法と日本国法を比較の目で検討することができる基礎的能力を修得することを目的とします。
到達目標
具体的な学修方法として、参加者の希望を踏まえた具体的なテーマ設定(たとえば「同性結婚の憲法問題」「薬物規制」「現代型奴隷制度」など)を行い、これに関する邦語及び英語文献(判例、論文等)の講読とディスカッション、さらに個別テーマの設定に基づく個別研究報告によって、比較の視点をもった法的な思考力を高めると共に、中級程度の難易度の専門文献の読解が可能となる程度の法律英語力をも養成することを到達目標とします。
授業計画と内容
下記の要領で授業を実施します。ただし、履修者の関心により、具体的なテーマが設定されますので、下記の内容は変更されることがあります。
第15回 合宿の総括
第16回 後期の個人別各論課題設定と重複調整
第17回 2024年度ゼミ生選考
第18回 個人別課題発表(「ヘイトスピーチ規制」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第19回 個人別課題発表(「安楽死」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第20回 個人別課題発表(「実体的適正手続論」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第21回 個人別課題発表(「信教の自由と国旗への忠誠」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第22回 個人別課題発表(「婚姻の要件からの性別の排除(同性婚)」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第23回 個人別課題発表(「アファーマティブ・アクションと逆差別」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第24回 個人別課題発表(「人工妊娠中絶と規制」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第25回 個人別課題発表(「国内裁判所による国際的企業活動規制」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第26回 個人別課題発表(「薬物規制とその緩和」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第27回 個人別課題発表(「インターネット・コンテンツ規制」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第28回 個人別課題発表(「死刑制度の比較法」に係る個別判例又は課題を発表し議論)
第18回から28回については、アメリカ合衆国及びカナダ憲法に関する判例あるいは特定の課題を参加学生が自ら選択し、比較法の視点から検討の上発表するものであるために、上に示したテーマは、全くの例示であり、テーマ選択も発表順序も何ら拘束するものではありません。なお、11名を超える参加者を得た場合は、1回あたりの報告者数を最大2名までとするほか、春季の課外活動を活用して少なくとも各自1回の報告の機会を担保します。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
自身の報告・発表に際しては、その準備及び質疑に対するフィードバックが求められます。他方で、他のゼミ生の報告・発表については、提示された資料の事前検討が求められます。
また、春季休業期間中には、新3年生を対象とするプレゼミを新4年生主体に実施してもらいます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 演習における課題発表レポートを評価する。 |
平常点 | 50 | 演習における議論への参加、グループ活動への参加度等を総合的に評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎週の授業内における報告・発表に対する質疑や講評自体がフィードバックですが、それ以外に、必要に応じて発表用資料のチェック等を行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
担当教員が主宰する、主として大学院生を対象とする複数の課外講座(Boston大学法科大学院から教員を招聘して行うSummer Program、法学部・法科大学院教員による「英語による日本法」Summer Programなど)への参加を認めます。さらに、法科大学院の正規科目Study Abroad Program(英国、2024年9月、約10日間)への同行参加を認めていただく予定にしています。
また、2025年2月~3月に、プレゼミ活動を行うことを予定していますが、詳細は別途相談して決定します。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
Webexを利用した授業を少なくとも部分的に導入します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
英文講読のテキストについては、参加者と協議の上決定します。
参考文献:
松井茂記『アメリカ憲法入門』(第9版)(有斐閣、2023 年)
樋口範雄『はじめてもアメリカ法』(補訂版)(有斐閣、2013 年)
阿川尚之『憲法で読むアメリカ史(全)』(筑摩書房、2013 年)
伊藤正己ほか『アメリカ法入門』(第5版)(日本評論社、2012 年)
樋口範雄ほか『アメリカ法判例百選』(有斐閣、2012 年)
その他特記事項
演習科目には、履修者の主体的な参加が求められます。担当教員を使い尽くすつもりで、参加してください。