シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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情報法 | 2024 | 秋学期 | 金4 | 法学部 | 佐藤 信行、本田 隆浩 | サトウ ノブユキ、ホンダ タカヒロ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-NF3-005L
履修条件・関連科目等
憲法(人権部分)について単位を修得していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近代から現代への社会変容に応じて、法も現代化して行きますが、こうした社会変容・法変動の一つの場面が、社会の情報化と情報法という法分野の生成です。ただ、社会の情報化という変容は、まだ途上にあり、「情報法」という法分野も、確立した内容をもつには至っていません。
そこで、この講義ではこの点に留意し、「情報化社会」が「マスメディア社会」と「ICT社会」の複合であることから出発し、法変容を引き起こす要因と法システムの関係を明確化しつつ、情報化社会に対応する法変容のありかたを考えます。具体的には、マスメディア法、プライバシー法、個人情報保護法、暗号技術と法といったテーマを取り上げます。
なお、この授業は、佐藤信行と本田隆浩が共同して担当します。概ね前半が佐藤、後半が本田の担当ですが、特定のテーマ等により担当者が交代することがあります。
科目目的
法を学ぶ際の一つの重要視点は、「近代法システムの現代的展開」ですが、この科目では、現代社会の一つの相としての「情報化社会」に着目して、近代法システムがどのように変容をしているのかを学修することを目的とします。
到達目標
この科目の到達目標は、(1)情報化社会それ自体の基本構造を理解すること、(2)その構造に対応した法変容のありかたについて、複数の選択肢を比較して適切な判断ができる能力の獲得です。
授業計画と内容
総論編
01.近代法システムの再確認
02.現代社会と情報化(マスメディア社会とコンピュータ化社会)
03.情報法における議論の方法(1) 既存法対応とパッチワーク対応
04.情報法における議論の方法(2) パッチワーク対応と法システム再構築
各論編(1) マスメディア社会としての情報化社会と法
05.マスメディアと表現の自由
06.古典的プライバシー権とその展開(1) "right to be let alone"の形成
07.古典的プライバシー権とその展開(2) 日本での継受と判例法の展開
各論編(2) コンピュータ化社会としての情報化社会と法
08.現代的プライバシー権の生成と発展
09.個人情報保護法制(1) 1980年OECD勧告と個人情報保護法
10.個人情報保護法制(2) 2017年施行改正個人情報保護法と国際的動向
11.暗号化技術と法
12.インターネットと法(1) 放送と通信の融合
13.インターネットと法(2) 対抗言論の法理
14.まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回においては、予習として配付資料の該当箇所を確認しておいてください。なお、授業時間外に質問等がある場合、電子メールでの連絡の他、担当教員の一人である佐藤の研究室(駿河台キャンパス)で対応します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 90 | 情報法の領域における具体的課題について、その問題構造(従来の法システムからみた問題)を明らかにし、それに対する対応としてどのようなものがあり得るかを複数検討し(既存の法システム内での対応、特別法的対応、法システム全体の再構築など)、説得的な理由をもって解決策を提示することができるかを評価する。 |
平常点 | 10 | 授業中の発言等、授業への参加姿勢と貢献度を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
電子メールやオフィスアワーを利用してフィードバックする。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
希望者には、担当教員が会長等を務める地方公共団体の情報公開・個人情報保護審議会の傍聴の機会等を提供する。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
ICT法の講義に際して、実際の先端IC技術を紹介しつつ、その法的問題を検討する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員である佐藤は、複数の地方公共団体や公的機関において、情報公開・個人情報保護審議会や同審査会の委員及び会長としての経験を有する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
情報公開・個人情報保護に関して、実務における諸問題を講義する。また、希望者には、上記審議会等の傍聴の機会を提供する。
テキスト・参考文献等
全回を通じて教員が作成・配布する資料を配布します。その他の参考文献については、授業第1回で指示します。