シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
哲学史2 | 2024 | 秋学期 | 木4 | 法学部 | 谷﨑 秋彦 | タニザキ アキヒコ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PE1-002L
履修条件・関連科目等
履修科目要件はありませんが、難しいテクストを日本語で読む能力が必要となります。扱う文章、思想は、日常生活からすれば疎遠なものといえますが、説明を聞けば内容は理解できるものです。
春学期の「哲学史1」は履修要件とはなりませんが、一応、春学期分の話を前提として続きを講述するため、よりよく理解するためには、既習部分に相当する箇所は、各自で所定のテクストを読み込む必要もあるでしょう。
(なお哲学または現代思想に興味のある受講者を望みます。)
(ついでながら、春学期の受講者は、ぜひ後半も履修してもらいたい
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
術語としては諸々の言語が出てきます。(ギリシア語、ラテン語、ヘブライ語、アラビア語、ドイツ語、フランス語など)
授業の概要
西洋の思考様式(古代から現代に至るまでを貫く 固有な思考様式)を理解することが目標となります。
教科書に即して、西洋の思想の輪郭を把握する一方で、個々の思想家(哲学者)のテクストを部分的なりに読み解きつつ、その意味、意図、影響等をつかむことを試みます。
後半(哲学史 2 )では、近代、すなわち「大陸合理論」「英国経験論」「ドイツ観念論」を中心に説明することになります。
科目目的
哲学固有の思考法を理解すること、が主目的となります。これとともに西洋の思想の歴史の概要を、古代、中世、近代に区分けしたうえで、それら相互の絡み合いを見失わないようにしつつ理解すること、これが到達目標。
後半たる秋学期では(古代、中世の総復習とともに)中世から近代への移行期、そして近代の内実を論じることが中心的主題となります。
到達目標
現代のわれわれ日本人の基本的な生活の規範が西洋に由来するものであることを思うと、その西洋の価値体系がどのような思想的な基盤に成立しているものであるかを知ることは大変重要なこととなる。
この講座では、西洋の思想がどのように形成されどのような変遷を辿ったのかを知るとともに、ローカルな基盤に成立した西洋思想がいかなる事態においてグローバルなものとなったのかを考える。このことを通じて、われわれの世界がどこからきてどこへと向かうのかを考えるための発端を啓くことが目標となる。
授業計画と内容
思想の黎明期としての、古代ギリシア、古代イスラエル、キリスト教の成立期、これらにおける思想が後の時代をいかに刻印づけているか、これを再確認し、古代ギリシア精神とキリスト教的思想がどのよう絡み合いながら、西洋を動かしてきたのかを論じ、これが中世の終局においてどのような変遷を呈して、近代へと推移していくのか、そしてその近代では何がどのように形成されたのか、そしてそれがどのようにして現代を拘束しているのか、このようなことを論じます。
可能なかぎりテクストに即しつつ、以下の諸項目について扱う予定です。
話はそれなりに難しいので、傾聴に徹し、必要に応じてノートを取ることが必要となります。
第一回 哲学の歴史 その全体像 およびテクストの説明と進行の説明
第二回 古代 中世 近代、これらの時代区分についての総論
第三回 ギリシア古代とキリスト教によるその簒奪
第四回 中世が展開した思想 一神教と絶対者 およびイスラームの哲学
第五回 デカルトの思想の意義
第六回 デカルトを継ぐ者たち ライプニッツ スピノザ
第七回 デカルトを継ぐ者たち パスカル ホッブズ
第八回 ジョン・ロック およびイギリス経験論
第九回 バークリとヒューム、スコットランド啓蒙学派
第十回 カントの思想
第十一回 カントと近代
第十二回 カント以降 ドイツ観念論
第十三回 フィヒテ シェリング
第十四回 ヘーゲルの思想
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
哲学的思想は哲学以外の諸学すべての枠組みを与えるものとして時代とともに変動しながら常に時代の基盤をなしてきているといえます。それゆえ、すべての学問(自然科学、精神科学を問わず)の学習は、哲学の展開した範囲を反射的に示してもいます。このため各自の興味ある学問を追究するにあたり、その学が成立した経緯、時代、思潮、影響関係、歴史的背景、民族的および宗教的背景、等を常に顧慮するならば、それは哲学の歴史の理解に直結していることになるでしょう。既存の諸学は、それぞれ事情があって、しかもある発明によって、成立しはじめたのだということに留意するのがよいでしょう。
つまり、本講座で培った視点で、各種の学、また各種の政治、経済、法、先端諸技術、これを見直すことが、この講座の眼目の一つでもあり、また時間外の学習の内容ともなります。
+++++++ +++++++
各回において、フィードバック的な記述、あるいはのちに扱うことになる論題に関する記述、これを求めることになります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 60 | 期末に向けてレポート提出が課されます。 |
平常点 | 40 | 各回に関して提出物が課されますので、それに対応する必要があります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
アリルタイムの参加(あるいは〔遠隔授業場合には〕録画の視聴)、および各回の課題の提出は、いうまでもなく必須となります。
期末の提出課題は、該当する時代の西洋の哲学者の書いた著作(例 デカルト、『省察』)を完読して、それに関する感想文を提出する、というものになる予定。(対象書籍に関しては開講期間中に指示されます。)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
出物、およびその他のもの(例えば質問)に関する講評、論評、言及は逐次、講義内においてなされます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
レポート作成/提出に向けて、各自の時間の中で、西洋思想に関するどのような邦訳が存在するのか、それぞれの内容/梗概/出版社/出版年/邦訳者など、書誌に関する知識を随時涵養するとともに、早いうちに自己の裁量により選定し、読み進めることが必要となる。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
出席の確認などでは(感染防止措置の一環として)「respon」(manaba付属のもの)を使うことになる、かも。各自で習熟していてもらえるとありがたし。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
必要に応じて教場にて指示する。可能なかぎり哲学書の原典に接する機会を与えたいので、ときおり必要な資料を配付する予定です(manaba経由)。
予定としては、2019年度と同じく、ミネルヴァ書房、『よくわかる 哲学・思想』、納富等著、(2400円+税)を使用。最終的にはmanaba上で指示して、生協に入荷の手配を行うことに。。。
その他特記事項
リアルタイムでの参加に支障がある場合(忌引など)には、録画したものを視聴することで代替することができるが、Webex のサーバー録画は手動で行われるため、不備が生じることもありえることを承知しておくこと。
また録画の視聴は時間を置かずに、その週のうちに完了しておくことが求められる(期限を徒過した場合には欠席)。