シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ロシア法史 | 2024 | 秋学期複数 | 金1,金2 | 法学部 | 渋谷 謙次郎 | シブヤ ケンジロウ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-BL3-011L
履修条件・関連科目等
特に履修条件等はありませんが、ロシア法史という科目の性質上、高校時代の世界史程度の基礎知識があるに越したことはありませんし、あるいは、これを機にロシア(帝政ロシア時代やソ連時代などを含む)に対する関心を深めてみたいという方を歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本からみると「近くて遠い国」ロシアは、多くの人にとって依然として未知の国であると同時に、ウクライナ侵攻により、国際社会のロシアに対する批判が高まり、ある意味、ロシアという国がどのような歴史と体制で成り立ってきたのか、解明の必要性がますます高まったといえます。
この授業では、ロシアの歴史を、法と国家体制の視点から外観します。帝政ロシア、ソ連、現代ロシアは、それぞれツァーリの専制、労働者と農民の社会主義、立憲主義(ただし権威主義度を強めてきた)という具合にに、それぞれ異なった国家体制とイデオロギーに立脚していますが、法文化的には共通点もあります。こうした視点に立脚したうえで、時系列的にロシア国家と法の特徴を概観します。また、時節柄、帝政ロシアとソ連の歴史の中で埋没していたウクライナの歴史についても、適宜、概観していきます。
科目目的
本授業は、特定の時代の特定の法制度についての知識を深めるというよりも、歴史貫通的なロシア国家と法現象の特徴を把握することを目的とし、以てロシアという異文化理解の一助とすることを目的とします。
到達目標
大まかなロシアの歴史の区分に立脚した各時代・時期ごとの国家体制や法制度の違い、変遷についての基本的知識を習得し、単なる先入見や好悪ではないような冷静かつ客観的なロシアという国と社会の等身大の把握を可能とするよううな能力の習得を目標とします。
授業計画と内容
授業を開講する最初の週を含む奇数週は、事前に配信するオンデマンド型の、基本知識や概説に関するスライド講義を各自、視聴していただきます。偶数週は、前週に視聴していただいた講義に関する論点の確認や疑問点や質問の受付、さらに掘り下げた検討などを対面講義で実施します。
第1週(1・2回)オンデマンド:ガイダンス、ロシア国家の起源、ロマノフ王朝の成立についての概観
第2週(3・4回)対面授業:第1・2回の内容の深化、質疑応答など
第3週(5・6回)オンデマンド:19世紀の専制と改革、「大改革」、帝政崩壊についての概観
第4週(7・8回)対面授業:第3・4回の内容の深化、質疑応答など
第5週(9・10回)オンデマンド:ロシア革命、初期ソヴィエト憲法、ソ連結成についての概観
第6週(11・12回)対面授業:第9回・10回の内容の深化、質疑応答など
第7週(13・14回)オンデマンド:1936年憲法体制、スターリン批判、1977年憲法体制についての概観
第8週(15・16回)対面授業:第13・14回の内容の深化、質疑応答など
第9週(17・18回)オンデマンド:ペレストロイカとソ連解体、ロシア国家の台頭についての概観
第10週(19・20回)対面授業:第17・18回の内容の深化、質疑応答など
第11週(21・22回)オンデマンド:現代ロシア新憲法体制の発足と憲政(議会と大統領)、連邦制
第12週(23・24回)対面授業:第21・22回の内容の深化、質疑応答など
第13週(25・26回)オンデマンド:プーチン体制の展開、コロナ禍、ウクライナ侵攻下でのロシア法
第14週(27・28)対面授業:第25・26回の内容の深化、質疑応答など。28回目は、到達度確認。
*授業の進行具合により、回数ごとのテーマの若干の入れ替えや変動があり得る。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 講義のテーマに関する論述を予定し、その議論の展開度などの到達度により評価します。 |
平常点 | 20 | 授業の参加度を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書は使用せず講義用のレジュメ集を何回かに分けて配信する予定です。その他の参考資料も、必要に応じて配信します。関連する参考書や学術書などは、授業中に適宜紹介するが、現代ロシア法の概説書や参考書としては以下のものがあります。
小森田秋夫編『現代ロシア法』(東京大学出版会、2003年)
小田博『ロシア法』(東京大学出版会、2015年)
渋谷謙次郎『法を通してみたロシア国家:ロシアは法治国家なのか』(ウェッジ、2015年)